つくばのカフェより
執筆者:石塚駿平
最近、立て続けにやってしまっていることがあります。
それは、
『無料のセミナーに申し込みをして、参加しないで終わってしまう』
という行動です。
ちょっと良くないのはわかっているのですが、
「気軽な気持ちで申し込みしてくださいね」
という感じで案内をしていたので、それにつられて申込みをしてしまい、結局行かないでしまう。
主催者には申し訳ないのですが、やっぱり無料だと
「無料だしいっか!」
となってしまいなかなか参加のモチベーションが高くならないんですよね・・・
特に、他の仕事があって忙しかったり変な時間に開催しているとなおさらです。
無料だと行動に繋がらない
きっと、僕と同じような行動をしてしまう人は他にもいるのではないでしょうか。
また、せっかく参加したとしても無料のセミナーで聞いたことというのは、
「良い話を聞いたな〜」
という感想で終わってしまい、何も行動を起こさない可能性が高いはずです。
どうせタダだし、という心持ちで真剣にならないのが理由です。
この状態というのは、参加する側としても、価値を提供したい主催者側としても良くないですよね。
しかし、無料でやってしまうとこのような形になってしまうことはよくあると思います。
アドバイスが価値を生む時はいつか?
これは、FPがアドバイスをする時やセミナーをする時も同様です。
「お客さんの負担は少ない方が嬉しいだろうから、無料や少額でセミナーをしたり、アドバイスを提供できるようにしよう!」
と考えるFPもいますが、それはFPの為にも、お客さんの為にもならないと感じます。
アドバイスが価値を生むのは、アドバイスを聞いた時ではなくそのアドバイスを実行した時だからです。
iDeCoを始めるのが良いという情報を伝えたとして、その情報を聞いただけでは何もかわらないですよね。
実際に申し込みをして、積立を開始することで初めて価値が生まれるものです。
この実行の壁を超えるには、無料での情報提供というのは力不足になってしまうことがほとんどです。
FPの存在意義
『価値が生まれるのは顧客が行動した時』
という考え方を受け入れると、違う視点が見えてくるはずです。
まず、FPの存在意義というのは、有益なアドバイスを提供するということではない、ということ。
そうではなくて、
『顧客がアドバイスを実行するのをサポートする』
ことがFPの存在意義ということになります。
この観点でいうと、FPとしての価値を高めるために必要なことが見えてくるはずです。
対価をしっかりと頂くこと
まず1つは、しっかりとした対価をフィーとして頂くこと。
『これだけお金を払ってるんだから、元を取るためちゃんとやらないと!』
と思ってもらった方が、実行をしてくれる可能性が高くなります。
無料のセミナーよりも、高額のセミナーの方が行動に繋がりやすいですよね。
FPとは関係ない分野ですが、歯医者さんが歯ぎしり用のマウスピースを作る時に、5,000円で作るよりも10万以上の料金で良いものを作った方が使ってくれるから良い、ということを聞いたこともあります。
人は、ちょっと痛みを伴うような出費があったほうが行動してくれるので、一見するとお金をあまり取らないほうがお客さんの為に思えるかもしれませんが、そうでない場合がほとんどです。
FPの存在意義を高めるもう1つの方法
そしてもう1つの方法は、
『お客さんに自分で行動をしたいと思わせること』
です。
しっかりとお金に関する教育をFPが行い、
「この状況を良くする為には、何をすれば良いと思いますか?」
「自分の幸せな人生を実現する為には、どんな選択をするのが良いと思いますか?」
という質問を投げかける。
そうして顧客が自分の意志で「これをやった方がいいぞ!」と思ってくれたのなら、おのずと実行してくれる確率は高まりますよね。
FPがやることを指示するのではなく、顧客が自発的に選択をして実行をしてくれる。
こどもになにかをやってもらう時も、上から命令するのではなく自分からやりたいと思ってもらった方が行動してくれやすいですよね。
このような環境を作り出すことが、FPの存在意義を高めることに繋がるんじゃないかと思います。
・・・
という訳で、FPの存在意義について今回はお伝えしてみました。
この視点を持っていると、考え方が良い方向に変わっていきますので、ぜひ取り入れるようにしてみてくださいね。
P.S.
僕は以前まで、料金の部分に重点を置いてこの問題を考えていたのですが、『顧客に行動をしてもらう』という環境を作るという方法の重要性を谷崎さんから学びました。
今ご案内をしているオンラインコースでは、具体的にどのようにそういった環境を作ることができるのかということを解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
https://fprise.com/k-tanizaki/