うけがいいセミナーのタイトル。うけないタイトル。

執筆者:昆 知宏
  

「変動金利で住宅ローンを借りまくって、手元の貯金を残してNISAでフル運用しましょう。その考え方や具体的な方法をお教えします!」

この系統のタイトルコピーがいま、爆ウケです。

肌感覚でもこういうコピーでガンガン攻めた方が集客できるのは知っています。

私はどちらかというと、今流行っているこの考え方には否定的です。
そうしたらお客さんとウマが合わなくなっていることを実感しています。

これは一言で言うと、かなりヤバいです。

住宅ローンについての2通りの考え方

まず大前提としてなのですが、

“変動金利少しでも住宅ローンを借りまくって、貯金を残してNISAでフル運用”

これは正解なのか、不正解なのかそもそも答えがありません。

正解の可能性もある限り否定から入ってしまってはダメだと最近感じています。

今後の展開次第では、この考え方がドンズバでハマって莫大な利益を家計に与えるシナリオも全然ありえます。

一方で、この考え方を否定するということは

“固定金利で少しでもリスクを減らして、頭金も最低1割以上ある程度は出す。NISAはまとまったお金でできなくても毎月のキャッシュフローを改善して無理のない額をコツコツ積み上げていけば十分”

こっち寄りの発想であるわけです。

弱いタイトルでは集客できない

A:変動金利にフルベットして、NISAで上昇相場に乗っていく。
少しでも支払利息を減らし、運用利益は可能な限りすべていただく。

B:自己資金を投入し無理のない額で固定金利にして、NISAはコツコツ積み上げていく。
支払利息が増えても上限を設定しリスクヘッジ、運用利益は今の上昇相場に飛び乗らず
コツコツ積み立ててリスクヘッジしていく

これらのコンセプトで仮にセミナーをしたとすると、もういうまでもなく確実にAが集客では圧勝するでしょう。

新NISAに上昇相場でおいしい思いをしている人があらゆる人の身近に多くなってきて、最近の過熱感はすごいものがあります。

相談に来る方もほとんどがA寄りの発想なので、A寄りのコピーでイベントをしないと集客はうまくできないだろうというのはイメージができます。

自分の考えを押し付けない

ここにきて私が感じているはAでもBでも正解がないのですが、相談者にとってAが良いと思っているのならAに振ってコンサルティングをするのがベストなのかなと思っています。

そこでB寄りの考え方を話しても、煙たがられるだけで相談相手として選んでもらえないという雰囲気を今年強く感じています。

私も反省点としてAの考え方の人にBの考え方もあるということ、知識を平等に伝えたいということにちょっとこだわりすぎてしまったのかなと思うところもあります。

きっと相手にとって自分の考えを否定されたような感じになってしまったのだろうと思うのです。

もちろんFPとしてはきちんと説明をするべきという“べき論”があるのですが、これにこだわってしまうのもどうだろうかと悩んでいます。
少なくとも集客段階においては、うけるコピーで発信していかないと集客が大きく不利になるという話でした。

特に真面目な方ほど、今年は集客に苦戦する傾向があるような気がしています。

あなたはいかがでしょうか。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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