保険を取り巻く環境は、ここ
数年で大きく変わりつつあります。
実際に、僕の周りのFPの方でも
・代理店を移った
・新しく会社を作った
・募集人登録を辞めた
など、色々と状況が
変動している人が多いです。
そこで今回は、ちょっと視点を変えて
『市場(マーケット)というものが
どのように変化していくのか?』
ということについて
お話をしたいと思います。
これは、保険に限らず全ての
マーケットに当てはまる話です。
この話を理解すれば、、、
業界がどのように変化するのか?
その中で自分がどんな役割を果たせるのか?
どうすれば、マーケットのニーズを
捉え続けることができるのか?
ということを知ることができるはずです。
3つのフェーズを理解する
マーケットというのは、
どんなマーケットでも
『3つのフェーズ』
に従って成長する
ということが言われています。
これは、コンピューターでも、
車でも、家電製品でも一緒です。
では、その3つのフェーズとは
一体何なのか、一緒に見ていきましょう。
1、プロダクト(商品)中心
まず最初に訪れるのは、
プロダクト(商品)中心のフェーズです。
このフェーズでは、
お客さんの側に選択肢はなく、
『商品を出せば売れる』
という状況になります。
一番最初に一般向けに販売された車や、
パソコンを想像してみて下さい。
iPhoneでもいいですね。
こういったものは、最初は何も
しなくても勝手に売れていきますよね。
お客さん側には選択肢はなく、
需要が供給を常に上回ります。
マーケットの始まりというのは、
まず最初にこのようなフェーズになります。
この段階では、売り手が
大きな利益を獲得することができます。
2、セールス(販売)中心
そして、次に訪れるのは
セールス中心のフェーズです。
ある商品が爆発的に売れると、
競合が類似商品を作ります。
そして、
『ウチの方が優れていますよ』
というアピールとともに、
どんどんセールスを行なうのです。
保険の場合は、生保のおばちゃんが
大量に販売を行なった時期ですね。
この段階では、潜在的なマーケットの
大きさに比べると普及率が低いので、、、
どんどんセールスをすれば売れる、
という状態になります。
この段階では買う側は
・コストを削減したい
・優れた商品が欲しい
・色々な選択肢から選びたい
という欲求を持っていますが、
まだまだ需要に供給が追いついてません。
なので、売る側の方が力を持っています。
利益としては、フェーズ1よりは劣りますが
十分な利益を確保することが可能です。
また、マーケティングの方法としては、
一般大衆に対して仕掛けるマス
マーケティングが中心となります。
3、クライアント(顧客)中心
フェーズ2の状態が続くと、
マーケットでの普及率が高まります。
そうなると、だんだんと
需要 < 供給
という状態になってきます。
いわゆる供給過多ですね。
こうなってくると、マーケット自体が
『クライアント(顧客)中心』
のフェーズに移行していきます。
このフェーズでは、
『商品がどう優れているか?』
という話では不十分になります。
もう既に市場に商品が普及していて、
消費者も洗練されているからです。
このフェーズになったらお客さんは
『最も低い価格』
もしくは、
『最も優れた価値』
を追い求めるようになります。
何でもかんでも売れるという
市場ではなくなっているので、
利益率は当然下がります。
そして、求められる売り手像も
“商品のセールスマン”から、
“アドバイザー”に変化してきます。
(客観的なアドバイザーかどうかは
置いておきますが、保険ショップが
流行ったのはこういったフェーズの
移行を捉えていたらからです。)
さらに、これまで通用していたマス
マーケティングは通用しづらくなります。
よりニッチ(細かいターゲット)に
絞ったマーケティングを展開する
必要性が出てくるのです。
方向性を理解して戦略を立てる
マーケットというのは、上記の
ような段階で成長をしていきます。
図にすると、こんな感じですね。
方向性としては、マーケットが成熟すると
お客さん側の力が強くなっていきます。
なので、例えば保険だったら手数料の
開示や、一部コミッションの廃止等、
“お客さん側に有利になる"
変化が起きてくると思われます。
日本の場合は英国や米国と比べると
遅れているので、それを追随する
形になる可能性が高いですね。
こういった方向性は個人では
変えることができないので、、、
市場の方向性を理解した上で自分の
スタンスを考えていきたいですね。