離脱する顧客の心理

昆知宏

問題です。

「新型コロナウィルスに感染した場合、
自宅療養でも医療保険に加入していたら保険金は出るでしょうか?」

恥ずかしながら私はこの問題の答えを間違って理解していました。

というのも保険会社のホームページで調べてみたら
「入院が必要にも関わらず、
医療機関の状況によりやむをえず自宅待機の場合お支払いします。」
という文言を先に見てしまったからです。

行政の情報を見ると
現在ほとんどの陽性者が軽症もしくは無症状となっているのですが、
これだと上記の文言にはどう考えても該当しないから
保険金は出ないのかなと思っていました。

当初のなんとなくの認識だと
ただ陽性であれば自宅待機でも出るという認識だったのですが、
感染者が増えたからさすがに変わったの?

なんかよく分からないし、
既契約者からの問い合わせもないから
とりあえず別にいいかという感じにしていました。

ところが結論から言うと、
ほとんどの保険会社で現在は軽症・無症状者でも
陽性で自宅待機になれば保険金は出るみたいですね。

保険会社の営業担当者に聞いたら確かにそう言っていて、
ネットで該当ページを調べると確かにそう書いてあります。

しかし、これをエンドユーザーの視点で見ると、
非常に分かりづらいのは、ちょっとどうなのだろうと感じました。

少なくとも、私は最初そのページにたどり着けず、
どちらかというと支払いに消極的なページの方を先に見つけたし、
あとでいろいろ分かると

「できるだけ請求こないようにしたいのかな」

と余計なことをいろいろ考えてしまいますよね。

せっかく支払う姿勢があるのなら、
変に分かりづらくしないで
今このタイミングで不安に思っている人が多いのだから
もっと分かりやすく救済をアピールすればいいのに、
なんだかもったいないなと思ったのです。

これらの支払い姿勢の本意は分かりませんが、
ユーザー目線で見たときに、これは大きな気づきがありました。

ページに辿り着いた後に欲しい情報がどこにあるか

ネットで検索して自分が狙っていた情報があるっぽいサイトに着くと
ちょっとうれしくなりますよね。

今はアフィリエイトなどを目的とした記事が多いので、
情報の海を掻き分けて
自分の本当に欲するサイトに、たどり着くだけでも一苦労です。

で、ようやく自分の目的のサイトに到着したはいいものの、
今度は、更に自分のほしい情報がそのサイト内のどこにあるか。

この壁を乗り越える必要があります。

内容が面白ければサイト内を回遊して目的のものにたどり着くこともありますが、
そうではなくて、できるだけ最短で欲しい情報にたどり着きたいのに、
サイトのどこにどういう情報があるかがよく分からないと
とってもイライラしてしまいます。

ユーザー目線で見ると
サイト内検索であったり記事のタグ検索できたり、
ホームページ上部に情報のジャンルごとのバーが付いていることは
最低条件とも言えます。

せっかくサイト内まで来てもらって「これだ!」と思ってもらっても、
情報のありかがよく分からないと
「イライラ!」という負の感情に置き換わってしまう。

現在、人は想像以上にせっかちなので、
ホームページの導線を見やすく設計できていないサイトは
もうそれだけで、半分以上の見込み顧客を失っている
といっても決して過言ではありません。

どこに、どう連絡すればよいのか

これも保険会社のウェブを見ると思うのですが、
例えば既契約者が保険金請求や内容変更をしたいときに
連絡先がすぐにわかる会社とそうではない会社があります。

最近はどこもマンパワーの軽減(人件費の削減)で、
WEB手続きが多くなってきているのですが、
そのためにID登録してログインをするなんて
正直私の感覚だとやってられません。

何度も反復して行うものではないし、
がんばって登録して数年後にまた何かあったときに
そのIDとパスワードは、50%以上の方はきっと忘れていると思います。

つまりこのやり方は、私は親切ではないと思います。

WEBを推進していることもあって、
電話の問い合わせ先が分かりづらいし、
見つけて電話したはいいものの、なかなかつながらない。

ユーザーとしてこういう体験をすると、なんで改善しないのだろうといつも思います。
もちろん、既に対応している会社もあります。

WEBやスマホで完結できる手続きにID登録などを課さない方法です。

これであればむしろ電話をするよりも楽で、
待つ必要もなくストレスなく請求や変更手続きができます。

こういう意識の差は会社によって大きく異なります。

私たちは保険会社ほど大きくはありませんが、
本質は一緒で、ユーザーのストレスを
できるだけ軽減するにはどうしたらよいのかを日々考えるべきだと思います。

すぐに返事はもらえるのか

問い合わせ動線をできるだけ、スムーズにストレスを軽減するために何がいいのか?

マンパワーがある組織にいる方は、電話対応で問題ないと思います。
誰かが電話を受けて、予約までワンコールで解決できるからです。

しかし、FPの場合は1人ないしごく少数で運営しているところは多いですよね。
私の事務所は、電話問い合わせは必ずコールバックになってしまうため、
絶対に一度で連絡を完結できないこともあり、電話予約をやめています。

まず問い合わせフォームから希望をもらって、
固定メッセージで返信があり、
その後24時間以内に個別にメールするという方法です。

これであればとりあえず、「問い合わせ→応答」で1完結できます。

電話だとお互いに出れないと、3コールバックなどはよくあり、お互いにやってられません。

少なくともユーザー目線で見ると、ちょっとうんざりですよね。

こういったストレスは、確実に消していくことが望ましいのは言うまでもありません。

一時期、これらの動線を最小化するために
LINEの申し込みを実装したのですが(今もやっていますが)、
こちらはあまり問い合わせはきません。

少しは来るのでやる意味はありますが、
メインとしての問い合わせフォームとしてはダメなようです。

このあたりの心理的なところはよく分かりませんが、
ユーザー目線で見ると、SNS問い合わせは軽すぎるというのが事実としてあるのでしょう。

未だに電話かフォームが鉄板のようですね。

内容をまとめると、

・ホームページは分かりやすく
・問い合わせ導線も分かりやすく
・連絡手段も、こういうふうにやってますと分かりやすく

これら3点を満たすだけで、ユーザー目線の満足度は格段に上がってくるでしょう。

現在、人は離脱しやすい。

そのためにできることを怠ってはなりません。

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この記事を書いた人

昆知宏

新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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