先入観が可能性を奪う

羽田空港より
執筆者:中西雅司

   

「先入観は可能を不可能にする」

これは、メジャーリーガー大谷翔平選手が高校時代に残した言葉だそうです。

彼は、長年野球業界で「不可能」とされてきた“プロレベルでの投打二刀流”を、プロの最高峰の舞台であるアメリカのメジャーリーグで実現しました。

打者としても投手としても世界トップクラスの結果を出し、これまで当たり前だった「どちらか一方に絞るべき」という固定観念を覆したのです。

今では、彼の影響で「二刀流」に挑戦する若手選手も増え始めています。

かつては否定されていたことが、今では希望や目標として語られているのです。

この「先入観を持たず、自分の可能性を信じて挑戦する姿勢」は、FP業界にも大いに通じます。

「できない」と決めつけていませんか?

FPの世界には、

「それは無理」

「その方法はうまくいかない」

などと言われていることがたくさんあります。

私自身も以前は何度も言われ続けてきましたが、きっとあなたも、そのような言葉をもらった経験があるのではないでしょうか。

たとえば、「FPはホームページでは集客できない」という言葉。

以前あるFPの方がおっしゃっていたのですが、あるFP向けの書籍には、そう書かれているそうです。

ですが実際には、ホームページを活用して安定した集客ができている独立系FPは、私の周りにも何十人もいます。

むしろ、中立的な立ち位置が重要な私たち独立FPにとっては、

「ホームページなどを活用した顧客の直接集客」

は、最も有効な集客方法の1つです。

日本人は本当にサービスにお金を払わないのか?

あるいは、よくFPが難しいと言われることとして、

「日本人はサービスにお金を払う文化がないから、FPの有料相談は難しい」

という話があります。

確かに、モノにはお金を払っても、サービスには慎重になる文化はあるかもしれません。

ですが、人は「価値がある」と感じ、「信頼できる」と思えば、しっかりとお金を払います。

大切なことは、FP自身がFPの価値を正しく理解し、伝え続ける努力をするということ。

そうすれば、お金を払ってサービスを受ける顧客は増えていきます。

誰かの「失敗談」は、あなたに当てはまるとは限らない

誰かが「うまくいかなかった」と言っても、それは、その人のケースにすぎません。

もしかすると、その人の取り組み方が中途半端だったかもしれませんし、「どうせ無理だろう」という先入観を持ちながら行動していたかもしれません。

あなた自身が本気で、前向きに、工夫を重ねながら取り組めば、まったく違う結果になることだってあるのです。

なので、否定的な意見に出会ったときほど、立ち止まって考えてみてください。

「それは本当に自分にも当てはまるのか?」

と。

特に、あなたの詳細な状況を把握していない人から否定的な意見をもらったときには、基本的には全く真に受ける必要はありません。

可能性を信じて、挑み続けるFPに

大谷選手のように、「無理」と言われていたことを実現する人は、最初から特別だったわけではありません。

ただ、「できるかどうか」ではなく、「やりたいかどうか」「どうすればできるか」に焦点を当ててきた人です。

あなたが独立系FPとして歩んでいく中でも、必ず壁にぶつかる瞬間があると思います。

そんなとき、「これは無理だ」と思う前に、自分の可能性を信じてみてください。

誰かの意見ではなく、自分の挑戦が未来を切り拓いていくのです。

これからもあなたの活躍を心から応援しています。

中西雅司
大手生命保険会社に約8年勤務後、2013年にファイナンシャルプランナーとして独立。これまで40万件以上のクレームを見てきた経験から、保険適正化コンサルタントとして活動をする。現在はFPのための経営コンサルタントとして、FPの育成にも力を入れており、『保険の販売手数料に頼らなくても、FPが活躍できる業界を作る』という想いの実現に向け日々邁進している。

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