お父さん
「どうも、ディーンフジオカです。」
わたし
「どうりでイケメンだと思いましたて」
※新潟市の方言です。
初対面からいきなりぶっこんで来る
相談者のお父さん。
今回は親の実家に娘が家を建てる
計画の打ち合わせです。
現地がどうなっているのかの
目視確認と抵当権についての
話をしようと思っての伺いでした。
親戚一同が集まる客間に案内されて、
「判子はそう簡単に押さないよ。
保険はもう勘弁!」
(きっとギャグですが)
と、お父さん。
すかさず娘さん。
「お父さん、違うんだって。
住宅会社の人じゃなくて、
保険屋さんでもなくて、
私たちの家づくりの相談に
乗ってくれる信頼できる人なんだよ!」
「なんでえ、そうなんかい。
始めに言えよ、そういう大事なことは!
すっかり身構えてしまったよってんだ。
あーなるほどなー
こんさんはコンサルタントの
コンさんなんだな。」
・・・・・
あなたの立ち位置はどんな?
FPと言っても、
住宅会社に所属して
ライフプランを作成する人。
保険会社に所属して、
保険販売を出口に活動する人。
いろんな人がいるでしょう。
世間一般のイメージとしては、
このお父さんのように
やっぱり保険なんですよね。
私は「FP=保険を売る人」という
イメージを変えたくて、
独立FPとしてやっているのですが、
このケースのようにきちんと娘さんから
説明してもらえないと
本来提供できるスキルの出番もなく
門前払いになってしまいます。
お客さんからどう見られるかで、
その後の展開は全く異なりますよね。
今回のようにお父さんの一番大切な
存在である娘さんから
「この人のいうこと聞いてね♡」
っていうスタンスになれば、
今度の打ち合わせはスムーズに
進められます。
娘が信用した人だからと、
「まあ、食べなさい」
という展開になぜかなり(笑)
「おにぎりと肉じゃがと味噌汁。
あと、カレーライスも食べる?」
とご馳走になってしまいました。
ご両親とは初対面なのに、
“アウェイ”感がなく
うれしい気持ちになりました。
保険の匂いをどう消すか?
私は保険の募集人でもあるのですが、
保険の話はほとんどしません。
世間のイメージが“FP=保険”なため
いかにこの匂いを消すかを
気を付けています。
それでも住宅分野を扱う都合上、
コンサルティング契約をいただいた
95%の方が損保を含め、
何らかの保険に加入いただいています。
保険は信頼関係の先に必然的に
付いてくるものなので、
初期段階で“保険ができる”
アピールは全く必要ないどころか、
なるべくその気配を消したほうが、
いい結果になることが多いです。
ポジショニングが大事
FPがお客さんに心を開いてもらい
メリットを届けフィーを頂くには、
どうしたらいいのか?
私は事前設定が全てと考えます。
住宅営業でもない、
保険営業でもない、
銀行員でもない
家とお金に詳しい中立な人。
私のポジショニングです。
住宅営業も保険営業も世間の
イメージがあまり良くないため、
“あなたを守るべき人”という
分かりやすいいいイメージを
持ってもらえます。
(実際にそう活動しています)
しかし物を売る人間でもなく、
保険をお願いするような人間でもない
ということはきちんと表明しないと
お客さんには伝わりません。
同じ人に同じ話をするにも、
事前のポジショニングによって
結果は雲泥の差。
お客さんと面談する機会は、
何度もあるものではありません。
その機会を無駄にしないために
相手にどう見えているのか?を
考える時間をぜひじっくり
持ってみてください。
PS
どこに家を建てたらよいのか?
敷地内をお父さんと一緒に、
見渡していたときのこと。
「ちょっと、ちょっと、昆さん。
ちょっといいかな。
ちょっと話聞いてくれ。
実はなおれ、医者から大腸ガンって
言われてて先長くないんだわ。
(困惑した私に)
そんな、顔すんなよ。
でさ、これでも生命保険はたくさん
入っていてウン千万は娘に入るんだわ。
だからおれが死んだらその金で
生活設計してやってくれや。
それが仕事なんだろ。頼んだぞ。」
こんな仕事FPにしかできないよな。
と、やりがいを噛みしめた一日でした。