資金移動目減りの原則

駅前のモスバーガーより
執筆者:中西雅司

   

私は、スーパーに行くと、だいたい買うものがあります。

それは、

「エシャレット」

です。

若採りのらっきょうです。

これを買う理由は、妻の腸活のためです。

妻の腸の調子が良いと、健康で機嫌もよく、お互いに幸せなので、もう10年近くエシャレットにより抜群の効果を発揮してくれています。

容器を移し替える度に、エシャレットが減っていく

調理方法としては、

・まな板でエシャレットをみじん切りにする
・納豆のパックにエシャレットと醤油を投入して混ぜる
・お皿に盛り付ける

という簡単な流れ。

ただ、この過程で、少しもったいないと感じることがあります。

それは、

「容器を移し替える度に、エシャレットが減っていく」

ということ。

まず、まな板→納豆のケースで3%くらいまな板に残る。

次に、納豆のケース→お皿で3%くらいケースに残る。

最後に、お皿から妻で食べるときも3%くらいはお皿に残る。

こんな感じで、エシャレットを3箇所に移動させることで、

「合計で約10%のエシャレット」

が無駄になってしまっています。

つまり、移動させればさせるほど、エシャレットが減少しているのです。

お金も「移動させるほど減る」という同じ性質がある

FPの専門分野である「お金」も、これと同じような性質を持っています。

つまり、

「お金は、移動させる度に減少する」

という性質があるということ。

事例を3つ挙げてみます。

★事例1(Aさん→Bさん→お店という移動)

例えば、AさんがBさんに振込をすると、振込手数料が発生する。

その後、Bさんが受け取ったお金で、PayPayで支払うとまた手数料が発生します(手数料を負担するのはお店なので、Bさんは気づきませんが)。

★事例2(預金→投資信託→預金→投資信託の移動)

Cさんが、販売手数料がかかる投資信託を購入する(つまり、預金から金融商品に資金を移動させる)と手数料がかかる。

その後、一旦売却したら手数料がかかることがあり、改めて購入すると、また販売手数料がかかリますよね。

★事例3(預金→保険会社→預金→保険会社への移動)

保険についても同じです。

保険に加入(預金から保険会社にお金を移動)するときに、こちらは顧客には基本的には明示されないですが、手数料が発生している。

その後、解約して、別の商品にあらためて加入すると、また手数料が発生している。

解約(保険会社→預金)の際にも、払った保険料の一部しか解約返戻金が戻ってこないことを考えると、実質的に手数料も発生していると言えるかもしれません。

FPが知っておくべき「資金移動目減りの原則」

このように、お金はエシャレットを移し替えるのと同じように、移動させればさせるほど、手数料が発生して減少するという性質があります。

なので、FPの基本的なアドバイスのベースとなる考え方の1つとして、

「お金を移動させる回数を減らしたほうが、お金は減らない」

というものを持っておくことはとても重要だと考えています。

もちろん、手数料を払ってでも、それ以上にメリットがある場合には、移動させたほうが良いです。

ですが、原則として、無駄な資金移動は極力減らすことがお金を増やすことにつながる。

そして、それよりもメリットがある場合だけ、お金を移動させる。

そんな考え方を、ベースの1つとして持っておくと、より良いアドバイスができると私は思っています。

1つの視点として、活用してもらえると嬉しいです。

これからもあなたの活躍を心から応援しています。

P.S.

私も、これを書いていて、

「エシャレットを移し替える回数を1回減らせる」

ことに気づきました。

明らかに、納豆のケースに移し替える2つ目のステップは省けると思いましたので。

次から試してみたいと思います。

中西雅司
大手生命保険会社に約8年勤務後、2013年にファイナンシャルプランナーとして独立。これまで40万件以上のクレームを見てきた経験から、保険適正化コンサルタントとして活動をする。現在はFPのための経営コンサルタントとして、FPの育成にも力を入れており、『保険の販売手数料に頼らなくても、FPが活躍できる業界を作る』という想いの実現に向け日々邁進している。

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