FPが長く価値提供できるテーマ

つくばの自宅より
執筆者:石塚 駿平
   

最近よく思うんですけど、お金を使うのって、お金を貯めるよりも難しいですよね。

お金を貯めるのは、単純です。

節約するか、収入を増やすか、運用をする。

これをやることで、誰もが同じようにお金を増やすことができます。

お金を1000万増やすということを目標にした場合、明確な道のりを作ることはFPにとって難しくないはずです。

では、1000万円を使うとなった場合はどうでしょうか?

お金を貯めるように、わかりやすい道のりを作るのは難しいのではないかと思います。

とある夫婦の話

僕の家の近くに住んでいる方で、恐らくお金をたくさん持っているであろう夫婦がいます。

その夫婦は経営者などではないですが、収入が平均より高いであろう仕事に就いており、もうそろそろ定年という年です。

子どもはいません。

話を聞くと、恐らく今までは堅実な暮らしをしており、株や不動産か何かで資産を大きく増やしたのかな?と思うのですが、

「今までお金を使ってこなかったから、残りの人生は好きにお金を使おう」

ということで、今まで住んでいた一戸建てを売って推定1億円くらいの注文住宅を建て、1000万円以上する高級スポーツカーを買ったりしています。

それはとてもすごいことで尊敬をしているのですが、

『人生の幸福の最大化』

という観点で見ると、本当に正しい選択だったのかな?と思う所があります。

幸福に繋がるお金の使い方

人の幸せに関してはなんとか言う権利は僕にはないので、邪推にはなってしまうのですが・・・

お金をたくさん貯めて、

『これ以上貯めても仕方ないから使おう』

というモチベーションでお金を使ったとしても、そこまで幸福度は上がらないんじゃないかと思います。

であれば、お金を貯めることばかり考えるのではなく、自分の人生をより幸せにするお金の使い方を学び、実際にお金を使いながら経験値を増やしていく人生の方が良いのでは?と感じます。

バランスを取るのは答えがないから難しい

お金に関して難しいのは、貯めるだけでもダメで、使うだけでもダメだということです。

両者のバランスを上手く取る必要があります。

貯める一択、使う一択なら楽なのですが、バランスを取るというのは答えがない道を行くようなものなので、なかなか上手くできないんですよね。

でも、ここでちょっと考えて欲しいのですが・・・

この問題というのは、自分だけで考えるのは難しく、しかし人生の幸福度に直結している。

こう考えると、FPが貢献できる分野だと思いませんか?

もし自分がFPとしてアドバイスするなら

お金の貯め方と同時に、自分の人生が幸せになる使い方も教えてくれる。

そうやって、今まで見えていなかった世界が見えてくるようになる。

そんなFPがいたら、きっとずっとお金を払い続けても一緒にいたいと感じるはずです。

僕がFPとして活動をすることになったら、そんなFPになりたいですね。

そんなことを考えていたら、ちょっと妄想が膨らんできたので

『もし自分がFPとして活動をするなら、こんな風にお金の使い方についてアドバイスをする』

という話をしたいと思います。

今できることをやってもらう

まず、やりたいのは

『人生で何をやりたいのか?』

ということを明確にすることです。

やりたいことリストの作成ですね。

それができたら、

『現時点でやろうと思えばできること』

というのを実際にやってもらいます。

どこどこに行きたいとか、何々をやりたいというのは、意外と今お金を使えばできてしまうことが多いからです。

これをやると、

『いつかやろうと思っていたけども、今やってもいいんだ』

というパラダイムシフトが起こる可能性が結構あります。

こういった経験があると、自分の人生をどう生きたいのかが明確になってくるので、そういった体験をしてもらうというのはやりたいですね。

コミュニティを作り、共有してもらう

他には、既存顧客のコミュニティを作って、

『私はこんなお金の使い方をして、こんな気持ちになりました』

というのをシェアしてもらうというのもやりたいですね。

こんな所に旅行に行ったとか、親孝行としてこんなことをしたとか、子どもと一緒にこんな体験をしたとか、新しくこんな挑戦をしたとか、です。

同じ価値感を共有している仲間から、刺激を受けるというのはとても素晴らしいことです。

それがきっかけで、自分の人生をより幸せにするためのアイデアが浮かんだりするので、そういったコミュニティ作りには注力すると思います。

そうすれば、自分が何もしなくても価値が生み出されて楽ですし、自分も大きな刺激をもらえるような気がします。

顧客と長い関係を作れるテーマ

こんな感じで、FPとしてお金の使い方のアドバイスを提供するアイデアをお伝えしましたが、どうでしょうか?

これは永遠に尽きることがないテーマなので、FPとして顧問料や月額のフィーを継続的にもらいながら関係性を作っていくのに良い方法だと思います。

顧客の人生を変え、より幸せな人生を送るサポートをするというのは、普通のお金のアドバイスとは一線を画す高次元のものになります。

その分難易度は高くなりますが、もらえるお金も大きくなりますし、FPにしかできない分野なので取り組む価値は十分にあるんじゃないかと思います。

もしこの話を聞いて、取り入れられそうなことや思いついたアイデアがあったら、ぜひ実行してみてくださいね。

石塚 駿平
株式会社FPライズ代表。独立FPに専門特化したコンサルティング、セミナー開催などを行っている。現在は依頼のほとんどを断っているが、相談料5万円の住宅相談をネットから月10名集客、開業コンサルティングを行なったFPが独立後15日で100万円以上の売上げを達成など、多くの成果を上げている。

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