投下金額の“100倍”を回収できた確信的なアプローチ

執筆者:昆 知宏

    

「投下した金額に対して、100倍の売上になりました!」

これは決して誇張ではありません。
 今年のお正月、私が初めて試してみた「VIP顧客への年賀状送付」からの反応です。

これまで10年間、年賀状というものをほとんど出してこなかった私ですが、10周年という節目をきっかけにこれまで関わってきたVIP顧客をリスト化し、初めて年賀状を出してみたのです。

といっても、特別なオファーをしたわけではありません。
 

「おかげさまで10周年を迎えました。これからも何かあれば、いつでもご連絡くださいね」

本当にそれだけ。営業色はゼロに近いものでした。

それでも、今年6月までで反応率は5%。
 

相談料という形で売上が立ち、結果として投下金額の約100倍を回収できました。

正直なところ、「これは結果出るだろうな」と思っていたのですが、予想を裏切らない結果に自分でも驚いています。

実際にあった相談は…

年賀状をきっかけにいただいた再相談の内容は、以下のようなものでした。

・住宅ローンの借り換え相談

・ライフプランの見直し

・生命保険の見直し

・資産運用のご相談

いずれも、過去に有料相談を経験されている方々です。
 

そのため、再度のお問い合わせでも「この内容、相談できますか?その場合、料金は?」と、自然な流れで有料コンサルに進むことができました。

何より大きかったのは、すでに信頼関係が構築できていること。


 だからこそ、相談にスムーズに入れ、実行支援までスピーディに進めることができました。

もちろん、こちらがいただいた相談料以上の価値は、確実に返すことができたと思います。
 「またお会いできて良かった」と心から思える、やりがいのあるお仕事でした。

つながりを“押しすぎず”に保つには?

顧客とのつながりを継続的に保つ方法として、ニュースレターを活用されている方も多いと思います。

確かに、こまめな接点づくりができるのは強みですよね。

でも、私の場合正直言って、毎月出すのはちょっとしんどい。
 

新規のご相談対応にエネルギーを使うタイプなので、そこまで積極的に再相談を取りにいこうという気持ちにはなりません。

無理に営業感を出したくないという、感情的な抵抗もあります。
 (実際はそこまでしつこく感じないのかもしれませんが、私自身が気持ちよくやれる方法が大事だと思っています)

そこでたどり着いたのが「年に1回の年賀状」というスタイルでした。

新年にご挨拶と近況をお伝えし、「いつでもご相談くださいね」とお声がけする。
 それだけで、忘れられない存在になるきっかけは十分です。

VIPリストは“信頼の証”

今回の年賀状は、「VIPリスト」を作るところからスタートしました。
 これも10周年を迎えて、ようやく腰を上げて作ったものです(マーケティング的には遅すぎかもしれませんが…)。

基準は、過去の相談料総額が10万円以上の方。
 

ちょっとだけ関わった方まではあえて対象に含めず、深く関係を築けた方に絞りました。

このリストは、私にとって非常に貴重な財産です。
来年以降も年に一度、必ず年賀状を出し続けようと決めました。

収益よりも嬉しい、再会の喜び

もちろん、今回の年賀状が生んだ相談料収入はありがたかったです。

でも、それ以上にうれしかったのは「一緒に家づくりをしたあのご家族と、またつながることができた」こと。

住宅FPは家が完成したら、それで終わってしまう関係です。

それが少し寂しいなと思っていたので、また声をかけていただけたのは本当にうれしかったです。

私にとってFPの仕事は、「人生のある一定期間を一緒に歩くこと。」


 だからこそ、また必要になったときに思い出してもらえる存在でありたいと願っています。

実際「こんなこと今さら相談しても大丈夫ですか?」と遠慮している方は意外と多いんです。

特に私が住宅専門FPだと思われている場合、「資産運用の相談なんてしていいのかな?」と思われがちです。 でも本当は、FP6分野どれでもOKなんですよね。FPですし。

初回は専門性を打ち出して集客したとしても、リピートしてもらうには「なんでも相談OKな存在」であることを、もっと見せていくべきだと実感しました。

来年の年賀状では、軽くでもそういったスタンスを伝えるような一言を添えようと思っています。

PS

年に1回、思い出してもらう工夫をあなたもやってみてください。

VIPリストが100人いれば、反応率5%で5件の再相談。
 その中にはきっと、また笑顔で会えるご家族もいるでしょう。

営業感ゼロで、自然につながる年賀状──
来年、どんな再会があるのか。今から楽しみでなりません。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

関連記事