「“お客様想い”すぎて稼げない」
FP業界を表す言葉として、こんなことをよく聞きませんか?
人あたりがものすごく良くて、とにかくいい人オーラ全開の人。
こんな保険パーソンに先日お会いしました。
「自分もこんな人から保険に入りたいよなあ」と思い、
さぞかし保険で好成績を上げていると思いきや、
実は営業成績は全然ということでした。
その方の上司曰く、
「人物はいいのだけど、お客様第一すぎて成績はあんまり良くない」
という感じで、一言で言うとなんだかもったいないよなあと思ったのです。
“保険あるある”とでも言いますか、
顧客第一の提案だと保険に入らない方が良いとか、
入っても月1,000円とか2,000円ちょっとの保険だけ入ればいい
みたいなことが最適解になることって結構ありますよね。
でも保険パーソンとしてはこんな保険ばかり売っていては、
月に何組集客すればいいんだって話になり、
事実上それで食べていくのは厳しいですよね。
私も保険はやっていますが、
保険だけの収入だとしたら到底やっていけません。
いい人ほどコンサル型になるしかない
このテーマについてはFP業界ではここ数年で答えは出ましたよね。
それはコンサルティングをしてフィーをもらう立ち位置へ変換することです。
フィーをお客様に提示できないというのであれば、もはやボランティアの領域。
生活に困っていないのであればそれでもいいのかもしれませんが、
実際はそれも難しいところです。
日本人はサービスに対して対価を払わなすぎる、
無料であることが当然という風潮もいまだに見られます。
しかしみんながみんなそういうわけではないし、
フィー型で活動しているFPも10年前に比べて
相当多くなってきていのは間違いありません。
これを言い訳にする時代ももう終わっています。
保険の世界でやっていくのであれば、
販売のプロフェッショナルとなるのか、
それが嫌ならコンサル型に切り替えるか、
もしくはこの業界から去るのか。
ハッキリ言ってしまうと、この3択ですよね。
組織に属して“お客様想い”は実際難しい
私自身がFPになってから経験してきた限りでは
いわゆる企業系FPとしては“お客様想い”は明確に会社的にNGでしたし、
保険代理店としては当たり前ですが本音と建前の販売目標がありました。
販売目標を達成して、
かつ自分がそれなりの収入を得たいのであれば、
100%“お客様想い”は無理だと思います。
ここで私はいつも疑問に思うことがあります。
幸か不幸か私は転職回数が多くて様々な業界の経験だけはしてきました。
その時に感じたのは“お客様想い”なんてきれいごとは通用しませんでした。
とにかく自社商品をPRして買ってもらい、
買ってくれなければ何度もお願いして買ってもらう
みたいな方が普通だったからです。
なので保険業界に来て、贅沢な悩みをしている人が多いなと思ったことです。
まずスタンスはどうであれ
食べていける仕事を持つだけでも本来はありがたいのですが、
さらにその次のステップである“お客様想い”を考える余裕があるという方が
結構多いようにも感じます。
そして、行動に移している人も多い。
このモヤモヤを一度抱えてしまうと、現状を維持するのは難しいですよね。
となると、サラリーマンであれば独立が視野に入ってきます。
独立すると求められる能力がいきなり異なる
こんな過程で“お客様想い”の方は、
最終的にFPとして独立を考えるのだと思います。
しかし、ここで予想外?の大きな壁が立ちはだかります。
それは集客です。
今までは会社が集客してくれたお客様に対して、
会社から提示された固定されたコンサルティングではなく
他の自分なりの最適解を提示したいという想いがあったと思います。
しかしながら独立すると、
まず今まであなたの目の前に座っていたお客様が来ません。
自分なりの最適解と思われるコンサルティングコンテンツを持っていても
それだけでは使えません。
となると、やっぱり集客です。
独立すると正直、
実績やコンサルティングの質よりも、マーケティング力、
資金力の力差を明確に見せられることになります。
知識への投資や広告のマネージメントに時間を取られることになるので、
ここを純粋に楽しめない人は正直きついことになります。
もしあなたが保険を売ることにただ疲れてきて、
行動を起こそうと思っていたとしたら、いきなり独立してはなりません。
まずは資本力のある別の相談先から
集客、マーケティングで差別化を図るための戦略に
時間をかける必要があります。
この資本の壁は、めっちゃでかく心が折れる場面も何度が経験することになります。
ただ人のための役に立つ仕事がしたいのであれば、
公務員を目指すの方が実は最適解かもしれません。
“お客様想い”の本質は、自分のどこから湧き出ているものなのか。
これからチャレンジする人も、
既に軌道に乗っている人も、
最近中途半端になってしまっている人も、
このテーマの深堀りが働く満足度を高めてくれることは間違いありません。