AIに仕事を奪われる未来

昆知宏

こういうタイトルの本を
最近書店で良く見かけます。

AI=人工知能によって、
人は働かなくてよくなる。

そんな未来になるのかどうかは
分かりませんが、

AIがあなたの生活の
役に立ってくれる。

こんな未来が来るようです。

その一方、
あなたの仕事を奪うかも
しれないなんて言ったら
ちょっとそれは困りますよね。

FP業界だとちょっと客観的に
見れない自分がいるので、

多業種に目を移してみましょう。

先日、顧問の弁護士さんと
打ち合わせをしているときに

AIの話になりました。

なんでも裁判の判決がAIに
なる日が近く、

「我々の仕事は消える運命に
あるんですよー。」

とのこと。

まあ確かに分厚い法律書を
AIであれば全部インプットしてあって、

それに過去の判例などをなぞって
いけばある意味中立な判決が
でるよね。と思う私。

有能な弁護士と無能な弁護士の
差もないし、

訴訟費用もかからないし、
悪くないのかも。

特に簡易裁判なんかは。
めっちゃいいじゃん。

と思ってしまいました。

でもあまり気軽に裁判が
できるようになると、

「じゃあ、AI裁判ね」

なんてなっちゃうだろうし、

20年後にはケンカになると
スマホアプリでAI裁判を
やっているかもですね。

そんな未来は、なんか嫌です。

あくまでも過去依存なAI

と、ここまで弁護士さんと
AIについて話したことを
書いてきたわけですが、

ここである事実に気づきます。

AIはあくまでも、
莫大なデータベースは一瞬で

処理できても過去の判例になぞる
ことしかできないんだって。

とうことは、
時代に合わせて新しく問題になること
法の解釈を時代にアプローチにあわせて
考えることは、

まだ人間にしかできないようです。

これはFPにも言えます。

ロボアドバイザーとか、
FPの業界にも聞くようになって
きました。

ただしこれも過去のリターンと
リスクを総合的に数値として
判断してのもので、

現時点の精度はそれほど高いとは
いえません。

ポートフォリオを決めるのには
大活躍ですが、

その後の常に予測できない動きをする
経済をウオッチして維持管理すること
は別問題です。

FP業界のAIはまだまだ先

現在のところ一般の方が気軽に
利用できるAIの精度は個人的には
たいしたことないって思っています。

AIは過去のデータを整理し、
意向に沿ったものを提案してくれることに
関しては人間が適わないところですが、

これからの未来を予測しながら、
それぞれのベストに沿って、

寄り添いながら提案していくことは
人間の方がやはりベストです。

AIの結果を活用し、
人間のコンサルティングに
入っていく。

これが最も腑に落ちます。

FP自体の存在がまだまだ
黎明期と言われるように、

FPとAIの組み合わせは、
つぶし合いではなくて、
相乗効果になる可能性を秘めています。

1,000万円の運用をするときも、
AIの意見も参考にするけど、

その結果を元に人(FP)に相談
したいというのが、人間の心理のはずです。

FPとAIの関係は、
明るいと私は判断しますが
あなたはいかがでしょうか?

AIとの付き合い方

ちょっと話が違いますが、
住宅会社の初回面談時の取り組み
として面白いものがあります。

それは夫婦それぞれが
30個の質問に回答していき、

お互いの住宅に対しての
こだわり、想いを数値化する
というものです。

就職の適性検査みたいなもので、
コンピュータが客観的に、

家づくりにおける深層的に
大事だと思っているところを
教えてくれるわけです。

客観的にこういう数値をみることで、
家づくりにいけるイメージが
具体化されることに加え、

そこでの新しいコミュニケーションが
生まれます。

その後の打ち合わせの方向性も
支離滅裂にならず、

これはいいアイディアだなあと
思いました。

FPの場合もそうで、
リスク許容度や価値観を
事前に分かっていると、

その後の提案がスッと
入ってもらいやすくなるはずです。

こういうときにAIを使って
ある程度適正を絞れておくと
ものすごく良い結果になりそうです。

AIが普及するとFPの仕事が
なくなる!?

なんてよく言われますが、

まあここ10年、20年は
そんなことはないでしょう。

未来を悲観的に思うくらいなら、
今話題のAIとどういうふうに

付き合っていくかを常に考えて
いたほうがよっぽど得策ですね。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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