スムーズにフィーを払ってもらうための技術

中西雅司

「消費期限が4日過ぎた豚肉が
あるんだけど、食べないほう
がいいよね?」

キッチンで料理をしてくれている妻が、
リビングでスマホのニュースを
見ている私に向かって、言いました。

「さすがに4日は
難しいだろうな。」

と思って、

「そうやね。さすがにね。」

と答えると、妻は

「そうだよね。」

と言って、豚肉を冷蔵庫に
片づけ始めました。

私はこれで、この会話は
終わりかなと思っていました。

しかし、そうでは
ありませんでした。

その先に、妻の策略が
あったのです。

その後、冷蔵庫からまた
何かが出てきました。

冷蔵庫から出てきたのは
牛肉でした。

「じゃあ、この牛肉は消費
期限が過ぎてからまだ2日
だから、こっちを使うね。」

思わず私は、

「それくらいならいいか」

と思ってしまって、

「うん」

と言ってしまいました。

もし最初に2日の話をされたら

もし、最初に消費期限が2日切れている
お肉の話をされたら、私はきっと、

「やめたほうがいいんじゃないの?」

という回答をしていたと思います。

私は、普段は消費期限が
切れているお肉を食べるのは
躊躇してしまうからです。

でも、最初に4日の消費期限の
お肉の話があったので、

「2日ならさっきよりは全然マシだから、
それくらいなら大丈夫かな。」

という気持ちになってしまいました。

高い基準の後に本題の話をした
ことによって、私の判断基準が
変えられてしまったのです。

そして、結果として、妻の
意向がすっと通ってしまいました。

判断基準を変える

FPのあなたは、、、

“サービスに申し込むかどうか”

の判断基準をお客様任せに
してしまっていませんか?

ほとんどの場合、判断基準をお客様に
任せてしまうと、

「金融機関など無料相談との比較」

をお客様は行います。

似たようなサービスだからです。

でも、FPのサービスと
金融機関のサービスは似ていても、
全く違うものですよね。

全く違うサービスなのに比較されて、
お金を払ってもらえないのは、
とてももったいないことです。

しかし、冒頭のお肉の事例のように、
お客様の判断基準はあなたの伝え方
次第で変えることができます。

お客様の判断基準を変えてから、
価格の提示をしてください。

具体的には?

つまり、具体的に一例を挙げると、

「金融機関とは全く別の
サービスであること」

「お客様が得られる価値で
判断すべきこと」

「金融機関のサービスでは
得られない価値であること」

などを伝えてから、価格を
伝えるのが、1つの方法です。

そうすれば、お客様がお金を
払ってくれる確率があがります。

また、お客様が払ってくれる
金額も増えます。

もしあなたが、安定的に
お客様からフィーを払ってもらえる
状態になりたいのなら、、、

「お客様に判断基準を教えること」

を心がけてみてはいかがでしょうか。

中西雅司
大手生命保険会社に約8年勤務後、2013年にファイナンシャルプランナーとして独立。これまで40万件以上のクレームを見てきた経験から、保険適正化コンサルタントとして活動をする。現在はFPのための経営コンサルタントとして、FPの育成にも力を入れており、『保険の販売手数料に頼らなくても、FPが活躍できる業界を作る』という想いの実現に向け日々邁進している。

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