説得力のあるFPになるには?

執筆者:昆 知宏

    

住宅FPなのに、自分で家を建てたり買ったりしたことがない。

マネーセミナーの講師なのにお金を持っていない。

保険FPなのに、保険に全然入ってない。

これらって、笑い話のほうで実は結構多いのです。

それぞれの分野で活動している50%以上が当てはまっているようにも思います。

私は住宅FPですが、住宅業界に勤めていたことと、自分の家を建てたこともあります。

なので、知識には絶対的な自信があります。

でも知識って、時間の経過とともにどんどん古びていきます。

住宅ローンの金利情報とか、最近人気の住宅の傾向。

常にアンテナを立てていないと、あっという間にちょっと昔の人になります。

では、常に最新のトレンドに付いていくためにはどのような行動をとればよいのでしょうか。

これは私なりの考えです。

あなたの活動の源はなにか?

これまで資産運用や相続・保険分野で成功しているFPさんの方からたくさん話を聞いてきました。

成功しているFPの方々はもうマニアの域というか、熱意や想いが大きいという共通点がありました。そんな先生方にあやかって、私も別な分野もかじってみようかなという下心があったわけです。

しかし、結果として私はやっぱり強みである “住宅” に特化してやっていこうと思いました。

そう思う理由は、自分自身を客観的に見ると、私ほど住宅のことを好きで、知識や経験がある人はまわりにそう多くないと思ったからです(笑)まさにマニアの域にいるし、熱意や想いもたくさんあります。

住宅をFP支援して賢く建てるというよりも、それよりも私は家づくりが好きです。

クライアントの意向に沿って最大限の住まいを作り上げたいという気持ちが大きいです。

前にしていた住宅営業もとても楽しかったです。

だから、家が完成した時に新築祝いを持っていく瞬間が一番好き。

家づくりは途中いろいろあるものですが、最後満足してくれていたらもう言うことがないし、その瞬間のために私は仕事をしていると言えます。

稼いだお金をどうするか?

こういった家づくりの支援をさせてもらって稼がせてもらったお金をどうするか?

私は迷わず、住宅投資をすることに決めました。

以前の記事にも書いたのですが、築15年の自宅を大規模修繕しています。

そのままでも問題なく住める家でしたが、やはりいい家をたくさん相談者に届けていたら自分もいい家に住みたくなりました。

断熱性能を超スペックに上げることで実体験としてどう変わるのか?

ランニングとイニシャルのコスト費の実データを取りたい。

新築だけでなく、リフォーム・リノベーションの実経験を積みたい。

最新の設備をショールームなどにいって、リアルに学びたい。

空間のこだわり方や実現の方法を視覚化・言語化したい。

これらの欲求を解決するためには、自分で身銭を切って経験するしかないということで、住宅に投資することにしたのです。

この住宅投資は資産価値の向上にはなりません。

なので、一般的には愚行かなと思います。

でも住宅FPとしての私自身への投資としては莫大なものとなるのは確実で、必ずこの投資はプラスになるものだと確信しています。

FPを長く続ける秘訣

FPを長く続けるには、説得力あるFPになればいいだけです。

私は新築もリフォームも自分の家で経験したことで、アドバイスの幅がぐーーんと広がりました。住宅ローンも組んだことがあるし、借り換えもしたことがあります。

家を建てようかなとか、建ててからしようかとみなが考え付きそうなことは全部自分で実行しています。

本来はリタイヤ期で行うことが多い、自宅のリフォームも先だって今経験したことに大きな意味があると思います。しかも、今回は自邸を住みながらリフォームしたので、建築現場のリアルがとてもよく分かりました。

毎日見ているのだからどういう作業をどういう人たちがどういう手順でやっているかが分かるようになります。

それが故に玄人の域ですが、実際に施工する職人の技術の差が大きいことを知りました。

具体的に技術の高い職人とはどういうことか、そういった職人が多い会社はどういう会社なのか?このあたりも明確に説明することができます。

また、今回は贅沢にも敢えて設計士さんを別に手配して追加費用を払ってでも設計・デザイン監修をしてもらいました。設計士さんの想像を超える提案に感動しました。

いい仕事をする人たちは、皆、想いや理念、そして経験と実績がしっかりとしています。

当然ながらこういう人たちは、長くその仕事を続けることができるでしょう。

もしあなたが長く仕事を続けたなら、どのような行動をとりますか?

その努力や行動を怠って、昔の人になりたくなければ行動あるのみです。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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