執筆者:昆 知宏
あなたが守備範囲としている商圏。決めていますか?
私はホームページ上では半径100kmまでを対象としていると表明していました。
高速道路で90分圏内なら守備範囲というイメージです。
しかし先日、10周年を機会に今までの顧客に年賀状を送りました。
年賀状を送ったのは、深いかかわりをもって有料相談をした方のみとしました。
住所・氏名のリストを作成しそれがそれで貴重な機会になったのですが、この時に分かったことがありました。
遠方の方がほとんどいなかったのです。
守備範囲が広いのはネットでは武器にならないかも
『過去の相談者=VIPリスト』を作成して思ったのは、私はホームページ上ではかなり広いエリアで対応できることをPRしているのですが、実際に深い関係になった顧客の8割以上は30㎞圏内の方でした。残りの2割は紹介で来た人が多かったです。
もっと言うと、15km圏内で50%以上でした。
15㎞圏内というと、郊外では高速道路に乗らなくても移動が前提の距離で道路が混んでいても1時間以内には絶対につくだろう距離感です。
顧客5割がこれなら無理に対応できる範囲を広くせず、むしろ狭めて地域性に特化したFPとして訴求したほうが全体に効果的だと思ったのです。
こう思ったのは他にも理由があります。
今ホームページをいろいろと変えようと思っていて、他のFPがどういうふうにホームページを作っているかを調べています。
FPの方って私に限らず対応エリアをかなり広く取っている方が目立ちます。
相談者から見た場合に、果たしてこれがメリットになるのか?
…ならないだろうと感じたのです。
相談者目線で距離の近さは重要視される
私は過去にカラーコーディネーターに相談したくてネットで探していたことがありました。
その時に遠方の人であっても相談可能エリアになっていることが多かったのですが、検索をする側のマインドで見ると、自分の解決したいテーマを解決してくれそうな人を見つけるかつ、なるべく近い人がいいという感じでした。
具体的には、プロフィール写真などを撮る時に合うスーツの色、ネクタイの色を相談できる人を探しました。
リモートはいやで、直接会って相談できそうな人。
できれば同じ市内が良くてなるべく近い人。
変な人じゃなさそうな人。
相談できそうな人。
この条件でした。
一番良さそうな人は、自宅から50㎞くらいの距離だったのですが、結局自宅から5㎞位の人にお願いしました。やはり遠いのは面倒だし、同じテーマならどの人でも資格を持っているなら対応できるだろうと思ったからです。
ネット検索上の優位点
このような経験から、ネットから新規集客しようと思えば近さは優位です。
多くの人がなるべく近いところに相談したいと思っているのであれば、事務所を人が多いところへ設置するというのは物理的に有効であり、大手企業はほぼみなそうしています。
ネット集客を使わず紹介等の人は、場所はどこでもかまわないのですが、ある程度ネットから新規で集客をしようと考えるのであれば場所は重要です。
個人的にネット検索をして思ったのは、自宅兼オフィスの人だと明らかに分かる人はちょっと相談のハードルが上がるような気がしました。少なくとも私は候補から外しました。
もう少し気軽に相談できる雰囲気が欲しかったです。
やっぱり知らない人に相談するということは、怖さもあり、店舗の作り方、見せ方は思った以上に検索している人は気にしています。
地方の場合は、事務所の誘導動線を公共交通機関かマイカーに置くのかでも変わります。
私の場合は主な集客経路はマイカーにしようと独立した当初から思っていて、幹線道路沿いに事務所を構えたのは正解でした。
特に住宅購入相談は小さな子を連れたファミリー層が多く、駅の近くに事務所を構えていたら明らかに苦戦していたと感じます。赤ちゃんを抱っこして駐車場から30秒以内に事務所にいけるところを重視しました。
自信があっても出会えなければ意味がない
いくらサービスに自信があっても結局、顧客に会えなければ意味がありません。
大手企業のサービスは、このあたりのツボを押さえるのが上手なため、多くの見込み顧客を取られてしまいます。
しかし中小事業者でも、できる配慮やWEBの見せ方はあります。
特にポテンシャルを持っている人ほど外部環境を変えるだけで爆発しそうな人がたくさんいると、私は今回のリサーチで感じました。
待っていてもお客さんは来ないのです。