開業直後によくある勘違い。これを知らないと・・・

石塚駿平

この前、郵便受けの中に選挙の
チラシのようなものが入ってました。

スーツ姿の青年が拳を握って
ポーズをとり、その隣に名字と
名前が書いてあるものです。

キャッチコピーには、

「中野大好き!」
と誰もが言える街に

と書いています。

最初は中野区の選挙の
チラシかと思いましたが、、

別に今は選挙をやっている
訳ではありません。

なので、一体何だろうと思い見て
みると、どうやらNPO法人の
チラシのようでした。

何でも、より良い街づくりを
目指す為のNPO法人のようで、

・子育て世代が仕事と育児を
両立できるようにします

・住民が楽しく交流できる
機会を増やしていきます

・若者がずっと住み続けられる
街づくりを目指します

みたいなことが書いていました。

まあ、何となくいいことを
言っているのですが・・・

このチラシ、何だかとても
違和感があるのです。。

違和感の正体

なぜ僕がそのチラシに違和感を
感じたのかと言うと、、、

そのチラシには”あるもの"が
完全に欠けていたのです。

その”あるもの”とは何かと言うと、

『オファー』

です。

このチラシには、

「私は○○をしたいです!」

ということは書いているのですが、
読み手に何の行動も促していません。

例えば、

『より良い街づくりの為の
個別相談会を実施します』

『街の活性化についての
セミナーを行ないます』

みたいな、”行動の呼びかけ"
がすっぽり抜け落ちているのです。

完全な間違い

たぶん、このチラシを作った人は
こう考えたのでしょう。

「自分はまだ知られていないから、
まずはみんなに知ってもらう
ことから始めた方がいいだろう。

だから、自分の考えを伝える為に
チラシを撒いて認知度を高めよう」

きっとこんな感じだと思います。

ただ、この考え方というのは、
マーケティングの観点から
すると完全に間違いです。

マーケティングの原則

マーケティングにおける
大原則の1つとして、

『効果の測定できないものには
お金を使ってはいけない』

というものがあります。

広告を使う時には、その費用
10,000円あたりどれくらいの
リターンがあるのか?

明確な数字でわかるもので
ないといけません。

なぜなら、リターンが
計測できないと、

あたりどれくらいの
リターンになるのかを

『その広告がどのような
効果を上げているのか』

がわからないので、
ムダに広告費を使ってしまう
状態になるからです。

これでは、効率的な
マーケティングとは言えません。

大企業しかできない広告

明確なリターンを計測できたい
広告を使ってもいいのは、
基本的には大企業に限られます。

そういった広告というのは、

誰かがその広告を見る
↓↓
広告を見た人が何かの拍子で
それを思い出し、その企業の
商品・サービスを選びやすくなる

ということを狙っています。

つまり、全体にバラまいて
その中の数%に興味を持って
もらうことを期待しているのです。

こういったことは、資金力のない
個人レベルの事業ではできません。

なので、やるべきではないのです。

FPもしてしまう勘違い

しかし、、、

『まずは認知度を上げる』

というアプローチを
考えるFPはたくさんいます。

「自分の存在はまだ知られてないから、
まずは知ってもらうことが大事だ!」

と考えて、冒頭のチラシの人のように、
オファーがないチラシを撒いたりします。

しかし、これでは収益に繋がりません。

(ちなみに、そのチラシはすぐ
捨てました。顔と名前も忘れたので、
もう思い出すことはないでしょう。)

なので、自己満足を得るだけで
銀行残高が減っていくだけ・・・

という事態になりかねません。

そこまで体力が持てばいいですが、
基本的には、収益に繋がる為の
オファーを明確にする必要があります。

押さえておくべきポイント

基本的な考え方としては、
広告を出す時には必ず、

『収益に繋がるオファーをする』

ということが大原則となります。

そうしないと、その広告が
成功か失敗かの判断が出来ず、
ただお金を垂れ流すことになります。

"認知度を上げる”ことは大事ですが、
優先順位は一番ではありません。

なので、、、

『認知度の向上やイメージアップは
あくまで副産物である。』

という考えを持つことを
強くお勧めします。

特に開業したての時には
この勘違いをしてしまう場合が
多いので注意が必要ですね。

全ての広告には、効果を測定する
為のオファーが必須になります。

このポイントは、必ず
押さえておいて下さいね。

石塚 駿平
株式会社FPライズ代表。独立FPに専門特化したコンサルティング、セミナー開催などを行っている。現在は依頼のほとんどを断っているが、相談料5万円の住宅相談をネットから月10名集客、開業コンサルティングを行なったFPが独立後15日で100万円以上の売上げを達成など、多くの成果を上げている。

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