つくばの自宅より
執筆者:石塚 駿平
去年、4ヶ月の間夫婦で世界旅行をした後に考えていたことがあります。
それは、経営者としての資質について。
世の中にはたくさんの経営者がいますが、売上というのは千差万別ですよね。
月の売上が100万円の人もいれば、10億円という人もいます。
旅行から帰ってきた後に、『NOT A HOTEL』という会社のビジネスを調べていたのですが、開業から1年で100億円を売り上げたそうです。
単なるホテルではなく、共同所有という形で例えば年に10泊できる権利を3000万円で買うことができる仕組みで、宿泊しない場合はその枠を売って収益を出すこともできる、というビジネスモデルです。
今も世界中の有名建築家とコラボしてすごい施設をどんどん作っているので、すごい勢いを感じます。売上もすごい伸びているのでしょう。
創業者はメルカリ出身の方で、宿泊業は未経験だそうです。未経験からいきなりそんな売上を作るというのは驚くべきことだと思います。
こういった事例を見て思ったのは、
『こういった大きな事ができる人は、何が違うのだろうか?』
ということです。同じ人間なのに。
経営者としての資質
こう考えた結果、僕が出した結論は
『大きな絵を描くことができるかどうか』
というものです。
これが、経営者としての資質を表すのではないか?と考えたのです。
大きな絵、ビジョンを描くことができれば、それについてくる人が増え、大きな事を成したり、大きな売上を実現することができる。
月商100万でとどまる経営者もいれば、月商10億の経営者もいますが、こういった点が違いを生み出すのではないかと思うようになりました。
もちろん、どちらが優れているという訳ではありません。
売上が大きいから偉いとか、小さいから偉くないということはないと思います。
でも、経営者の器を計る1つの基準になるのは間違いなさそうです。
物理的な距離が離れると俯瞰ができる
長い間海外旅行に行って、物理的にも精神的にも仕事から離れた時というのは、なんだか俯瞰して物事を見ることができたと思います。
自分の人生をこれからどう生きていきたいか?
仕事の方向性はこれで間違っていないか?
これからの人生の中で、何を成し遂げたいのか?
など、目の前の仕事に忙殺されていると考えられないようなことについて、考えが及んだような感覚ですね。
物理的に距離が離れると、思考の上でも距離を取って考えることができるので、海外に旅行をするというのは思考の整理に大いに役に立つ気がします。
それに、世界に出れば色々な生き方をしている人を見ることができますしね。
成功しているFPは大きな視点を持っている
FPにとっても、
『大きな絵を描くことができるかどうか』
ということは非常に大事なことだと思います。
FPの業務は多岐にわたり、細かい専門知識が必要なことも多いので簡単に視野が狭くなりがちです。
例えば、NISAの枠の中でどの投資信託を組み合わせればいいのか?という議題についても、突き詰めればいくらでも時間を使うことができますよね。
しかし、そこにばかり視点を取られてしまうと、提供できる価値というのは限られてしまいます。
そこから一歩離れて、なんの為に資産運用をするのか?という目的を見つめ直したり、さらに距離をとって、どんな人生を過ごしたいのか?ということを顧客と一緒に考えることができたら、FPとして提供できる価値というのは高まっていきます。
僕の体感では、目先の利益を出すことにとらわれているFPよりも、顧客の人生全体についての理解やアドバイスができるレベルに到達しているFPの方が、ビジネス的にも成功しているように思います。
自分の経営者としての器を広げていく
そういった対顧客の目線も大事ですし、
『自分がFPとして本当にやりたいことは何か?』
『どうやったら、社会に対して大きな貢献ができるのか?』
という視点で自分の仕事を見つめ直すというのも、非常に大事です。
仕事に集中する時は集中して、目先の仕事に全力で取り組む。
そして、適度な自由時間を作り、旅行をしたりしながら自分の仕事から一歩離れ、俯瞰して自分の仕事や人生について考えてみる。
この繰り返しをやっていると、自分の経営者としての器が成長していき、より大きな絵を描くことができるようになるかもしれません。
自分のことを分析してみても、今の時点の方ができることも増え、人脈もあるので20代には描くことができなかった大きな絵を描く能力がだんだんと身についてきたように思います。
大きな視野を持つことができるようになって、社会に対して大きなインパクトを与えるような絵を描くことができるようになれば、人間としても成長をしている気がします。
この繰り返しをして、自分の経営者としての器を広げていく。
そんな人生を歩めたらすごい面白いなと思ったのですが、あなたはどう思いますか?