このところ知人からの資産運用相談依頼が続いています。
金融庁2,000万円年金問題は思った以上に、
多くの方へ影響を与えています。
結果的には今まで投資に興味がなかった層が
つみたてNISAを始めるきっかけになっており
金融庁としては目的はしっかり達成した・・・
ということろでしょうか。
投資を始めたばかりの方とセッションを
していつも思うのは、
投資ブログや書籍の影響を受けすぎて
いるなと思うことです。
情報を安易に得る手段としてはまあ
そうなってしまいますね。
全体的な傾向としては投資のいい面ばかりを
フォーカスしすぎており、
悪い面を過小評価しているように
感じることがとても多いです。
つまりリスクを取りすぎている方が
多いのでは?ということです。
本当に株100%でいいの?
独学で運用をしている人は経験上
株100%運用が多いように見受けます。
実際ネット証券のつみたてNISA設定
ランキングを見ればそれは顕著に分かります。
『株式は長期成長が約束されており、
ドルコスト平均法で積み立てればOK』
という着地の本やブログが多いため、
きっとそうなるのでしょう。
しかし仮に教育費を貯めたいという目的で
投資をしてそのお金を使う時期が明確に
なっている場合は、
株100%で運用をすると大きく
目的からブレてしまうことを
理解されている方は多くありません。
資産運用シミュレーションで単に
年利5%計算をした「期待リターン」ベースに考えてしまっている方が
ほとんどのように思います。
実際は標準偏差によって大きくブレて
確率的には年利5%の中心線よりも
下振れする確率が高くなることまで
理解している人はあまりいないようです。
FPはリスクを教える必要がある
この時私が思ったのは、
相談者がただ単にきれいな成長線の
期待リターンだけで考えていることが多いので
敢えてリスクの話を重点的に話すようにしています。
ただ不安で資産運用をするのではなく
明確にいつ、何に使うことが目的で
資産運用をするのかを考えてほしいからです。
そういうふう話すと、
”多くの方はリターンを過大評価し、リスクを過小評価している”
ことが分かってきます。
つまりここがFPとしてしっかり
教育をすべきところであると思うのです。
こういう人が多くなると、
リセッション局面、株価がクラッシュした際に
「金融庁に騙された!」
という言う人が後を絶たないのではないでしょうか。
事前知識が弱いまま株100%で運用を
するとこうなる確率が高く、
マイナスになったタイミングで多くの方が
離脱してしまうように感じます。
教育ツールに使えるロボアド
今回の老後資金騒動で初心者がまず
やっていたらいいのは個人的には
ロボアドだと思っています。
そのロボアドで典型的なポートフォリオを
自分のお金を少し入れてみて
値動きを実感してもらい、
更に興味をもったのであれば
手数料的に有利に動けるよう手動で
ポートフォリオを組んだり、
ETFをアレンジしたら良いと思うのです。
例えばウェルスナビで採用されている
VTIじゃ物足りなければ、
株の割合は維持したまま中身を
SPY+QQQに変えたり、
VTI+VDCにしたりと
そういった具合です。
セミナーでフックをとるために、
輝かしい未来を見せなければ
多くの人が投資に参加しないのも分かります。
でもFPができることって、
「何もしなくてもお金が増えるよ!」
ってことではなくて、
「リスクとリターンを理解して、
ライフプランのそれぞれのステージで
より効率的にお金を得られるように
しましょう!」
ということではないでしょうか。
この分野もこれからいろいろと議論されて
良い方向に向かっていきそうで楽しみですね!