集客に効く「知っている感」

札幌のホテルより
執筆者:中西雅司

    

先日、参議院選挙がありましたね。

選挙終了後から始まる開票速報。

子どもの頃からなんか好きで見てしまうんですよね。

それぞれの政党で議席の増減はあったかと思いますが、全体としていつも同じ傾向なのは、

「有名人は強い」

ということ。

政党の強い弱いに関わらず、やっぱり知名度のある人は、票を取る。

つまり、選挙においては、やっぱり、

「知っているか知らないか」

が大きく影響するなぁと感じながら、見ていました。

私自身もそうですが、きっとあなたも、同じ政党であっても、

・知っている人

・名前を聞いたことのある候補

のほうが、なんとなく安心して投票したくなる――そんな経験はあるはずです。

こういった傾向については、1つの心理学の理論で説明可能です。

経験則に基づいて正解を予測する

それは、ヒューリスティックスという理論。

これは、簡単に言えば、

「経験則や直感に基づいて、ある程度正解に近い答えを導き出す思考方法」

です。

たとえば、知らないお店よりも、見覚えのあるチェーン店を選んでしまうといった、あの感覚ですね。

これと同じで、選挙においても、知っている人や名前を聞いたことがある人を選びがちになるようです。

つまり、人にとっては、

「知っているか知らないか」

が、とても重要ということ。

多くの場合、人は無意識にこういった行動をしていますが、この行動を理解しておくことは、私たちFPにとってもとても重要なことです。

特に、集客という点においては。

大手のように広告を出すことはできない

私たち独立系FPは、開業した瞬間は「誰にも知られていない存在」からのスタートですよね。

そのため、あなたのことを「信頼できる」と思ってもらうには、まず「知ってもらうこと」が大前提になります。

とはいえ、大手企業のようにテレビCMを流すとか、新聞に広告を載せるとか、そういったことができるわけではありません。

じゃあ、どうすればいいのか?

私がおすすめしたいのは、「知っているもの」と自分をつなげて伝えることです。

「知っているもの」とつながると、安心される

たとえば、あなたのプロフィールに「○○県出身」「趣味は△△」といった情報が書いてあるだけで、そこに親近感を持ってくれる人がいます。

「同じ県だ」「私と同じ趣味だ」

たったそれだけでも、知らない人から「ちょっと知っている人」に変わります。

また、前職の仕事を書くのもオススメ。

ソニーやパナソニックなど、誰もが知っている企業なら、それだけで「ちゃんとしてそう」と感じてもらえることもありますし、

一般的にはあまり知られていない会社であったとしても、同じ会社で働いていた人は親近感を持ちます。

これも、「知っているもの」の力です。

実績も「知っているメディア」で語ると伝わりやすい

もし、これまでにメディア掲載や執筆経験があれば、これもその都度、どんどん出していきましょう。

・□□ハウスのコラムに掲載された

・Yahoo!ニュースに記事が転載された

・☆☆市で講演をした

こんなふうに、「誰かが知っているメディアや会社名、自治体など」が出てくると、それだけでぐっと信頼感が上がります。

これも、ヒューリスティックスの一種。

「知っている=安心」「見たことある=信頼できそう」という、無意識の判断が働いています。

「知られていないからこそ」やるべきこと

つまり、私たちFPがやるべきことは、「すごく見せる」ことではなく、「安心してもらえる要素を、相手が知っている言葉で伝える」ことです。

出身地、前職、メディア実績、趣味、特技などなど。

自分にとっては当たり前すぎて気にしていなかったことが、実は相手にとっては安心材料になるかもしれません。

そういった情報を、WebサイトやSNS、名刺や自己紹介の中で少しずつ丁寧に増やしていくことで、あなたは「知らない人」から「安心できる人」へと少しずつ変わっていきます。

ぜひ、あなたのプロフィールやホームページの記載などをレベルアップしてみてください。

きっとまだまだ書けることがあるはずです。

これからもあなたの活躍を心から応援しています。

中西雅司
大手生命保険会社に約8年勤務後、2013年にファイナンシャルプランナーとして独立。これまで40万件以上のクレームを見てきた経験から、保険適正化コンサルタントとして活動をする。現在はFPのための経営コンサルタントとして、FPの育成にも力を入れており、『保険の販売手数料に頼らなくても、FPが活躍できる業界を作る』という想いの実現に向け日々邁進している。

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