早期決断ボーナスのデザイン

昆知宏

「今日決めてくれたら年内納車できます!(キリッ)」

車をそろそろ買い替えてもいいかもと思いカーディーラーへ行ってきました。

大きな買い物をするときってワクワクする反面
とっても疲れますよね。

買い物を心から楽しめないのは金銭的な余裕が
本当はない表れなのかもしれません。

車検が11月なのでどのみち新車は間に合わないから
時間的に余裕のある中でどんな営業をされるのか

体験してみようといろんなディーラーに
行くことにしました。

しかも車を近々2台とも入れ替える必要もあり
様々なジャンルを見て回っています。

いわゆる1回目の商談では車の説明がメインで
試乗などもするのですが、

その後だいたい見積提示の流れになって
即時決断を迫られます。

車はそこまで大きな金額ではないから
(家と比較して)

関係づくりよりもその場で決断を求めてくる
ところが大半なのが印象的です。

なので正直、疲れます。

そこでメーカーによって、

「本日決断してくれたら...」

がいろいろあるわけです。

1台目をその場で決断した理由

買い替えてもいいかも程度に車を
見て回ったのですが、

2台中1台はその日、その場でハンコを押し
契約をしました。

我ながら、決断力があります(笑)

その1台目は、家族向けコンパクトカーの中古です。

中古ディーラーに行っていい在庫があるからと
連絡をもらい見に行ってその場で決めました。

表示価格の信ぴょう性は知りませんが、
今決めれば表示価格から10%オフ。

さらに下取りも10%アップという条件で、
他を見て回るのも時間ももったいないし、
狙っていた条件と合致しているし、

信ぴょう性は分かりませんが(再び)
なんか頑張ってくれたみたいだし
申し込みをしたという具合です。

ただ実際は値引きボーナスが有難いのは
確かだったのですが、

その中古ディーラーの店長が高校からの
お友達であったというのが結局のところ決め手です。

つまり決断の理由は、1番に「信用」。
2番に壊れても相談しやすい「アフターサービス」。
そして、ダメ押しの値引き。

申し込みのハードルを下げるには、やっぱり信用。
事前の関係づくりが大事なことを体感します。

FPの場合だと、知り合い、紹介。
メルマガなどでの関係構築。
そして関係性を所有していることへのボーナス。

などが似たような効果を生むはずです。

2台目を決めれない理由

2台目はまずは新車を買おうと思っていて、
いわゆる一見さん状態でディーラーを
回っています。

なので1台目とは違い関係性の無い人と
商談を繰り返しています。

このような時に何を重視するかというと、
やっぱり車という商品そのもののスペックと
値引き等によるコスパです。

正直言って営業マンとの関係性というのは
全く個人的には決断対象になりませんでした。

相手も1回目の商談で初対面の人と
関係性を作るのは諦めていて
(デキる人はそれもできるのですが)

マニュアル通りの説明と、
教科書通りの駆け引きに専念します。

結論を言うと、

『これが徹底的につまらない』

のです。

いわゆるパーソナライズされていない説明と
教科書通りの駆け引きをされる方というのは
本当につまらないのだと感じます。

FPに置き換えると、

コンサルティングの説明をパーソナライズせずに
マニュアル通りに行い価格表をそのまま出す。

こんな感じです。

普通に行動するとそうなって当然なのですが、
この行動は受け手は想像以上につまらないのです。

関係性がない人への早期決断ボーナスは?

関係性がない人と商談すると、
だいたい2回目っていうのがありません。

1回目で値引きも特になく、
2回目のアポイントも取られず、
その後の鬼電だけでは萎えてしまいます。

おそらく鬼電でアポイントをとって
2回目の接点時に値引きオファーをかまして
くるのかなと思いますが、

それは想像の域であって候補の多い中では
わざわざ会いに行こうとは思えません。

つまり駆け引きができていない。
私はこのように思いました。

そこで私だったらどうするか?
ここをどう考えるかが頭の体操になりますよね。

あなたはカーディーラーの営業だとして、
2回目の商談をどうやって取り付けるでしょうか?

私だったら1回目は車のことを知って頂く会。
2回目にお金のことを話す会にしましょう。

と初対面の時に言うかなあと思いました。

1回目は何らかの形で興味を持ってくれた車に
対して車への想いや候補になった経緯を
ヒアリングして競合車種との違いを
徹底的に説明して知識があることを見せます。

そしてお客さんの車に対して求めるところを
聞き出してそこをヒントに距離を縮めます。

そして定価の見積もり提示だけして、
次回価格についてはじっくりお話
しましょうとするように思います。

そして2回目のアポイントを取らせて
くれたら最低でも10万円相当のオプションサービスの
という約束を付けます。

この時点で次アポがとれないようだったら
見込み顧客には成り得ないので見極める意味を込めてです。

購入が気になっているようであれば、
値引きオファーは効くはずですので、

あとはMAX値引き可能値を上司に確認して
駆け引きを始めますね。

とまあこれは架空の話ですが、
FPの場合も2回目の面談に期待される内容を
1回目の面談時に織り込む必要がある。

こういうことです。

そして2回目に決断してくれる早期ボーナスを
どうデザインするかすべてトータルで準備して
面談に挑めば間違いなく今までとは
違った結果となるでしょう。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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