振り返ると『神ってた』アドバイス

昆知宏

今から4年前。

とあるご婦人の資産運用相談に
乗ったことがありました。

独立して比較的すぐの時です。

「私は住宅専門であるから、
いわゆる資産運用アドバイザー
みたいな感じではできませんよ。」

という感じでお話をしたのですが、
それでも良い、あなたに相談したい
ということで何度か面談を
行いました。

日経平均は14,000円。
ダウ平均は15,000$。

市場は当時こんな感じだったのです。

この時アベノミクス効果で
これから株高になるだろうから

日本株のインデックスをベースに
海外株インデックスも分散して

組み合わせて投資していくのが
いいかもですね。

そして安倍さんの任期が
確定したあたりで、

一度利益確定すれば良いのでは
ないでしょうか。

という趣旨の話をしていたのです。

この通りにしていたご婦人。

まさにこのタイミングで
また話を聞いてほしい
という連絡がきました。

利益はご想像の通り。
神ってますよね。

当たり前のアドバイスって大事

資産運用の話は私は正直、
専門家ではないので詳しくはありません。

仮想通貨とか秘密の投資ファンドとか
不動産投資とか、
さっぱり分かりません。

私ができることは、

いまある情報から世界経済の動向を
予測しリスクと引き換えに

どれだけ自分のお金を投資資金に
回せるかをご自身に理解してもらう
話しかできません。

こんなのFPをやっている人間から
すれば当たり前すぎる話なのですが、

私が思う資産運用アドバイザーに
相談に行くとこういうアドバイスには
きっとならないと思うのです。

今ある情報をどう生かして、
自分の予測する未来を考えて、

誰もがアクセスできる金融商品へ
(ここめっちゃ大事)

自分のお金をリスクと照らし合わせて
どこまで入れるのか。

資産運用の本質って
これなんじゃないかと思ったのです。

こういう話をすると、

「楽しい」

という感想を持つ方が多いです。

詐欺ファンドをすすめるFP

私はFPになる前、
FPから詐欺ファンドに入った
ことがあります。

当時は完全たる無知であったので
年利24%のファンドの話をされて
貯蓄の半分以上を委ねました。

結果、2か月でファンドは飛び
全国ニュースにもなりました。

バカ丸出しですよね。

当時は怒りというよりも、
空虚感に襲われました。

何人かの自殺者も生み出したようです。

お金は怖い。
FPは怖い。
運用アドバイザーはインチキ。

私はこう思いました。

新聞などの報道で販売者にも
多額なフィーが落ちることから
爆発的に広まったとのことでしたが

結論は、

『強欲×強欲』

の末路だったわけです。

高い授業料を払って得たもの

結果的にいまFPの仕事を
している私にとって、

詐欺事件の被害者になったことは
お金を払ってこれ以上ない
経験をしたとプラスに捉えています。

なぜかというと、

この手の話が来た時に、
絶対に自分もやらないし、
お客さんにも勧めないからです。

この手の話に興味を持つ人へも
経験談を語ると抑止力になるので
いい自虐ネタになりました。

信頼できる●●って人からの
情報だから大丈夫!

って感じでこの手の話は
広まってしまうのですが、

あなたが信頼している人も
既に被害者かもしれないのです。

つまり信頼の連鎖が崩壊し、
巻き込まれたすべての人が
不幸になってしまう。

私たちができることは
具体的商品の紹介ではありません。
※そもそもこの時点でNG

そうではなくて、

資産運用や投資についての
基本理念を教育していくことが
大事です。

基本知識の習得を共にして、
お客さん自身に運用を取り入れる
マインドを作り上げる。

あなたの資産を増やすことではなくて
お客さんの資産(思考も含めて)を

増やすことができるFPこそ
私の目指す理想像です。

あなたはいかがでしょうか?

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

関連記事