つくばの自宅より
執筆者:石塚駿平
先日、妻から相談を受けました。
僕の妻はカナダ人で、日本に来てから心理セラピストのトレーニングを受けて、主に日本に住む外国人(英語を話す人)向けに仕事をしています。
でも、最近はお客さんがうまく集まっていないようで、
「今のままだとマーケットが小さくて、可能性が狭い気がするからもっと広げたほうがいいんじゃないか?そしたらもっとお客さんが来てれくれるかもしれない・・・」
という考えを持ち始めたそうです。
傍から見ていると実力もあり、顧客満足度も高く文章を書くのも上手なのでコツコツやることをやれば軌道に乗りそうな感じなのですが、やはり最初は大きな努力が必要。
なかなか軌道に乗らない現状に焦りを感じているようです。
そんな妻にしたアドバイスというのは・・・
ブレずに今のままやるべき
もちろん、
『ターゲットを広げずに、このままやったほうがいい』
というものです。
日本にいる外国人で、心理カウンセリングを必要としている人の母数は多くないですが、需要が確実にあります。
そして、そういった人にとって、日本に住んでいるという専門家というポジションは確実にプラスになります。
一方で、より大きなマーケットを求めて顧客の範囲を広げてしまうと、確かにマーケットは格段に大きくなりますが、ライバルが
『オンラインでアクセスができる世界中のセラピスト』
ということになってしまいます。
こうなると、ライバルの強さが一気に増して、その中で選ばれる存在にならなければいけません。
これは、めちゃくちゃハードルが高いです。
焦る気持ちはわかるけど・・・
結果が出ていないうちは焦りが先行して手を広げてしまいそうになりますが、それはほとんどの場合で間違いです。
自分の強みが活きて、競合が少ないニッチで勝負をした方が勝率が高いのは明らかででしょう。
実際に、アメリカではニッチをターゲットにしたFP事務所の方が、そうではないFP事務所よりも成功確率が高いというデータが出ているようです。
特定のターゲットに絞ると、母数となる顧客数はもちろん少なくなりますが・・・
八方美人なFPよりも、『私はこの分野が得意です!』というFPの方が、顧客からは魅力的に見えるので、選ばれる確率というのは確実に上がります。
独立FPの数はこれからじわじわと増えてくるでしょうし、そうなった時に自分のニッチが確立されていると参入障壁になります。
マーケティング的には非常に重要な戦略になるので、今からどのようなニッチ戦略があるのか、一緒に見ていきましょう。
職業で絞る
医師向けや公務員向け、経営者向け、フリーランス向け、大家向け、など特定の職業の人に絞るのは非常に良いアイデアです。
紹介が発生しやすくなりますし、同じような人が集まるグループが存在しているので、マーケティング活動も簡単になります。
それに、同じような顧客が増えてくると業界の知識も付くので話がしやすくなります。
特定の分野に絞る
退職間近の人や、会社売却を経験した人、暗号資産保有者、海外居住者、海外に移住を計画している人など、特定の分野に絞って高度なサービスを提供するというのも非常に有効です。
日本ではまだこういった絞り方をしている人は少ないので、チャンスがある分野は結構あると思います。
年代や趣味・関心で絞る
30〜40代の家族向けや、ゴルフが趣味の人、海外旅行が好きな人など、年代や趣味・関心で絞るという方法もあります。
特に、自分の年代・趣味関心が同じである層であれば、その人達が考えていることや悩み、願望などがわかるので大きな差別化要因を作ることができそうです。
無限の可能性があるニッチ戦略
主要なニッチの絞り方について挙げてみましたが、いかがでしょうか?
こういった特定の顧客層に絞ってFP活動をすると、顧客同士のコミュニティに価値が踏まれるという強力な副産物もあります。
例えば、経営者に絞った場合、普段はお互いに知り合わない経営者が集まるコミュニティができるので、そこでの情報交換や交流会に価値が生まれる、といった具合です。
これによってFPの価値を底上げすることも可能なので、可能性が広がりますよね。
もちろん、あえて絞らないという方法もありますが、ニッチには大きな可能性がありますので、自分の場合はどんなことができそうか?ということをぜひ考えてみてください。
そうやって色んなニッチで活躍をしているFPが日本全国に増えていったら、面白い世の中になるんじゃないかと思います。
P.S.
法人経営者に特化したFPビジネスを構築する方法については、このプレセミナーで学ぶことができます。
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