変動金利上昇について聞かれたら何て答えますか?

執筆者:昆 知宏
  

この新聞記事を見て、FPのあなたは顧客に何ができますか?

『変動金利の急上昇、家計に危機感広がる』

急騰する変動金利が、家計に深刻な危機感をもたらしている。住宅ローンや消費者ローンを抱える多くの家庭が、返済負担の増大に直面し、生活の安定が脅かされている。この状況は一気に拡大し、経済全体に暗い影を落としている。

住宅ローンの金利急上昇は、多くの家庭にとって深刻な問題となっている。ローンを組んだ当初の低金利に頼っていた家計が、急激な金利上昇によって支出を見直さざるを得なくなっている。この状況下で、多くの家庭が返済計画の見直しや支出の削減に迫られ、生活の安定性が脆弱な状態に置かれている。

消費者ローンにおいても同様の厳しい状況が広がっている。高金利によって返済額が急増し、多くの消費者が支払いに苦しむ状況が続いている。これにより、消費活動が停滞し、経済の成長が阻害される可能性が高まっている。

この深刻な状況に対処するためには、家計だけでなく政府や金融機関も積極的な対策を講じる必要がある。政府は家計支援策の拡充や金融機関との連携を図り、家計の負担軽減に向けた取り組みを強化すべきだ。また、金融機関も顧客の支援に努めるとともに、金利や返済条件の見直しを進めることが求められる。

この危機的な状況を打開するためには、迅速で効果的な対策が求められる。家計の安定と経済の健全性を守るためには、全ての関係者が一丸となって行動することが不可欠である。

この記事はフェイクです

さて、かなりリアルだったでしょうか。
先ほどの記事は、フェイクで私が作りました。

でも、今の消費者って完全にこの記事の内容を織り込んでいますよね。
もう嫌になってしまうくらい、消費者マインドは冷えています。

既に金利が上がっている欧米では、家を持つなんて日本とは違いもう到底困難なことで、未来にかなり行き詰まりを感じているようです。

やけくそになっての絶望消費で、宝石やぜいたく品などの消費をしている若者が増えているという記事も見ました。日本ではそういうことは起こらなそうですが、ますます消費を抑え込んで貯蓄をしていくという流れが加速していくように思います。

しかしインフレ下ではその行動をしても、価値を減らしてしまうだけで少し先詰まり感があります。

日本もいよいよ金利上昇のトリガーが引かれる前夜といったところですが、今後大きくライフプランが変わってきそうな予感がします。

あなたは変動金利と固定金利をどちらをすすめますか?

さて、今現在のこの流れを受けてあなたはこれから住宅購入をしようと思っている顧客に対して変動金利と固定金利のどちらをおすすめしますでしょうか?

上がる上がると言われても、実際のところまだ変動金利は上がっていません。
固定金利はかなり上がっています。

昨年は変動と固定の金利差が大きく広がったことから、変動金利のシェアがかなり多かったようです。

今年は去年よりも金利が上がるぞムードが醸し出されており、若干固定金利のシェアが伸びてきているようです。

私個人的にはどうかというと変動金利はそれなりに上がるのではと思っており、顧客にもこういう理由で変動金利は上がる要素があるという説明まではするものの、結局のところただの予想にすぎませんという説明に留めています。

変動金利で安いところ、固定金利安いところを提示し、作成したライフプランにシミュレーションとして落とし込んで顧客判断に任せています。

どうしてもおすすめを聞きたいというなら固定金利と言います。
それは金利が上がったらあとで恨まれたくないからですよと冗談交じりに顧客にもお伝えします。
聞くところによると結構断定的なアドバイスをするFPが多いようで、驚いています。
あなたは変動金利か固定金利かのアドバイスを求められたら、ズバッと断定できますか?

金利ある未来にどう動くか

日経の特集を見ていると、金利ある未来のことばかり話しています。
株式市場も金利上昇を完全に織り込んでいると思いますので、やはり上がっていくと考える方が自然のような気がします。

もし実際に変動金利が上がった時に、私は目の前の顧客の家計を守れるだろうかとということを常に考えています。

第一に金利が数%上がっても返済は大丈夫か。
金利が上がっていく未来に家計はついて行けるのか。
資産が目減りするだけの組み合わせになっていないか。

世の中が複雑になるほど、というか今までと大きく変わる時ほど原点回帰です。

『ライフプランを正しく作りディスカッションし、顧客が望む未来への道をつくる。』

今後ますますライフプラン作成技術が社会の役に立つのは間違いありません。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

関連記事