本場アメリカのFPから学んだこと 2

つくばの自宅より
執筆者:石塚駿平

  

先週のメルマガでは、アメリカのFPの方から学んだ話をお伝えしました。

今回はその続きで、もう1つ興味深かかった話をしたいと思います。

どんな話かというと、FPの提携パートナーの話です。

アメリカでは、会計士や弁護士とFPが連携している場合が多く、お互いに顧客を紹介し合う関係ができている場合が多々あります。

アメリカではFPの地位が高いと言われますが、これはやはりその通りで、対等な関係を作ることができているのでしょう。

日本でもそれができている人はいるのですが、まだ少数派という印象です。

ただ、こういった典型的な提携パートナーの他にも、個人的に面白いなと感じた提携パートナーの話が2つ出てきました。

この2つがどのような人だったかというと・・・

収入に直結する、キャリアの専門家

まず1つは、キャリアコーチです。

キャリアの相談を受けて、その人にとってより良い仕事を紹介してくれたり、導いてくれる人ですね。

FPが相談をした結果、この人の理想とする人生を実現するにはもっと収入を上げるのが近道だと感じたとしても、FPだけの力だと変えらないこともあると思います。

そんな時に、キャリアの専門家であるキャリアコーチを紹介してクライアントを正しい方向に導いてもらう。

そんな感じの協力関係を築いているようです。

逆に、お金がそこまで必要ではないのでやりがいや自由な時間を優先したい、という場合でも上手く助けを借りることができそうですね。

FPがこのことに気づいて自分でキャリアカウンセラーの資格を取る人もいたりしますが、餅は餅屋という考えで外部のパートナーを頼るのもありだと思います。

ライフプランを作ると目指すべきキャリアの方向が明確になってくるので、その段階で紹介を受けたほうがキャリアのプロとしても仕事がしやすいでしょう。

お金の心理的な問題を解決する、マネーセラピスト

そしてもう1つが、マネーセラピストです。

最初に聞いた時、

「え、そんな職業があるの!?」

と驚いたのですが、お金の相談をしていると、

「なんでこんなに出費が激しいんだろう?」

という人や、逆に

「この人はなんでこんなにも生活費を切り詰めてるんだろう?」

と感じる人が出てきますよね。

もっとお金を節約をしたほうが良いとか、お金を使っても大丈夫だというのは数字を論拠にして論理的に説明できるものですが・・・

人間は、理性だけでは動きませんよね。

感情によって突き動かされるものです。

それで特に問題が起きていなければそれでいいのですが、論理的な話だけで解決しない場合はマネーセラピストの出番が来るそうです。

お金の問題は理性だけでは解決できない

マネーセラピストの役目は、例えばカップルの片方がお金が入ったらすぐに使い切ってしまうなどの問題となる行動をセラピストという立場で解決することです。

なぜそのような行動を起こしてしまうのか、いつからそれが始まったのか、どんな裏の理由があるのか、など、感情の専門家として解きほぐしてあげる。

そして、問題が解決したらFPの所に戻っていく。

そうすることで感情的な問題を解決し、目指すライフプランを元に適切な行動を続けられるようになる、という提携関係です。

潜在的にこういった需要があることは僕も気づいていましたが、マネーセラピストという立場の専門家がアメリカにはいるということが衝撃的でした。

まあなんというか、破滅的なお金を使い方をしているアメリカ人はいっぱいいそうですけどね・・・

日本の場合はどう使える?

日本の場合は、お金の使いすぎで困っている人がFPの顧客になる場合は少ないかと思います。

逆に、お金を使うことに罪悪感を感じて人生を楽しめていない人の方が多そうですね。

こういった人がお客さんになった時に、心理の専門家であるセラピストと提携してお金のマインドブロックを解除するというのは、アリなんじゃないでしょうか。

僕の妻も心理カウンセラー的な仕事をしていますが、お金にまつわる相談も多く、問題が心の深い部分に根ざしている場合がほとんどだと言っています。

ちなみに僕が聞いた話で一番面白かったのは、裕福な家庭で育った女性が10代の頃に家族が事業で失敗して、大人になってからは生活をするのに働かなくてはいけないのですが、

「私が働かなきゃいけないのはフェアじゃないと思う」

と言っていたそうです。人間は面白いですね。

FPは提携関係が活きる仕事

マネーセラピー、つまりはお金の心理の専門家という存在がいて、FPの提携パートナーになっているという状況は、結構驚きでした。

アメリカでは既に浸透してきているみたいなので、先に取り入れれば最先端のFPになれそうですね。

お金の問題を扱うセラピストの方や、カウンセラーの方は日本でも存在しているはずなので、上手く提携関係を作ることができるかもしれません。

FPライズでも探しているので、『この人が適任だ!』という人がいたらこっそり教えてくれると嬉しいです。

FPがカバーする範囲というのは多岐にわたるので、自分で深堀りする領域と、専門家に頼る領域を上手く分け、提携関係も上手く利用しながら活動をしていきたいですね。

自分で全部やるのではなく、餅は餅屋ということで専門家に任せた方が良い面も色々とあると思います。

ぜひ、今後の活動の参考にしてもらえればと思います。

石塚 駿平
株式会社FPライズ代表。独立FPに専門特化したコンサルティング、セミナー開催などを行っている。現在は依頼のほとんどを断っているが、相談料5万円の住宅相談をネットから月10名集客、開業コンサルティングを行なったFPが独立後15日で100万円以上の売上げを達成など、多くの成果を上げている。

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