戦いは考え過ぎては勝機を逸する

自宅のオフィスより
執筆者:中西雅司

   

「戦いは考え過ぎては勝機を逸する。たとえ草履と下駄とをちぐはぐに履いてでもすぐに駆け出すほどの決断。それが大切だ。」

これは、戦国時代の武将で、軍師の黒田官兵衛の言葉です。

うまくいくかどうか不安だと、どうしても考えすぎてしまう。

結果として、一歩を踏み出すことができないことってありますよね。

FPの独立に関することも、先が見えないことが多いので、どうしても考えすぎてしまいがちです。

結果、なかなか行動が進まないことも。

でも、多少準備が不十分であったとしても、「もうやってしまおう!」という気持ちで、失敗など恐れずに、動いてしまう。

独立系FPを仕事にして成功したいなら、これが本当に大切です。

30点でいいから動く

私の感覚では、FPとして独立した当初は、まずは30点くらいの準備でどんどん動くのが良いと思います。

30点くらいの準備ができたら、まずは動いてみる。

動いてみたら、色々と次の行動が見えてきます。

そしたら、また行動。

それをしばらく続けたら、少しずつ準備の点数を上げていって、最終的には60点くらいの準備で行動するようにする。

組織で動く場合は、90点以上の準備が必要かもしれません。

でも、個人でやっている限りは、リスクもそんなにないので、準備90点は必要ありません。

ずっと60点くらいで十分です。

こんな感覚でちょうど良い。

大切なのは計画や準備よりも行動です。

人脈をいつ作るか?

例えば、FPとして事業をやっていこうと思うと、「連携できる専門家や事業者」の人脈というのはとても大切ですよね。

具体的には、

・証券の手続きが必要な方には、金融商品仲介業の方を紹介する。

・不動産の売買が必要な方には、不動産業の方を紹介する。

・税金の計算の際には、税理士さんを紹介する。

などです。

FPとして継続的に事業を行っていくためには、最終的には、そういった人脈が整っている状態にしなければなりません。

でも、その人脈が整っていないと、FP事業を始められないかというと、決してそんなことはありません。

むしろ、そういった人脈を、事業を始める前に、作るのはあまりオススメしません。

そうではなく、まずは事業を開始して集客する。

その上で、お客様対応をしている中で、必要な人脈がでてきたら、その段階で初めて探していく。

この流れが理想的です。

いざという時のために

とはいえ、必要になってから初めて人脈探しに動くというのは、なかなか不安ですよね。

なので、そういうときに困らないように、

「独立しているFPの人脈は作っておくこと」

が大切。

独立しているFPの人脈があれば、本当に困った時は、相談すれば良いからです。

例えば、お客さんが中古マンションの購入を手伝ってくれる人を探しているなら、知り合いのFPの方に、

「お客さんが埼玉の大宮で中古マンションを買おうとしていて、業者さんを探しているのですが、お知り合いにいらっしゃいませんか?」

などと、聞いてみれば良いです。

独立系FPをある程度やっているFPの方なら、何かしらの情報はくれるはずです。

想像で人脈を作っても無駄になる

独立当初は、色々と不安は大きいと思います。

なので、準備を万全にしてから、事業を開始したいという気持ちはすごくわかります。

でも、集客や実際のお客様対応をやったことがない中で、想像でいろんな準備をしても、結局無駄になってしまうことがたくさんあります。

FPの場合、ターゲットとする顧客層によって、必要な人脈は大きく変わるからです。

12年前の私自身が実際にそうだったので、断言できます。

私の場合、たくさんの専門家人脈を、「きっと、FP事業には、こういう人脈が必要だろう」という想像で増やしていました。

でも、そのほとんどの方には、仕事を紹介したり、仕事で連携したりすることはありませんでした。

先に、FP相談を開始していればよかったと思っています。

なので、準備はほどほどにして、集客・実際の業務を始めていきましょう。

最初は勇気が必要ですが

準備が整っていないのに集客をしたり、FP相談を行うことは、最初は、ちょっと勇気がいると思います。

ちょっとどころではないかもしれません。

でも、そこさえ乗り越えれば、霧が晴れて一気に見えてきます。

不安な気持ちよりも、お客さんのためになりたいという強い気持ちが湧いてきて、どんどん行動したくなります。

ぜひ、最初の壁をはやめに乗り越えていきましょう。

草履と下駄をちぐはぐに履いていたとしても、気にせず駆け出すのです。

中西雅司
大手生命保険会社に約8年勤務後、2013年にファイナンシャルプランナーとして独立。これまで40万件以上のクレームを見てきた経験から、保険適正化コンサルタントとして活動をする。現在はFPのための経営コンサルタントとして、FPの育成にも力を入れており、『保険の販売手数料に頼らなくても、FPが活躍できる業界を作る』という想いの実現に向け日々邁進している。

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