(続)モロッコ最強のセールスマン

fprise | マーケティング

石塚駿平

さて、前回に引き続き僕が
モロッコで出会った怪しい
絨毯商人の話をします。

前回の記事はこちら

モロッコ最強のセールスマン

前回の記事で書いたように、
この怪しい絨毯商人は

・共通の話題で親近感を得る
・お客様の声ノートを見せる
・不安を潰す

などのテクニックを使って、
徐々に心理的なバリアを外してきました。

モロッコでは押し売りしか経験して
いないので、彼は相当な策士なのでしょう。。

しかし、彼の華麗な売り込みは
まだまだ続いていきます・・・

テクニック4:ワクワクするパフォーマンス①

色々と世間話をした後、絨毯商人は

「そろそろ絨毯を一緒に見ようか」

という感じで絨毯を見せ始めました。

そろそろ本気モードです。

小さい玄関マットサイズから、
リビングでしか使えないような
かなり大きいサイズの絨毯。

赤、青、白と色んなベースのカラーに
異国情緒ただようエキゾチックな刺繍。

見るだけ楽しいです。

さらに、絨毯を見せるたびに素材や作り方の
説明をするのですが、それを聞いていると
だんだんと素晴らしいものに見えてきます。

その中でも面白かったのは、
実際にパフォーマンスをさせること。

まず最初に、

「これを破けたら一枚無料やろう!」

と、絨毯を思いっきり引っ張らせます。

当然のごとく、全力で引っ張っても
絨毯はびくともしません。

「この絨毯は丈夫で長持ちする」

と直接言うことをせずに、
パフォーマンスでそれを証明しているのです。

テクニック4:ワクワクするパフォーマンス②

さらにパフォーマンスは続きます。

ある絨毯を見せる時、彼はこう言いました。

「これはサボテンの繊維でできている。
だから燃えないんだ、試してみるか?」

この話を聞いた時、

「いやいや、絨毯は燃えるでしょう。
何を言ってるんだこのオッサンは・・・」

と思ったのですが、彼は僕の人差し指を
取り、絨毯をその指で包み始めました。

そして、、、

なんと、その絨毯で包んだ指を
ライターで炙り始めました!

ちょっと、玄関マットとかリビングの
カーペットで自分の指を巻いて
ライターで炙るのを想像してみて下さい。

怖くないですか?

でも、その絨毯商人は嬉しそうに
僕の指をライターで炙っています。

そして、、、不思議なことに・・・

全く熱くないのです。

結構長いこと炙っていたので
ちょっと暖かくはなりましたが、
それでも熱くない。

さらに、肝心な絨毯を見てみると
全く焦げ跡などついていません。

キレイなままです。

「これは質の高い絨毯の証拠なんだよ」

と彼は言います。

こんなパフォーマンスを外国で見せられたら、
どうしてもテンションは上がりますよね。

(ヒント)
ただ言葉で伝えるのではなく、
顧客に体験をしてもらう形で
メッセージを伝えることはできないか?

テクニック5:価値を強調する

パフォーマンスが一通り終わった後、
その絨毯商人はこう言ってきました。

「この絨毯は本当に丈夫なんだ。
水で洗うこともできるし、親から子へ、
子から孫へ、世代を超えて使える。」

先ほどのパフォーマンスを経験した後では、
この言葉には真実味を感じます。

さらに、

「この絨毯は手編みで作っていて、
作るのに3ヶ月もかかるんだ」

と、絨毯ができるまでの価値を強調したり

「この絨毯を作ったのは未亡人で、
この絨毯を作ることで頑張って生活してる」

とか同情をあおったり、
絨毯が持っている価値を色んな
角度から強調してきます。

これ、結構効きましたね。。

特に、「長い間使い続けることができる」
というポイントを強調するのは
とても賢いやり方だと感じました。

(ヒント)
あなたのサービスがなぜ価値が
あるのかを色んな角度から伝えているか?

時間軸を広げて長期的な成果が
得られることに言及しているか?

テクニック6:特別感を出す

そして、最後にやっと価格の話になりました。

この時も、ただ価格を出すのではなく、

「君は若いから、特別にこの値段にしよう」

「スペインのマドリードとか大都市から
来た人はお金を持っているからもっと
高い値段で買って言っているんだよ」

と、特別感を出してきます。

また、家族へのお土産として
考えていることを話すと、

「そうか、イスラムでは特に母を
大事にするという考え方があるんだ。

私もその考え方が好きだから、
特別に値引きをしてあげよう。」

とか、もっともらしい理由を
付けて特別扱いをしてくれます。

これも結構効きましたね・・・

(ヒント)
“他ではないあなただからサービスを
受けてほしい”ということを理由を
以て伝えることはできるか?

きっちり背中も押してくる

そして、悩んでいる素振りを見せると

「イスラムでは、こんな言葉がある。
“お金は入ってきて、そして出て行く”
欲しいと感じたら使うのが自然なんだ。」

と、背中を押してきました。

そんなやり取りもあり、結局僕は
小さめの赤い絨毯を1万5千円くらいで
この怪しい男から買いました。

後から調べてみたら、相場より1.5倍
くらいの値段だったみたいですね。。

それにしても最初は全く買う気なんて
なかったのに、物価の安いモロッコで
こんな買い物をさせるのは凄い手腕です。

まさにモロッコ最強のセールスマン。

いくつか彼が使っていた
テクニックを紹介しましたが、

「どうやったら自分も上手く使えるか?」

ということを考えることで、
何かアイデアが浮かぶかもしれません。

個人的には、体験自体が面白かったので
良い旅の思い出になりました。

P.S.
その絨毯ですが、帰国日に洗濯機で
洗ったら端っこが見事にほつれました。。

「洗えるって言ったじゃねーーかーー!」

と思いましたが、それはそれで
さらに面白い思い出になりそうです。

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コメント

コメントの一覧

  1. Akihito Ide より:

    テクニック自体ためになるし、即効性もあるので大変良かったですが、最後のオチが最高でした!