AIが苦手-SNSの量産型コンテンツへの違和感とFPとして守りたい温度

執筆者:昆 知宏

   
私はAIが作った文章に、どうしても言いようのない気持ち悪さを感じる瞬間があります。

最近はこういうことを言うと時代遅れでダメな雰囲気がありますが、あなたはどうでしょうか?

文章自体はきれいで整っているのに、
 “血が通っていない抜け殻”のように見えてしまう。
 

この違和感は、AIがこれまでネットに蓄積された知見を、角を取ってバランスよく配置する“最適化マシン”だからこそ生まれるのだと思います。

さらに言うと、私はSNSに量産されている“テンプレ投稿”にも強い嫌悪感があります。

いわゆる「注意をひくためのフレーズ」や、コピーライティングの世界でいう“スワイプ”を組み替えただけの投稿。


本来、コピーライティング文章は自分が興味を持った商品にアクセスしない限りそんなに頻繁に見るものではないのですが、SNSフィードを流すだけでも同じ型ばかりが延々と並びます。

そして私は、それを見ただけで「これは収益目的のAI依存で最小限の努力で運用しているアカウントだな」と感じてしまう。

それが悪いとは言いません。
 
 

ただ、私はそういう雰囲気に強烈な違和感を抱くタイプです。
 
 

むしろ、そういう投稿で集客して“違和感なく反応する層”が集まってくるとしたら、正直に言うと 私はその顧客層が少し苦手です。

言っていることがうまく伝わるか分かりませんが、私の根っこには「温度のないものを拒絶する感性」があります。

AI依存の文章は“自分を失わせる”

AIに任せるとラクです。
でも、そのラクさに溺れると自分の輪郭が溶けていく気がするんです。

・誰が書いても同じ文章
・誰に向けても同じアドバイス
・誰が発信しても同じSNS投稿

こんな情報環境の中で、FPがオリジナリティを失ったら終わりです。

似たようなアカウントが乱立しており、もはやロボットのようにではなく本当にロボットが運用しているアカウントがあるのかもしれません。内容的にはうすっぺらいのに、強いコピーでアクセスを誘引する。はっきりいって過大表現です。

こういうコンテンツを見るとAIが悪いのではなく、「自分の言葉で発信する努力」を手放してしまうことが問題なのだと思います。

FPの本質は“温度のある伴走”

FPが大きく収益を得ることができる実際の仕事は、情報提供よりも実行支援です。

AIが整える“きれいな文章”より、FPが対面で拾う“なんとなく不安”の方を言語化することに価値があります。

・言葉にできない不安
・将来への漠然とした違和感
・家族間の微妙な温度差

こういう“人間の揺れ”に寄り添えるのはFPだけです。

もちろんAIだって、自分のことを学びこませれば、あと30%手を加えるだけで良いくらいの文章は出力することもあります。でも、最後の30%は自分で手を入れない限り、やっぱり大味な発信になってしまうと思っています。

オリジナリティが最大の差別化になる時代

SNSがテンプレートで埋まり、AI生成の文章が氾濫し、どこを向いても似たような発信ばかりの今だからこそ自分の言葉で書けるFPが圧倒的に強くなります。

AIっぽい違和感を敏感に察知できる感性。
テンプレ投稿に嫌悪感を抱く気持ち。
 

それはあなたが“まだ人間である証拠”です。

実際に人と対峙すれば、そんな語り掛けはおかしくない?という感性ですね。

そして、そんな感性を持つFPのもとには「同じ温度を持ったお客様」しか集まりません。

これは最高のフィルタリングです。


誰でも集める時代ではなく、“感性が合う人だけが自然と集まる”時代に変わっています。

だから私は、自分の文章力を磨こうと思います。
 

自分の温度を文章に乗せられるFPであり続けたい。

これは自分の力で書き続ける努力をしなければ、できません。


そしてその温度を感じ取れるお客様とだけ仕事をしたい。

AI時代を生きるFPですが、逆に差別化できるチャンスが来ていると私は思うようにしています。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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