営業成績ビリからの大逆転

昆知宏

先日住宅FPマスター講座のセミナー
で東京へ行った時のこと。

この日の会議室の使用者リストを
見てみると季節柄、

新卒者の会社説明会や来期採用の
学生の企業説明会などの予定が
ぎっしり入っていました。

緊張でカチコチになった学生。
目を輝かせて希望に満ちた新社会人。

そんな彼らを見て過去を思い出しました。
自分にもあんな頃あったなって。

社会人1年目の私は恵比寿の
ベンチャー企業に勤めていて、

絵にかいたような営業畑から
社会人生活をスタートしました。

その時に会社から与えられた
ミッションは、

医療機関のテレアポリストを
渡されてアポイントを取り、
開拓をしてこいというもの。

こういう感じでした。

ひたすら電話をかけまくって、
新規開拓をする作業。

あ、か、さ、た、な、は、ま、や、ら、わ

こんな感じで50音順にリストは
作れていました。

この時、テレアポに慣れてない
ということと電話をするのが
怖かったので、

しばらくは思うように電話を
かけられませんでした。

一日10本の電話をするのが
やっとのような典型的な
ビビりであった私は、

営業成績がすぐにビリに
なってしまいました。

そこで、私は電話をするのを
丸一日やめてみました。

上司は私のメンタルが早々に
折れた諦めたと思い心配の目で、
見ているのが分かります。

しかし、この時私は、
このテレアポ合戦でどうやれば

いい結果が出せるのかを、
ひたすら考えていました。

まずはみんなの行動と、
トークスクリプトを書き起こし
ました。

結果が出ている人と、
結果が出ていない人の、
トークを字に起こしてみると、
違いが分かってきます。
そうすると結果を出している人は、

「今··にお困りですよね。

同業他社さんからもたくさん電話が
くると思いますが、

弊社の特徴は○○です。
詳しく会ってお話したいのですが・・・」

という感じで、

相手のニーズと相手の立場を
考えて話していました。

そして、例外なく“ゆっくり”
話していたのです。

優れたものを真似する技術

考えてもできないのであれば、
出ている人を真似する。

そしてアレンジもせずに、
完全にコピーする。

自分の能力に全く自信がなかった
私は躊躇なくこの作戦を
実行しました。

そしてもう工夫。

みんなを冷静に見渡した時に、
特に疑問もなく
“あ”から始めていたのです。

そこで私は考えました。

“あ”から初めていっても、
テレアポされる方がうんざり
しているだろうと。

そして、一部の人たちが、
気分転換に逆の“わ”から
攻めてくるだろう。と。

ということは、つまり

“あ”と“わ”から、
一番遠いところにある。

“な”“は”“た”の順で、
先に電話したものが勝ちだ!

しかも他の人、
または同業他社の新卒も
同じことをしているだろうから

ここまで辿り着く来る前に
最短でかける必要がある。

これをピカーン!
と思い付いた瞬間、
個人的に一番うまいなと思った
人から昼休みにトークを学び、

印刷して字にして、
書き起こしぶつぶつひとりで
ブースで一語一句そのままコピーし
ロープレして再び電話をしました。

「ワタシハ、ロボットデアル」

とマインドセットして、

誰よりも多い、
100件近くをリストの中間から
攻めまくっていきました。

「昆さん急に突然どうしたの?
怖いんだけど・・・」

みたいな狂気に似た空気感が
流れる中電話をかけまくる。

結果、ビンゴです。

アポイント率10%くらいの確率で
アポが取れ、
(今振り返るとこの率は脅威的)

成績はあっという間に、
同期のトップになりました。

優れた市場、優れたメッセージ

当時私が取り扱っていた商材は、
人間。つまり人材派遣です。

医療業界は慢性人不足なので、
正しくメッセージが伝えられれば、
アポイントは取れるはず。

しかし乱発していた同業者に
営業をかけられていることに
うんざりしていることも
読み取れます。

ブルーオーシャンである市場に、
優れたコピーライティングで
アプローチしていけば、

100%結果が出る。

新卒時代に追い込まれながら、
背水の陣的な形でしていた
行動こそが結果を出す最善の
結果だったわけですね。

自分流にアレンジせずに、
優れたアプローチで、

競争の少ないブルーオーシャンに、
ひたすら努力してコンタクト。

すべてのビジネスの基本は、
ここにあり!と、

緊張し固まっている新社会人を
見て思い出したのでした。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

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