会社の辞め時

東海道新幹線より
執筆者:中西雅司

  

「業界を良くしたい!お客様のために働きたい!もっと成長したい!」

私は、こんな前向きな気持ちで、会社をやめて、FPとして独立しました。

もう、12年前のことです。

ですが、、、そういった前向きな気持ちだけでは、私は会社を辞められなかった。

そう断言することができます。

なぜなら、、、

安定した収入を失うのが怖かったですし、会社員としての仕事も結構楽しかったし、お世話になった人もいっぱいいたからです。

辞める決断ができた理由

では、なぜ、私はそういった安定した状態を捨ててまで、会社を辞める決断をすることができたのか?

それは、

「当時お付き合いをしていた、彼女が会社を辞めたから」

です。

当時、彼女は、仕事に限界を感じ、突然会社を辞めることになりました。

精神的にかなりのダメージを負っていました。

私は、彼女を支えたいという気持ちがあったものの、私自身の仕事も精神的にはタフなものが多く、今の仕事のままでは、支えきれないと思いました。

仕事か彼女かの2択を迫られる

そのため、私は、

・仕事を続けて、彼女を失うか

・彼女を支えて、しごとを辞めるか

の2択の決断を迫られることになります。

このとき、はじめて、

「辞めることが現実の選択肢」

となりました。

結果、私は退職して独立する決断をすることになります。

もし、これがなければ、ずっと決断できないままだったでしょう。

前向きな気持だけで辞めている人は少ない

私は独立してから、色んな方にお会いして、

「独立した理由やきっかけ」

をお聞きしてきました。

志高く、前向きな気持ちで独立している人がほとんど!だと思っていたのですが、、、そうではありませんでした。

逆に、良くないことや辞めざるを得ない環境が訪れて、会社員を辞めて独立している人がかなり多かったです。

ただ、そういった方も、前向きな気持ちがないわけではなく、それだけでは、会社を辞める決断をすることができなかっただけだと思います。

なので、もしあなたが、独立したいという気持ちが少しでもあるのであれば、環境の変化を上手に活用しながら、行動のきっかけにしてみてください。

前向きな気持ちだけで、会社を辞める決断をするのは、決して容易なことではありませんので。

P.S.

ちなみに、その彼女は今、新幹線で横に座っていますが、会社を辞めてから、4年後に結婚することができました。

ずっと感謝しているのですが、今でも、辞めるきっかけを作ってくれた彼女に心から感謝しています。

中西雅司
大手生命保険会社に約8年勤務後、2013年にファイナンシャルプランナーとして独立。これまで40万件以上のクレームを見てきた経験から、保険適正化コンサルタントとして活動をする。現在はFPのための経営コンサルタントとして、FPの育成にも力を入れており、『保険の販売手数料に頼らなくても、FPが活躍できる業界を作る』という想いの実現に向け日々邁進している。

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