執筆者:昆 知宏
ほとんどの人がやっていないのに効果が100%出る、最安のマーケティング施策
お金をかけずに集客効果を出したい...。
独立系FPであれば、誰もが一度はそう考えると思います。
SNS広告、セミナー集客、SEO、チラシ、YouTube…方法はいくらでもありますが、「確実に効果が出る」と胸を張って言える施策は意外と少ないのではないでしょうか。
ですが、私が10年以上独立して活動してきて「これだけは間違いなく効果がある」と断言できる方法があります。
それは、「サービスを終えたお客様に声を書いてもらうこと」。もしくはGoogleの口コミを書いてもらうことです。
一見すると地味で、手間もかかる。けれどこれほど“確実なマーケティング”は他にありません。
ほとんどのFPが「やらなければ」と思いながら、実際には後回しにしている。だからこそ、やるだけで確実に差がつきます。
私自身、ちょうど1年前の2024年の秋頃に「ホームページの信頼性をもっと高めよう」と思い立ち、この1年間をかけて徹底的にお客様の声を集めました。
お客様インタビューで信頼度を最大化する
最初に始めたのは「コンサルティングが終わった顧客へのインタビュー」です。
アンケート形式ではなく、できるだけ“生の声”として残したかったので、対面でのインタビュー形式にしました。その内容を録音させてもらい、後で文字起こします。
内容は、FP相談を受ける前の悩みや、実際の変化、印象に残ったエピソードなど。顔写真は任意ですが、可能であれば一緒に撮らせてもらいました。
このインタビューを文字起こしし、要約してA4で4~7枚程度にまとめたところ、ちょっとした読み物のようなボリュームになりました。
そして、それを印刷して「コンサルティングの提案をする段階」でお渡しするようにしています。
これが驚くほど効果的でした。
提案時に「他の方の体験談」としてリアルな声を見てもらうことで、こちらが何もセールストークをしなくても“信頼”が伝わるのです。
しかも、実際に体験した人の言葉なので、どんなコピーライティングよりも説得力があります。
顧客が語る“FPの価値”を、FP自身が代弁しても響かない。
ですが、「第三者の言葉」には魔法のような力があります。
この取り組みを始めてから、明らかに成約率が上がりました。特に、新規相談→契約までのスピードが速くなり、「迷いが少ない」印象を受けます。
FPという仕事は目に見えない商品だからこそ、“お客様の声”が最強の資料になるのだと実感しています。
地味だが効くGoogle口コミ戦略
もうひとつ取り組んだのが、Googleビジネスプロフィールでの口コミ集めです。
こちらは正直、お願いしてもなかなか書いてもらえません。私もアカウントが本名なので、誰かにお願いされても書かないと思います。体感では10人に1人くらいです。
それでも粘り強くお願いし続けました。
「口コミを書いてくれる=あなたを応援してくれるお客様」です。
だから、お願いすることを遠慮する必要はありません。
特に、相談を終えた直後のタイミングで「もしよかったら、口コミを書いていただけますか?」と一言添えるだけで反応が全然違います。
私の場合、口コミ投稿のURLをQRコードにして印刷し、最後の面談時に手渡すようにしました。
その結果、1年かけてようやく5件の口コミが集まりました。
5件ですが、Googleの評価が目に見えて上がるのを感じます。
もちろん、SEO的な効果(上位表示)も期待できますが、それ以上に大きいのは「人が安心して問い合わせできる」状態を作れることです。
口コミがあるだけで、「この人に相談しても大丈夫そうだな」という第一印象が変わります。
手間はかかるが、確実に結果を出す“地味な努力”
ここまで読んで、「そんなの分かってる」と思う方も多いかもしれません。
ですが、実際にこの施策を1年以上継続しているFPは、肌感覚で10 人に1人もいません。いや、もっと実際は少ないように思います。
やれば効果が出ると分かっていても、お願いする手間、インタビューするエネルギー、まとめる時間、どれも地味に大変だからです。
でも、それこそがチャンスです。
多くのライバルがやらないことを、あなたがやる。
これが最もコスパの良い差別化戦略になります。
そして、これらのコンテンツ(お客様の声・口コミ)が揃ってから広告を打つと、広告費の効率が格段に上がります。
信頼の裏付けがない状態でいくら上位表示されても、問い合わせにはつながりません。
だからこそ、外に向けた発信よりも先に、「内側の信頼づくり」を整えることが先決です。
私自身、SEOや広告にもかなりのお金を使ってきましたが、最終的に一番効果を感じたのはこの“信頼コンテンツ”です。
しかも、作れば作るほど資産になります。ブログやSNSの投稿は流れていきますが、お客様の声は積み上がる。削除されない限り、ずっと信頼を支えてくれる。
今年も年末が近づいてきました。
今年の振り返りと一緒に、「顧客の声の整備状況」をチェックしてみてください。
まだ形になっていない方は、まず「誰にインタビューできそうか」「誰に口コミをお願いできそうか」リストをつくるだけでも十分です。
あなたの仕事の価値を、あなた自身が語るよりも、顧客の言葉で語ってもらう。
この小さな一歩が、来年の大きな飛躍につながります。