志やビジョンは、なくても始めていい

自宅オフィスより
執筆者:中西雅司

    

先日、ある独立系FPの方とお話をしていたときのこと。

今では、ホームページから問い合わせがガンガン入ってくる人気FPであるその方が、独立当初を振り返ってこう語ってくれました。

「10年前の私。志なんてなかったんです。ビジョンも特にないまま独立しました。だから、これから独立する人の参考にはならないかもしれません。」

でも私は、この話こそ、多くの人にとって勇気になる言葉だと感じました。

なぜなら、

「志やビジョンがないから独立できない」

と悩んでいる人が本当に多いからです。

志やビジョンは、なくても始めていい

私は、これまで、

「FPとして独立したい。でも、私には“志”や“ビジョン”がないんです。そんな自分が独立していいのでしょうか?」

という話をされる方に、何人もお会いしてきました。

もちろん、明確なビジョンを持って独立される方もいます。それは素晴らしいことです。

でも、それが「なければダメ」なわけではありません。

むしろ、最初は好きや楽しいといった気持ちだけでも十分だと私は思います。

お客様との出会いが志を育ててくれる

FPとして仕事をしていく中で、多くのお客様の人生に触れ、誰かの力になっていく。

そうした積み重ねの中で、「自分がこの仕事で大切にしたいこと」が、自然と浮かび上がってきます。

気がついたら、それが“志”や“ビジョン”と呼べるものになっていた——そんなケースもたくさんあります。

大事なのは、志を探して立ち止まるよりも、一歩踏み出して経験を積むことです。

だから、志やビジョンを無理に探す必要はありません。

まずは楽しんで続けることから

もしあなたが、FPという仕事に魅力を感じているなら、まずはFPの仕事を始めてみてください。

たとえ今は、志がなくても、ビジョンがなくても、大丈夫。

全然気にする必要はありません。

なぜなら、楽しんで仕事をしていれば、必ずきっと見えてくるものがあるからです。

そして何より、自分がこの仕事を楽しんでいるということは、お客様にも必ず伝わります。

志があるかどうかよりも、FPという仕事に誇りを持ち、楽しく続けられるかどうか。

それができれば、あなたはきっと、独立系FPとして活躍していけるはずです。

これからのあなたの挑戦と、次の一歩を、心から応援しています。

中西雅司
大手生命保険会社に約8年勤務後、2013年にファイナンシャルプランナーとして独立。これまで40万件以上のクレームを見てきた経験から、保険適正化コンサルタントとして活動をする。現在はFPのための経営コンサルタントとして、FPの育成にも力を入れており、『保険の販売手数料に頼らなくても、FPが活躍できる業界を作る』という想いの実現に向け日々邁進している。

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