つくばの自宅より
執筆者:石塚駿平
ある日、パブロ・ピカソがカフェに座っていると、一人のファンの女性が彼に気づき、興奮して近づいてきました。
彼女はピカソに
「このナプキンに何か小さな絵を描いてくれませんか?お代はいくらでも支払います」
と頼みました。
ピカソは快く引き受け、ポケットからペンを取り出すと、わずか30秒ほどでナプキンに見事なスケッチを描き上げました。
そして、彼女にそのナプキンを渡しながら、こう言いました。
「料金は1万ドル(現在の価値で数百万円〜数千万円相当)です」
女性は驚愕し、こう反論しました。「ピカソさん、冗談でしょう?
あなたがその絵を描くのにかかった時間は、たったの30秒ですよ?」
するとピカソは、静かにこう返したのです。
「いいえ、30秒ではありません。これまでに私が生きてきた、40年の歳月がかかっているのです」
本当に価値があるのは見えない部分
これは、僕が好きな逸話です。
もっとも、この話の真偽のほどは定かではなく、おそらく後から作られた寓話だと言われているのですが、それでも示唆に富んだ話だと思います。
人は、商品やサービスを見る時、自分が見える範囲のものしか見えていません。
その商品やサービスの裏側にある努力や、費やされた時間というのは無視されてしまうのです。
でも、本当に価値があるのはその見えない部分である。
そのことを、このピカソのエピソードは教えてくれています。
何も言わないと顧客からは見えない
例えば、ライフプラン作成を考えてみましょう。
ライフプラン作成を顧客がFPにお願いした時、顧客から見えるFPの価値というのは、ヒアリングの時間とライフプラン表、そしてFPからの提案です。
「FPがヒアリングをしてくれて、ライフプラン表と提案を作ってくれた」
ということが見える訳ですね。
しかし、ライフプラン表を作るために裏で行っている労力や時間、そして提案を作り出す為のスキルやノウハウ、経験というのはあまり見えていないのです。
お客さんからすると、見えているものが全て。
これがデフォルトです。
裏側の価値が伝われば反応は変わる
でも、冒頭のピカソの話のように、本当に価値があるのはサービスを提供する裏側だったりします。
だから、ここをしっかりと顧客に見せて上げることが重要です。
それができれば、顧客が感じてくれる価値は大きく上がります。
まずは、顧客が見えていない所でどんな作業をするのか。
それはどれくらい時間がかかって、どれくらい複雑なのかを示してあげる。
また、提案を作る部分についても、自分の専門性や経験、スキルがどのように反映されているのか、どのようなプロセスで提案が出てくるのか等をしっかりと説明する。
こういったことをしっかりと、できればプレゼン資料を使ってお伝えすることができれば、
「それなら、これだけ料金を払うのは当然ですね」
という反応を引き出すことができるはずです。
もし裏側が伝わっていないなら・・・
これは、ライフプランの作成だけではなく、顧問契約でも、住宅購入コンサルでも何でも同じです。
裏側でFPがどのような作業をしているのか、どれくらい専門性や経験、スキル必要なことをやっているのかというのを示せば、顧客が体感する価値は大きく向上します。
それができれば、成約率も上がりますし、単価を上げても受け入れてもらいやすくなります。
あなたの顧客には、あなたが裏側でやっていることの価値は伝わっていますか?
もし伝わっていないのなら・・・
そこには大きなチャンスがあります。
裏側を見せないのは美徳ではありませんよ。
もし顧客に裏側の努力が伝わっていないなら、伝えるように努めていくべきです。