働かないでもお金が入ってくる。
どこに行くのも、何をするのも自由。
海外に住んでみたり、平日に温泉旅館に泊まったり・・・
好きなことが何でもできる。
そんな状況を実現できるとしたら、どう思いますか?
きっと、ほとんどの人は、
「そんな生活を実現したい!」
と思うはずです。
でも・・・
僕はこの考えには否定的な意見を持っています。
魅力を感じるには裏が必要
否定的な意見を持っていると言うと、
「なんで?仕事から開放されて自由な生活ができるなんて最高でしょ?」
と普通の人は思うかもしれません。
では、なぜ僕がそんなことを考えるかというと、
『働かなくても自由なことができる生活』
が素晴らしいものだと思うためには、
『今ある生活に不満を感じている』
ということが必要であり、それを手に入れた後はその生活が魅力的なものではなくなってしまうからです。
渋沢栄一と天丼の話
このことを説明するために、僕の好きな話を紹介しましょう。
日本経済の父といわれ、2024年から一万円札の顔にもなる渋沢栄一の話です。
彼は貧乏な頃、とあるお店で天丼を食べたそうです。
そして、その美味しさに心を奪われ、
「もし天丼をいくらでも食べらることができたら、なんと幸せなことだろう」
と思ったと言います。
そして、経済的にも成功しいざ天丼をたらふく食べてみたところ・・・
「お腹がいっぱいになったら、もうおいしいとは思わない」
と感じたそうです。
満たされたら魅力がなくなる
つまり、何かを欲しいと思うためにはそれが満たされていない状態が必要で、いざそれが満たされてしまうとそれを欲しいとも思わなくなる、ということです。
これと同じ話が、
『働かなくてもお金が入ってきて、どこに行っても何をしても良い生活』
にもあてはまるのです。
その生活を欲しいと思うためには、今の仕事や生活に満足をしていない状態が必要条件としてあります。
そして、いざ理想的な生活を実現させたら、今の仕事や生活に満足をしていない状態がなくなってしまうのでもうそれを欲しいとは思わなくなってしまうのです。
実際に、若くしてリタイアをした人は、自由な生活を満喫した後に
「自分は一体何をやっているんだろう・・・」
と疑問を抱え、仕事に復帰する場合がほとんどだそうです。
ある人は、この状態を実現すると最初は楽しいが、ある時点から慣れてしまって自分の存在意義を見失ってしまい"マイルドな不幸感"に苛まれると言っていました。
これは、経験した人にしかわからないのでしょうが真実だと思います。
目的がない人生は不幸
最近読んだ本の中にも、
『目的がない日々が続くと、最悪の場合、強い不安や抑うつにつながることもある』
という記述がありました。
やはり、人が幸せになるには目的を持って何かに取り組むことが必要なのでしょう。
そうでないと、自分の存在意義を見失ってしまうからです。
で、、、
この話を通して僕が何を伝えたかったかというと・・・
こういった踏み込んだ話ができるようになったら、FPとして顧客に提供できる価値が大きくなるなるのではないか?ということです。
どっちのFPがいい?
例えば、なるべく早い段階でFIREをしたいと顧客が望んだとします。
その時に、顧客の言うことをそのまま聞いてお金の計算をするFPと、
「そもそもなんでFIREを達成したいんですか?」
と聞き、顧客が求める本質を突き詰めることができるFPがいたとしたら、僕は後者のFPの方が大きな価値を提供できると考えています。
なぜなら、人生の質に直結する質問ですし、もしかしたらFIREではなくて別のより良い解決策を見つけることができるかもしれないからです。
そういったことができれば、顧客の満足度はきっと上がりますし、
「このFPから継続的なアドバイスをもらいたい」
と思う人も増えるでしょう。
FPとしての価値を上げる方法
という訳で、こういうことができたらFPの持っている価値は上がるんだろうな〜、という雑感をお伝えしていきました。
こういったことを伝える為には、やはり自分が色々な経験をして、学びを続けることが重要なのではないかと感じます。
FPとしての価値というのは、自分を磨くことでどんどん上がっていくものです。
自分が学んだことを、顧客に還元していく。
そのサイクルを続けることができれば、あなたの持つ価値は絶対無二のものになるでしょう。
それに、他のFPとは違った自分のカラーも出てきます。
このことがわかっているとFPとしての自分の価値にも自信が持てるようになるはずです。
ちょっと抽象的な話ですが、こういったことが伝えられるFPが増えるといいなと個人的に思っています。