この前、何かの拍子でこんな記事を目にしました。
『日本酒業界に新規参入し海外展開に挑戦』
個人的に日本酒は好きで、頻繁に飲むわけではないですが、、、
居酒屋で良い品揃えを見るとついつい頼みたくなってしまいます。
そんな訳でこの記事を見た時は
「新しい酒蔵ができるのか、それは楽しみだな」
と思ったのですが、その記事の中には個人的に衝撃的なことが書かれていました。
新規参入が全く無い業界
それは何かというと、
『日本酒の製造・販売の許認可はここ60年で一度も降りていない』
ということです。
つまり、新規参入が全くないということ。
よくよく考えてみれば、『長い歴史のある酒蔵』というのはよく目にしますが、『3年目の若い酒蔵』みたいなものは全く目にしないですよね。
もっと詳しく見てみると、どうやら海外向けの販売は免許制度があるようですが、その受付が開始したのは2021年4月1日から。
なんと、去年からのスタートです。めちゃくちゃ最近の話ですね。
この流れがあって、海外向けの販売に特化した日本酒の酒蔵ができてきているようです。
既得権益を確保する構造
なぜ日本酒の製造・販売の許認可が全然降りていないのか?という理由ですが、
『国内の日本酒需要が減少しているために需給調整をする必要がある』
ということのようです。
日本酒は昔と比べて飲まれなくなった。そんな中で新しい酒蔵ができてしまうと、そこにシェアが奪われてしまうので良くない。だから許認可を降ろさない。
ってことのようですね・・・
言い換えれば、既得権益の確保したいということなんでしょう。
この事実を知った時、僕は衝撃を受けました。
なぜなら、ビジネス的に非常に不健全な状態だと思ったからです。
前提条件が間違っている
この考え方というのは、
『日本酒マーケットの規模は、徐々に縮小する』
ということが大前提にあります。
でも、これは決まったことではなく努力でなんとかなる問題ですよね。
例えば、小さい醸造所がビールを作って売るクラフトビールのマーケットは確実に大きくなっています。
アメリカからブームが始まり、それが世界中に広がっていって日本でもクラフトビールを作る所が増えてきました。
今ではその人気にあやかろうと大手のビール会社も『クラフトビール』と名乗ったビールを作るほどです。
つまり、新しい醸造所が増えることで新たなマーケットが生まれて、どんどんと市場規模が大きくなっているのです。
マーケットは大きくできる
これと同じようなことが日本酒業界でもできないかというと、そうではないですよね。
おいしい日本酒は本当においしいですし、気づいていない人が多いだけでポテンシャルは非常に高いと思います。
海外でも日本酒人気は高まっていますし、何か新しい流れを起こすことは十分に可能なように感じです。
ちなみに、カナダのモントリオールに行った時、日本人がやっている小さな酒蔵がありました。外国人をメインのターゲットにしていて、そこそこ人気があるように見受けました。
でも、そういった流れというのは業界に新しい風を入れなければなかなか起こらないですね。
既得権益にこだわった閉鎖的な環境のままでは、ただただマーケットが縮小していって自分たちの首を締めていくだけのように感じてしまいます。
FP業界に通じるもの
そして、この状況を見た時に僕は、
『FP業界にも通じるものがあるな』
と感じました。
FP業界のマーケットというのは、いまだに小さいですよね。
しかし、マーケットの規模が決まってしまっている訳ではありません。
色々なFPがどんどんと出てきて、創意工夫をしてビジネスを展開していけば必ずマーケットは広がっていくはずです。
この業界にいると、たまに競合のことを気にしすぎている人がいますが、、、
FPが開拓できているマーケットの大きさというのは、そのポテンシャルから比べると微々たるものです。
なので、競合が増えてもそこまで限られたマーケットを奪い合うということにはならないでしょう。
それよりも、
『一緒にマーケットを広げる同志』
だと考えた方が精神的にも楽ですし、お互いにより良い関係を作ることができるのではないかと思います。
そうすれば、競合を過度に恐れて足の引っ張り合いをしたり、悪口を言ったりなどは起こらなくなるでしょう。(FP業界にいると、たまにこういう噂や話が耳に入ってきます)
僕はこういう風に考えるのですが、あなたはどうでしょうか?