あなたは楽して、お客様の満足度を上げる

道の駅おんねゆ温泉より
執筆者:中西雅司

  

今日は北海道の道東の方面に来ています。

北見市の留辺蘂(るべしべ)というところにある、温根湯(おんねゆ)温泉の道の駅です。

新緑の中で、そよ風を感じながら、とても気持ちいいドライブをしながら、楽しんでいます。

さて、今回こちらに来た目的は、「流氷明けの毛ガニ」 を食べるため。

流氷が去った後の毛ガニは、流氷がもたらすプランクトンが豊富なエサになって、身入りもよく、カニ味噌も濃厚だそうです。

昨日の夕飯に、お酒のおつまみとしていただいたのですが、感動的な美味しさだったのですが、、、

今回、特に美味しく感じた理由があります。

カニ一体を自分で解体

それは、

「自分でカニを剥いた」

からです。

包丁やカニバサミ、カニスプーンなどを駆使しながら、カニ一体を解体していきます。

カニを剥くのは手間もかかりますし、慣れも必要。でも、それでも自分でやりたくなるんですよね。

なぜかというと、手間をかけたぶんだけ、味の満足度がぐっと上がるからです。

「ここが一番美味しい」という部位を、自分で選んで味わえる。

「自分でやった」という実感があるから、美味しさの感じ方もまるで違います。

これ、実は心理学でも説明できます。

イケア効果

有名なもののひとつが、

「イケア効果」

と呼ばれるもの。

それは、人は自分で作った(あるいは関わった)ものに対して、より高い価値を感じるという現象です。

例えば、家具を買って組み立てたとき。

完成品を買った場合よりも、「自分で組み立てた家具」のほうが、なぜか愛着が湧くという経験はないでしょうか?

まさにこれがイケア効果です。

自己決定理論

あるいは、「自己決定理論」という心理学の考え方でも、自分の意思で選んだり動いたときのほうが、満足感やモチベーションが高くなるとされています。

例えば、あなたも、誰かに「これをやって」と言われたことよりも、自分から「やりたい」と思って取り組んだことのほうがやる気も結果も違ってきた、という経験があるかもしれません。

つまり、「自分で関わる」「自分で決める」ことが、結果的に価値や満足度を引き上げるということですね。

ライフプランをお客様が作る

この話、私たちFPの仕事にも通じる部分があります。

たとえば、ライフプランをつくるとき。

一方的に、こちらが数字や提案を提示するよりも、お客様と一緒に考え、選択肢を提示して、最終的に「自分で選んでもらう」ほうが、納得感があります。

さらに踏み込むなら、ライフプランを作る主体をお客様にして、あなたはサポートに徹する。

こうすることで、お客様の満足度はぐっと上がります。

お客様が動くと価値が上がる

あるいは、家計の見直しや資産形成なども、一方的に伝えるのではなく、

・ワークシートなどでお客様に考えてもらう

・選択肢を見比べながら、選んでいただく

・小さな成功体験を積んでもらう

といったお客様も「行動や体験する機会」があると、満足度向上やモチベーションアップにもつながりやすくなります。

ついつい、私たちは、

「お客様の作業をできるかぎり楽にしたい!」

などと考えて、良かれと思って代行してしまうケースがあると思います。

でも、それによって、逆に満足度が下がってしまうことも。

一方で、お客様に動いてもらうサービスにすることで、むしろ価値が上がることがある。

まさに、毛ガニを自分で剥いたときの美味しさのように、です。

負担を減らしながら、価値を高める

ぜひ、あなたのサービスにも「お客様が関われるポイント」を取り入れることを考えてみてください。

それによって、あなたの仕事の負担を減らしながら、お客様が得られる価値や満足度を向上させることができます。

結果として、成約率や継続率、リピート率などの向上につなげることができたり、価格を上げることも可能となります。

手間がかかるからこそ、得られる満足がある。

きっと他のFPにはない、あなたらしい強みにもなるはずです。

これからもあなたの活躍を心から応援しています。

中西雅司
大手生命保険会社に約8年勤務後、2013年にファイナンシャルプランナーとして独立。これまで40万件以上のクレームを見てきた経験から、保険適正化コンサルタントとして活動をする。現在はFPのための経営コンサルタントとして、FPの育成にも力を入れており、『保険の販売手数料に頼らなくても、FPが活躍できる業界を作る』という想いの実現に向け日々邁進している。

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