いいFPに必要な忘れがちな視点

相談者の気持ちを理解しているか、きちんと寄り添っているか。

最近、はっとさせられる出来事がありました。

きっかけは以前から考えていた自宅の修繕計画。

外壁張替えをきっかけに、この機会に建築会社に見積もりを取りました。

せっかく足場も組むからということで、とりあえずやりたいことを山盛りで伝えていきました。

そして数か月待って出てきた見積もり。

なんと金額は1,000万円に迫る勢い。

自分たちの要望が暴走したから仕方ないものの、思った以上にお金がかかることにがく然。

そしてもしこれをローンで進めようと思った時に、感じる胸の苦しさ。

プレッシャーというか、動悸がしてくる感じ。

私は反省しました。

相談において大事なこと

私の場合は、リフォームなのでとりあえず予算を削るか、まあ止めれば済む話。

しかしこれから家を建てようと思っている人は、やめようという選択肢はありません。

家を買いたい、買うことを決意した後にやっぱりやめる人ってほとんどいません。

そういう人の相談に私はいつも乗っているのですが、ちょっと甘く見ていたと思ったのです。

と言うのもライフプランを作って客観的に大丈夫であれば、「大丈夫ですね!」という感じでやっていました。

普通ですよね。

ほとんどのFPがそうやっていると思います。

しかし、それでも家を買う、ローンで買うという決断は重いものです。

私たちが思っている以上に相談者は不安。

住宅ローンにプレッシャーを感じている。

特にFPに相談に来ていただくような方はその傾向が強い。

そういう方に対して、私の対応は軽すぎるかもしれないと思ったのです。

もう少し”不安”の解決にフォーカスをすることで、もっと相談の質が高められるのではないか。

相談者が求める事

私がリフォームをしようと思って見積もりを取った時のマインドは、思った以上に勉強になりました。

費用を安くしたいという発想は、不思議となかったのです。

安いところを探したいという、そういう発想ではないのです。

そうではなくて、自分たちが決めた選択をより良く買える買い方を教えてほしい。

よく分からないことはとにかく聞きたいし、すぐに回答を得たいという気持ちになりました。

具体的には、取れる補助金がないかということ。

住宅ローンをどこで、どういう風に組むのが一番良いかということ。

団信を使って生保を整理できないかということ。

とにかく家を安く買うのではなくて、家計全体や買い方を工夫して負担を軽減できないかということです。

もう一度。

家計全体や買い方を工夫して、負担を軽減できないか。

相談者に響く言葉

・家計全体や買い方を工夫して負担を軽減する方法を教えます。

という訳でこのコピーは響くと思いました。

住宅FPの仕事は、要はこのあたりを解決していくことです。

この考え方にフォーカスして私は仕事をしています。

これは超大事です。

しかし、これと同じくらい大事なこと。

・不安に寄り添う。

こっちのほうはちょっと弱いなあと思ったのです。

解決方法は相手の話を聞き、不安を抜き出し、向き合うだけ。

一方的なコンサルティングにならず、相手の気持ちに寄り添う。

どっちかに偏らず、このバランスをきれいにとれるFPは支持される。

バランスが偏らないように、もっと進化したい気持ちになりました。

自分自身がお客さんだったらどう感じるか。

リアルに感じられる機会を作ることは、本当に大事です。

リフォームの見積もりを取った経験が、こんなにも仕事にプラスになるとは思いませんでした。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

関連記事