大多数のFPが過小評価しているFPの価値

執筆者:昆 知宏
  

新規で来られた相談者。

120分ほどお話をし、相談内容には大満足。

でも次にはつながらず、特に何かを解決したわけでもないのでお金も頂かず…

FPの無料相談って無料だけで終われば、相談者にとって莫大なメリットがありますよね。

無料で今の自分の現状整理をしてもらって、「そのままで全然いいですよ」なんて言ってもらえるなんてとても嬉しいことです。

長時間お話しだけして、相談者は満足してお帰りになられたけど、次の面談にも繋がらなくて微妙だった。。。

こんな経験をあなたもしたことはありませんか?

多くのFPが気づいていない価値

私は独立した当初から無料相談はしてこなかったので、上記のような経験はありません。

お会いした相談者さんからは100%お金をもらって相談を受けてきました。

もちろん、それと引き換えに多くの新規の相談者と出会う機会を損失したことも知っています。

初回無料で行っていれば、もっと多くの相談者の方と会えたのではないかと思います。

でも一つ断言できることは、今まで一回も無料相談にすればよかったな…と思うことはありませんでした。

顧客数は少なくてなっても相談に対価があると思ってくれる人だけと対峙したいと思っていたし、お互いにとって探り探りの時間の無駄は避けたいと考えていたからです。

もしあなたがこれからFPとして独立したいと考えている、有料相談への移行に切り替えたいと思っているのであれば私から背中を押してあげたいです。

そこにはFPの方の多くが気づいていない価値があるからです。

話を“聞く”だけでも価値がある

FPをされている方の多くは、現状を改善しないと価値がないと思っている傾向があります。

例えば、今よりお金を増やしてあげる。

今より支出を減らしてあげる。

実際に目に見えるものが発生したからFPは対価をいただけるのだと。

FPの価値は、現状を変えることだけではありません。

現状が何も変わらなくても、価値があるのです。

「?」

となる方も多いかもしれません。

具体的に言うと、相談者はFPに相談しようと思うくらい意欲があるため、ある程度自分自身でもお金のことを調べている傾向が強く見られます。

でも情報源はYouTubeが主体で、その知識が合っているかの自信を持てないでいます。

そんな方から120分話を聞いて、「すべてその通りです!」と答えるだけでもものすごく多くの価値があるのです。

十分にお金をもらえる仕事をしているし、相談者の方も、もやもやがすっきりして感謝の気持ちとして謝礼を支払いたいと思う方がほとんどなのです。

相談者の何かを変えたわけではありません。

『ただ話を聞くだけという行為に価値がある。』

多くのFPが過小評価している点はここです。

あなたの相談には絶対に価値があります

例えば恋愛相談をするときに、答えが欲しいですか?

きっと違いますよね。自分の考えを聞いてほしいだけだと思います。

そして、背中を押してほしい。

FPの相談もこれと同じことが言えます。

自分の中でもやもやして考えていたことに、意見(アドバイス)が欲しいのです。

もちろんそれが大きく間違っていて改善点を提案できればFP冥利につきますが、改善点がなくそのままでOK!という感じでも相談者の満足度は高いのです。

特に資産をたくさん持っているほど、常に相談したい(答えを求めているわけもない)というニーズがあります。

こういう潜在的ニーズがFPの顧問契約などへ繋がります。

FPの顧問契約っていうと、かなり専門的な解決策を示さないと無理では?と思う方も多いと思います。

実際は違います。

王道なアドバイスで十分であり、常に相談相手として存在しつづけることに十分に価値があるのです。

この点を押さえている有料相談スタイルのFPは強く、いろんなFPをこれまで見てきましたが成功者の多くに共通しているように思います。

あなたの意見(アドバイス)には現在も十分に価値があるのです。

あとはあなたのスタンスと、信頼関係を築くための要素、度量の大きさといえるでしょう。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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