FPは専門特化した方がいいの?

石塚駿平

特に、これから事業を行っていくFPの方からよく聞かれる質問。

それは、、、

「総合FP事務所としてやっていく方が良いのか?

それとも、専門特化してやっていく方が良いのか?」

というものです。

保険・住宅・資産管理・年金など、色んな相談ができるFP事務所としてやっていくのか、

それとも、、、

ある分野に専門特化して特定の相談に強いFP事務所として(例えば住宅購入相談に特化する)やっていくのがいいのか?という話ですね。

今回は、この質問に対して「ネット集客を考えるとどうなるか」

という観点で回答をしていきたいと思います。

この記事を読めば、専門特化に対する考え方が

わかるようになるでしょう。

総合型 V.S. 専門型

まずは、この2つを比べた時に、それぞれにどんなメリットがありそうかを考えてみましょう。

総合型にすると得られそうなメリットとしては、、、

・幅広い分野の話ができる点に魅力を持ってもらえそう

・自分のFPとしてのリソースをフルに活かす事ができる

・入り口を多く持っておく事で色々な可能性を残す事ができる

このようなものがありそうですね。

一方、専門特化した時に得られようなメリットとしては

・他と差別化ができる

・何をやっている所なのかわかってもらいやすい

・より深い専門知識を身につけることができる

このようなものがありそうです。

これらは、FP側の視点ですね。

多くの人は、こういったことを考えて

「どっちの方がいいのかな〜」と悩んでいるはずです。

しかし、、、

マーケティング・集客という観点で考えると、

考慮にいれるべきはFP側の意向ではありません。

「お客さん(見込み客)がどう考えているか?」

です。ここにフォーカスする必要があります。

お客さんはどう考えているの?

お客さんは、どういう時にFPに相談したいと思うのでしょうか?

その答えは、多くの場合

「特定の悩みを抱えている時」です。

「更新が来て保険料値上がるから保険を見直したいな・・・」

「家を買うんだけど、本当にこの家を買っても大丈夫なのかな?」

「資産運用をしたいんだけど、一体どんな方法でやればいいだろう?」

こんな時にFPに相談をしたいと思います。

そして、検索エンジンに「生命保険 見直し」とか、「マイホーム シミュレーション」と打ち込むのです。

ほとんどの場合、複数の目的を同時に持った人はいません。

検索エンジンに、「保険 住宅 資産運用 相談」

とか打ち込む人はいないですよね。

そのことからも、FPに相談をする時というのは、

「特定の悩みを抱えている時」だというのがわかると思います。

専門特化していた方が有利

こういったことを考えると、

専門特化した方が集客上は有利と言えます。

悩みを抱えている人から見たら、

「何でもできます」と言う所よりも「専門でやってます」

と言っている所の方が魅力的に映るのものです。

お昼にラーメンを食べたいと思っている人からしたら、中華料理屋さんよりも、ラーメン店の方に行きたいですよね。

それと同じです。専門の所に行きたいのです。

「いつかはチャーハンとか餃子も食べたくなると思うから、

それを見越してこの中華料理屋さんに行こう」と考える人はあまりいません。

いたとしても少数です。

なので、総合型であることを押しだすよりも、

専門特化した方が集客上は有利、ということになります。

ネットの特性を考えると・・・

具体例を挙げてもうちょっと詳しく解説しましょう。

保険・住宅購入相談・住宅ローン借り換え・資産運用・教育費相談

ができるFP事務所としてホームページを立ち上げたとします。

そのホームページから問い合わせを獲得したいと思ったとき、

集めなくてはいけないアクセスは

・保険の相談がしたい人

・住宅購入相談がしたい人

・住宅ローン借り換えがしたい人

・資産運用がしたい人

・教育費の相談がしたい人

これら全てになります。

さっきも言った通り「保険と住宅購入と資産運用がしたい人」

というのはまずいないので、結局それぞれの目的を持った人を集める必要が出てきてしまいます。

対して、例えば住宅ローン借り換えに特化した場合は

・住宅ローン借り換えがしたい人

のアクセスを集めれば良いという話になるので、かなりやることが絞られ、効率的になります。

また、伝えられるメッセージもブレないので、お客さんに対する訴求力が高くなります。

どのように特化すればいいのか?

では、実際にどのように専門特化をすればいいのか?

理想的なのは、アクセスの種類ごとにホームページを持つ事です。

例えば住宅ローンに関して考えてみると、

「住宅を新規で購入したい人」

「住宅ローンを借り換えたい人」 というのは種類が違います。

「住宅を新規で購入したい人」は『住宅購入 相談』とか『新築 購入』などのキーワードで検索をします。

対して、「住宅ローンを借り換えたい人」 は『住宅ローン借り換え』とか『住宅ローン借り換え シミュレーション』などと検索をします。

これらは顧客層が違うので、

専門特化をするなら「新規の住宅購入相談に特化したホームページ」

と「住宅ローン借り換えに特化したホームページ」がそれぞれ別のものとしてあるのが理想です。

もちろん、これは理想論なので地域や使える予算、かけられる手間等も考慮して考えていくことになりますが、理想はこんな感じですね。

そうすれば、集めるアクセスを絞ることが出来るのでとてもやりやすいです。

また、SEO上でも関連キーワードで引っかかりやすくなるので有利になります。

でも、絞るのはちょっと・・・

「専門特化した方がいいのはわかったけど、専門特化してしまうと、その相談しかできなくなるじゃないですか?

もっと色々なサービスを提供していきたいんだけど・・・」

中には、このように考える方もいらっしゃると思います。

確かに、一見するとそう思うかもしれないですね。

しかし、もし幅広いサービスを提供していきたいという場合でも専門特化するのは有効です。

なぜなら、他のサービスを提供したいのなら、一度サービスを受けた人に別のサービスを提案すればいいからです。

例えば、住宅購入相談に特化してお客さんを集め、相談してくれた人に、

「実は資産運用も得意としています」

ということを言っても全然問題ないわけです。

もしお客さんがあなたの相談の内容に満足しているのなら、喜んで他のサービスも受けてくれます。

ラーメン店の看板を掲げてお客さんを集め、おいしいラーメンを堪能してもらった後に、

「実はうちはチャーハンも作ってるんだ・・・

あまり表に出してないけど、ラーメンよりもうまい自信がある」

と言われたら、今度はチャーハンも食べたくなりますよね。

つまり、何が言いたいかというと、

「専門特化をしたからといって、そのサービスしか提供してはいけないというわけではない」ってことです。

一度来たお客さんに提案をできる形を作っていけば

全く問題ありません。

・・・

以上、ネット集客における専門特化の考えについてお伝えしていきました。

結論を言うと、ネットで集客をしたいと思ったら、専門特化した方が有利です。

もしあなたが、

これからネット集客に真剣に取り組んでいきたい・・・

もっと集客できるように改善をしたい・・・

そう思っているのなら、参考にしてみて下さい。

石塚 駿平
株式会社FPライズ代表。独立FPに専門特化したコンサルティング、セミナー開催などを行っている。現在は依頼のほとんどを断っているが、相談料5万円の住宅相談をネットから月10名集客、開業コンサルティングを行なったFPが独立後15日で100万円以上の売上げを達成など、多くの成果を上げている。

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