独立当初に借りた事務所の失敗体験

中西雅司

先週の私の担当のメルマガでは、

「私の事務所名に関する失敗談」

をお話しました。

事務所名を決める時の注意点

今回は、

「起業当初に借りた事務所に関する失敗談」

についてお伝えしたいと思います。

・これから独立をしようとしているあなた

・事務所を借りようかどうか、迷っているあなた

などは、

「中西と同じ失敗をしないようにしよう」

という観点で是非参考にしてみてください。

「ただ知らなかった」だけで、約90万円のお金を損をし、結果として、独立FPとして軌道に乗るまでのスピードが遅くなったという話です。

満員電車に乗りたくないから

当時の私は、事務所名を決めると同時に、事務所を借りる必要がある!と考えていました。

そして、

「事務所は自宅の近くで探そう」

と決めていました。

なぜかというと、、、

地域密着型のFPになりたい!

と思っていたことが1つの理由。

もう1つの理由は、(こちらのほうが理由としては大きいかもしれませんが)、満員電車がとにかく嫌いだったからです。

私は社会人として東京勤務の時、片道1時間20分ほど満員電車に毎日のっていました。

それが本当に嫌でした。

座れることはほとんどありませんでしたし、特に週に3回ほどある飲み会の帰り道や翌日はとても辛かった記憶があります。

そんな経験もあり、私は、

「電車に乗らずに通勤ができる」

ということを実現するために、自宅の近くで物件を探そうと思って、不動産屋に行き、事務所選びをしました。

でも、私は、事務所を借りることに大きな不安がありました。

本当に払っていけるのだろうか?

その不安は、私は、会社を辞めたばかりで、前職の給与に相当する住民税を払い続けていて、しかも、独立系FPとして収益が立つのがまだ全然見えない状態で、

「自宅の家賃に加えて、事務所家賃が上乗せされて、本当にやっていけるか」

ということでした。

なので、できる限り安く借りたいと思っていました。

もちろん、事務所を借りずに自宅を住所にするという選択肢もありました。

でも、やっぱり自宅を事務所として、名刺を配ったりするのは、嫌だなと思いましたし、自宅が事務所だと、仕事に本気になれないのでは?という思いもありました。

なので、お金を払ってでも借りる!と決めて、不動産屋に行ったのです。

満足はできなかったものの

結果、あまり満足がいく物件はなかったのですが、払える金額と物件の質を総合的に考えて、家賃が月々38,000円の1Kのワンルームを借りることにしました。

東京の物件としては、一般的には、かなり安いと思います。

でも、当時の私にとっては、自宅の家賃に上乗せされるわけですから、本当に精神的に辛いものでした。

場所は、家から徒歩15分程度。最寄り駅は自宅と同じです(駅からは徒歩5分程度)。

当時の私は保険代理店をしていましたので、保険の手続きのための申込書やしおり・約款、パンフレットなどを事務所に置きました。

仕事用のデスクトップPCを自宅から持っていき、プリンターはブラザーのレーザープリンターをヨドバシカメラで購入しました。

面談用の、白い120cm×120cmのテーブルと白い椅子2脚をニトリで購入。

いよいよ準備が整い、そして、そこで仕事をしよう!!

と気合を入れていました。

ところが、、、

事務所としての機能は?

結果的には、その事務所を使うことはほとんどありませんでした。

ほぼ単なる物置になってしまったのです。

なぜかというと、、、

最大の理由は、家から近いので、逆に行く必要性がなくなってしまい、家で仕事をすることがほとんどになってしまったことです。

また、独立当初はお客様との面談は、お客様の自宅に訪問することやカフェでの面談がほとんどで、せっかく購入したニトリの面談用テーブルをお客様との面談に使うことは一度もありませんでした。

何度か代理店の担当者や業者との打合せを行うのに使っただけでした。

私はせっかく費用を出して事務所を借りましたが、ただ、離れた場所に倉庫を作っただけという状態になってしまいました。

その実質倉庫のために、私は2年間、38,000円×24カ月=912,000円という支払いを続けてしまったのです。

途中でシェアオフィスやバーチャルオフィスという存在は知ったのですが、色々と手間がかかりそうな気がして、2年という間、事務所を解約するということができませんでした。

もし最初からシェアオフィス・バーチャルオフィスという選択肢を知っていたら、こんなことにはならなかったと思います。

当時の私へのアドバイス内容

当時の私にアドバイスするなら、こんな内容になります。

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FPの場合、最初は事務所を持たなくてもやっていけます。

名刺に書く住所は、自宅が不安な場合は、バーチャルオフィスにすると良いでしょう。

バーチャルオフィスは、仕事スペースは使えないものの、住所を使用することができる仕組みです。

安ければ数千円で住所を使うことができますし、面談スペースが欲しい場合は、使う時に会議室代を支払えば、同じ住所で面談をすることができますことが多いです。

しばらくは、それでやってみて、それなりに軌道に乗ってきたら、シェアオフィスに切り替えると良いでしょう。

シェアオフィスに切り替えると、仕事スペースとしても使えるようになります。

こちらも都心の場合は、安ければ1ヶ月1万円以内で借りられる所もあります。

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独立当初のお金の使い方は大事

このメルマガで熱心に学ばれているあなたは、こんな私と同じ失敗はしないと思いますが、特に独立資金があまりない人は、独立当初のお金の使い方はほんとうに大事ですので、私のように無駄な使い方はしないようにしてくださいね。

その金額を何に使うかで、成功までのスピードは大きく変わってきますから。

ほとんどの場合、独立当初は、事務所よりも、マーケティングを学んだり、人脈作りをしたり、ホームページを作ったりするのにお金を使うのが良いと思います。

中西雅司
大手生命保険会社に約8年勤務後、2013年にファイナンシャルプランナーとして独立。これまで40万件以上のクレームを見てきた経験から、保険適正化コンサルタントとして活動をする。現在はFPのための経営コンサルタントとして、FPの育成にも力を入れており、『保険の販売手数料に頼らなくても、FPが活躍できる業界を作る』という想いの実現に向け日々邁進している。

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