集客数を自慢するFPの末路

昆知宏

最近考えることがあります。

FPの事業規模拡大とは、
果たして適切なアイディア
なのだろうか?

ということです。

私も去年くらいから、
ずっと採用を考えているのですが

どういう人を考えているかというと、
相談業務ができる人です。

事務面とかではなく、
お客さんと直に対峙する
仕事のことです。

いわゆる事業の要部分ですね。

正直、一人でこなせる量には
限界を感じていて、

マーケティングをしっかりやれば、
集客数をもっと増やせる感触が
あります。

それもあり採用を考えるのですが、
経営面を考えると現実的には
厳しいものがあります。

いいなと思う人もいるのですが、
現職での給与が高すぎて、

そのままお支払するという
わけにはいきません。

ざっくりいうと、
年収700万円くらいです。

この給与は約束できません。

FP事務所を経営されている皆さんは、
この数字がとんでもないことに
ご理解いただけると思います。

そして、いつも考えることがあります。

社員に700万円も出せる、
FP事務所が中立な提案だけで
本当にやっていけるのか?

ということです。

FP事務所経営の未来

保険販売に力を入れたり、
ベストマッチングにこだわらず、
決めやすい提案にシフトすれば、

年収700万円の社員を雇うことも
可能かもしれません。

しかしそんなことをしていては、
事務所の寿命が短命になるだけ
でしょう。

大手が運営する相談業は、
当然ながら”利益”に注力されています。

しかし細かく付き詰めていくと
ベストソリューションは
間違いなく別なところにあり、

細かく寄り添ってあげるのが
小さなFP事務所の役割だと
私は思っています。

収益よりもお客さんの利益を第一に
するという理念上、

組織化していくのは、
本当に難しいことだということを
痛感します。

単に私の力不足だけなのかもですが、
顧客利益第一で組織化するというのは
相当に高いハードルな感じがします。

成功しているFPの共通点

私が見る限り成功しているFPの
皆さんは、

採用をして自社コンサルタントを
増やすというよりも、

関連パートナーと連携を密に取り、
お客さんに最善のコンサルティングを
お届けしながら、

自分の時間を多く確保するという
傾向にあります。

収入も時間もあって、
イキイキと仕事をしているFPの方は
みんなこんな感じです。

本当にみんな幸せそうです。

こうなった時に思うのは、
自社で拡大する意味です。

集客数を伸ばし社会に影響力を
強めたいという欲求を、
満たしたいならそうするしかないですが、

・お客さんの幸せを追求したい
・自分も幸せに働きたい

このようなシンプルな欲求を
突き詰めると、
採用からは遠のいてしまうのです。

自分はどうなりたいのか?

・ニーズがあり拡大を考える人
・自分の方向性を見失っている人
・保険販売だけに限界を感じている人

人それぞれ悩みはあります。

こんなときにあれこれ、
悩みこんでしまうと、
結果的に更に自分を苦しめる結果にも
繋がります。

私の場合は採用をしたばかりに
経営上の収支に頭を悩まされて、

収益のために決めに行く提案を
してしまったら、

なんのために独立したのかの
軸がなくなってしまいます。

しかし自分の仕事が苦しくなると
人は安易な解決方法を実行しがちです。

そんなときこそクールダウンし、
FPで成功している人に共通している

『お客さんの利益を絶対に守り、
喜んでもらい自分も幸せになる。』

という根幹に立ちかえるべき
なのでしょう。

あくまでも個人的な考えですが
なりたい未来として、

集客数を自慢するFPよりも、
少数のお客さんでもより深いところの

ベストソリューションを追求する方が
何回考えてもしっくりくるのです。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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