FP駆け出しの成功法則!テクニックは完コピ、キャラは“〇〇”

今日は少し初心を振り返りながら、特にこれから独立系FPとしてキャリアを歩み始める方に向けて、大事にしてほしい考え方をお伝えします。

テーマは「テクニックは真似しても、キャラは模倣するな」という話です。私がFPとして駆け出しの頃に学んだこと、そして今も私の根幹にある考え方をまとめます。

キャリアを歩みだす勇気の話

私がFPとしてキャリアを始めたのは、当然ながら実務経験ゼロの頃でした。

資格は持っていたけれど、実際に金融提案としてお客様に向き合った経験はゼロ。

そのため、東京の独立系FP事務所に研修生のような形で所属することからスタートしました。当時は保険の委託募集が認められていた時代で、全国の保険代理店の中から自分に合った会社を選べる環境でした。私はいくつかの会社を比較し、最終的に「ここならやってみたい」と感じた1社に所属することに決めました。

その選択が、今振り返れば大きな転機になりました。実はそのFP事務所のセミナーで、のちに大きな影響を受けるFPライズの石塚さんと出会ったのもこの時です。参加者はなんと石塚さん、私、そして主催者の3名だけ。セミナー終了後にスカイツリーの近くで飲みに行き、そこで一気に3人の絆が深まりました。いま思えば、その夜の出会いがなければ、私はまったく違うFP人生を歩んでいたに違いありません。それはそれで興味もありますが、おそらくこの出会いが私の人生のトップ5に入る幸運だったと言えるのは間違いありません。運の良さだけは自信があります笑

20代の頃の私は、まさにチャンスに飢えていました。1〜2年に一度訪れるチャンスに飛び乗るかどうか。いくつか巡ってくるチャンスを逃し、「次こそ!飛び乗る」という気持ちでその判断には「勇気」という言葉を添えていたように思います。

いまFPを始めたばかりの方には、まずこの「チャンスに飛び乗る勇気」を持ってほしいと伝えたいです。準備不足でもいい。未熟でもいい。大切なのは、流れてきた行先不明の列車に迷わず飛び乗る姿勢です。その経験の積み重ねが、確実にあなたを次のステージへと引き上げてくれます。

すべての土台はライフプラン

私のFPとしての根幹は「ライフプラン」にあります。

保険の所属先はソニー生命で新宿で本格的な研修も受けました。ここはライフプランを非常に大切にする会社でした。収益構造も継続手数料が厚く、派手さはないものの、長期的に積み上げていくモデル。当時は「稼ぎたい」という気持ちもありましたが、今になって思えば、この仕組みは私にとって非常に合っていたのです。

保険販売の世界では、一度の契約で大きな手数料が入る“ホームラン型”の営業も存在します。確かに華やかで刺激的に見えますが、私はあまりそういうやり方を選びませんでした。むしろ

「こつこつ積み上げる」ことに安心感を覚えていましたし、それは最初に出会った人から受けた影響でもあります。そして、このマインドは今も私の軸となっています。

さらに所属していたFP事務所はとにかくライフプランを重視していました。

ソニー生命のシステムだけでなく、有料の専門ソフトを使うことを勧められ、実際にそれを導入しました。この経験は本当に大きかったと思います。とにかく数をこなしてライフプランを作ることが求められ、ダミーケースでも実案件でも、ひたすら作成し続けました。こうした「ライフプランのノック打ち」ができる環境は、実はなかなかありません。

だからこそ、今からFPを始める人には声を大にして伝えたいのです。初期の段階で、徹底的にライフプランを作り込む訓練をしてください。ネットに落ちているダミーの家庭データのものでも大丈夫です。それが頭に刻み込まれ、後のアドバイスの幅を飛躍的に広げる土台になります。これこそが真の意味での「実務経験」です。

テクニックは完コピでいい

当時の私は、保険を中心に活動していました。その中で師匠にあたる方から「既存顧客に100%アプローチできる方法」を徹底的に叩き込まれました。

資料の作り方、話の流れ、クロージングのタイミング。そのすべてを「オリジナリティを出さずに完コピする」ように指導されたのです。これが驚くほど効果的で、実際に私は売上を伸ばすことができましたし、独立する前にしっかりと開業資金を貯めることもできました。

結論から言えば、「ライフプランを徹底する」「保険は売れている人を完コピする」。

これが駆け出しの頃の私を支えてくれた成功法則です。テクニックに関しては、自分の工夫やオリジナリティを無理に入れる必要はありません。なぜなら、すでに成果を出している人が積み上げてきた方法論には、成功するための型が備わっているからです。

お客様にとっても、話が分かりやすく、商品の良さを最短で理解でき、安心して任せられる。つまり、テクニックを完コピすることは、営業する側だけでなく、顧客にとってもメリットが大きいのです。

ですから、これから独立を考える方や実務経験が浅い方は、まず「型を真似る」ことを恐れないでください。自己流にアレンジするのは、その後で構いません。テクニックは学び、盗み、真似していいのです。※あくまでも師匠に許可を得て、ビジネス上のWINWINである前提です。

ただし、キャラは模倣してはいけない

ここで注意していただきたいのが、「キャラは決して真似しない」ということです。あなたはあなたでしかありません。

FP業界にはたくさんのプレイヤーが存在しますが、「あなたというキャラ」は世界に一人しかいないのです。だからこそ、それを武器にしなければなりません。

キャラを作ろうとしても、長続きはしません。顧客は敏感です。取り繕った態度や無理をした言葉は、必ずどこかでほころびが出ます。逆に、素のあなたで接することが最大の強みになります。誠実に、顧客第一で、作り込まずに接する。その姿勢こそが信頼を生みます。そしてその信頼こそが、FPとして活動していくうえで最も大きな資産になるのです。

だからテクニックは徹底的に真似をしていい。でもキャラだけは絶対に模倣してはいけません。あなたのキャラは、あなたしか持っていない唯一無二のものだからです。

最後に...結果を出すために必要なのは「行動量」です。

誠意を持って顧客と接し、数をこなしていけば、結果は必ずついてきます。そして商談の場面になれば、先人たちのテクニックを完コピレベルで活用すればいいのです。テクニックは武器として磨き、キャラは素の自分を出す。このバランスこそが、FPとして長く成功していく秘訣だと私は考えています。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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