原材料高騰、そしてインフレ。
ここ1年で世の中は劇的に変わってしまいましたね。
私は住宅購入を専門に活動しているので、家の価格にびっくりです。
コロナによる需要と共有バランスが崩れ、木材価格が高騰。
その後ロシア情勢による供給の乱れで、原材料価格が高騰。
ここ2年で家の値段は20%くらい上がってしまいました。
さらに土地についても人気・不人気エリアに差がドンドン開いています。
結果、交通アクセスのよい人気エリアは高騰の一途。
ファミリー層が望む、いい土地、建物は爆発的な価格高騰。
そしてついに恐れていたことが起きつつあります。
それは...。
限界ライン突破間近
日々ライフプランを作っているといつか来るその日のことを考えます。
その日とは、地域の平均年収と地域の平均不動産価格のバランス。
今まではなんだかんだ言って、土地を買って建物を建てるという一連の消費行動も平均世帯年収であればなんとか返済できる感じになっていました。
ところが、ここにきてそのラインを突破しつつあります。
具体的に言うと、新潟市だと人気エリアに土地を買って注文住宅を建てるともう5,000万円近辺まできました。
しかしながら平均世帯年収は特に上昇は見られず、普通にもう希望する不動産を手にすることは難しい状況になっています。
世帯年収が700~800万円であれば子育てしながらローン返済をしていくことは困難で、無理すればなんとか...といったところです。
この傾向は全国的にもちろん共通ですので、住宅不動産業界、特に注文住宅はこれから厳しい戦いになる事が予想されます。
トレンドは規格住宅へ
とはいえ、一度家を欲しいと思った人ってその夢を諦める事をしません。
住宅業界もそれを知っているので、最近の流行はとにかく規格住宅をアピールすること。
規格住宅とは、間取りや設備、形などの制限がある分、建物の値段を安く提供するということです。
注文住宅よりは10~20%ほど価格が安くなります。
住宅でかかるコストの代表格である人件費を削減できるからです。
打ち合わせの回数、設計図を描く時間、効率的に建てられることにより工期の短縮。
これらの賜物であるわけです。
最近は家が欲しいけれど予算をできるだけ抑えたいという方の多くは、規格住宅を選択されます。
当然ながらできることの選択肢は減り、制限も増え、理想と現実のギャップに苦しむ方も少なくありません。
そんな規格住宅ももちろん原材料高騰の影響は受けており、このまま値段が上がると次の衝撃波がきます。
それはもう新築を買える人は限られてしまうということです。
日本も海外のようになるのか
海外を見ると、新築の注文住宅を建てるのはお金持ちのすること。
日本ではそうではなく普通の人が新築住宅に住めるというのがこれまでの常識でした。
そう考えればやはり日本は豊かであると言えます。
しかし、今後の状況はどうなるのか?
それは分かりません。
先日石塚さんがカナダのインフレの記事を書いていましが、日本も同じようになれば新築は多くの方が買えなくなるでしょう。
もしそうなったときに住宅FPとしてどんな話を顧客にするのか?
どんな選択肢が今後可能性として挙がってくるのか。
そういったことを考える必要が出てきました。
誰でも買える夢のマイホーム。
今はそうなのでコンサルティングは難しくなかったように思います。
これから違った未来が来るとなると、もう一段深いコンサルティングが必要になるかも。
住宅FPももう少しすると大きな転機を迎えそうです。