FP1級が荒れているので私の感想を書きます

執筆者:昆 知宏

   

最近、FP1級がお金を出せば取得しやすくなるという話題で、業界が少しざわついています。


正確には、一定の講習を受けて最終試験に合格する必要があるため、決して簡単というわけではありませんが、従来の試験ルートと比べると有利であることは間違いありません。

私はFP1級を持っていません。

ごめんなさい、今まで受けようと思ったこともありませんでした。
 

ただ今回の話題を受けて、少し興味が出てきたというのが正直なところです。
とはいえ、これまで10年以上FPとして活動してきて、1級を持っていなくて困ったことは一度もありませんでしたし、顧客から級を聞かれたことも一度もありませんでした。

資格の価値と、実務の価値

1級ではない私でも昨年、大学でFP資格取得に向けた授業を担当しました。


その中で私は、FP資格に過度にこだわる必要はないと伝えました。

この資格には独占業務がないため、資格そのものが直接収入に結びつくケースは多くありません。
限られた時間の中で資格を取得するのであれば、他の分野に時間を使う選択も十分に合理的です。

一方で、FPを学ぶこと自体には大きな価値があります。
 

お金に対する理解が深まり、自分自身の人生設計にも大きく役立つ。

そういう意味での「内面的なリターン」は非常に大きいと感じています。
だからこそ授業では、資格取得そのものよりも、本質的な考え方や使い方を伝えることを重視しました。

FP1級は「欲しいか」と言われれば欲しい

では、FP1級は必要か。


独立している立場からすると、持っていれば一定の信頼感や箔がつくことは間違いありません。
正直に言えば、欲しいか欲しくないかで言えば欲しいというのが本音です。

ただ、それが収入や実務にどれだけ影響するかと言われると、私の場合は不透明です。
 

すでに自分のビジネスモデルが確立している中で、資格が与えるインパクトは限定的だと感じています。

また、今回のようにお金を払うことで取得ルートが広がるのであれば、資格そのものの価値が相対的に下がるのではないかという懸念も理解できます。

このあたりは、すでに1級を持っている方の考えをぜひ聞いてみたいところです。

これから独立する人に伝えたいこと

最後に、これからFPとして独立を考えている方にお伝えしたいことがあります。
 

FPの級は、実務においてほとんど関係ありません。

本当に重要なのは、ライフプランをどれだけ正確に、そして分かりやすく顧客に伝えられるかです。
 

このスキルはテキストにはほとんど載っていません。
ひたすらにモデルケースを作り、試行錯誤を重ねることでしか身に付かないものです。

ダミーのケースでもいいので、とにかく数をこなすこと。

FPの勉強をすることと同じくらいの時間をここに使って欲しいです。


その積み重ねが自信になり、実際の相談につながり、やがて確かな実力になります。

資格はあくまで一つの要素に過ぎません。
 

それ以上に大切なのは、顧客に価値を届けられる実務力です。

そこに向き合い続けた人が、結果的に選ばれるFPになるのだと私は思っています。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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