満足度がグングン上がる面談方法

昆知宏

テレビをつけていたら、

先日ピークエンドの法則という言葉が出ていました。

お客様の印象に残るために、

例えばホテルで意図的に朝食を豪華にするという手法。

 

チェックアウト直前の満足度が高まれば、

とにかくいい印象だけが残りリピートにつながるというものですね。

ピークエンドの法則とは、

ある事柄に対して記憶や印象に残っているのは

感情が最も高ぶったピークの出来事と、

その終わりごろの出来事だけで、

それらが全体的な影響を決定づけるという法則で

「ピーク」でも「エンド」でもない出来事は、

全体的な印象にほとんど影響を及ぼさないということです。

 

これを受けて私は思いました。

 

自分が行っているすべてのことにおいて、

意識をするとしないとでは決定的な差になるだろうと。

 

私は最近、終わりがなんかしっかり締まっていないというか、

相談者さん的には満足してもらっている感じはするのだけど

自分がしっくり終われていないというもやもやを持っていました。

 

ピークエンドの法則は相談者から見てもそうですが、

自分から見ても満足度を上げるという意味では

意図的にやったほうがいいことがあるのではと感じたのです。

 

というわけでこれらのFPのビジネスに落とし込んだときに

どういうことができそうかを今日は考えてみたいと思います。

コンサルティングのピークエンド

まずは相談者の方と長期にわたって関係が続くコンサルティング契約のイメージから行きます。

ピークとエンドはどこにあるのか考えてみます。

 

私は住宅FPとしてやっているので、エンドは住宅の完成です。

これは分かりやすいですね。家ができて、引き渡しをする日がエンドだと思います。

 

一方でピークはどこか?

住宅を契約するときでしょうか?

 

最も感情が高ぶった瞬間をピークとすると、住宅FPの方は分かると思うのですが、

ピークは契約ではないですよね。

 

ピークはもっと前にあるように思います。

 

契約時は現実的なプランニングと見積もりでの着地点であり、

感情が高ぶったというよりも一度高まった感情が現実的に着地した瞬間かなと感じます。

 

これが合っているかは分かりませんが、

そうだと仮定するとピークはもう少し前にあるように思います。

 

私個人的には建てるパートナーの本命が見つかった時が、

夢のマイホームを実現できるという期待が高まったピークと言えます。

 

建築プランがでてきて「これだ!」と思った瞬間です。

コンサルティングの過程においては結構序盤。

 

つまり序盤にどんどん会う回数を重ねて、

ピーク時まで一気にサポートをして、そこから先は事務的なことが多くなるので、

相談者的には重宝してくれるものの最後の印象には

きっとあんまり残っていないことが想像されます。

 

紆余曲折があって、最後家ができたときがエンドだとすると、

最初の加速度を付けて一気に駆け上がり、

そこからは徐行、最後の最後で何かを演出を企画するというのが

ピークエンドの法則からすると、住宅FPの場合ははまるのかもしれないです。

コンサルティングの依頼を受けるまでのピークエンド

では、コンサルティングに行く前までのピークエンドを考えてみましょう。

 

例えば無料相談を受けて、個別相談いわゆるコンサルティングへ至る過程。

ピークとエンドが1日の中にあるとします。

 

この場合、無料相談中でどこにピークとエンドを持っていくかが

次へつながるかどうかのポイントとなりますよね。

 

ピークは、期待。

エンドは、魅力的なオファー。

 

こんな感じに置き換わるのではないでしょうか。

 

期待は、面談内で聞き取った不安や悩みを具体的に1つ解決してあげる。

問題解決の手法をひとつ提示してあげる。

そうなれば、この人に相談すれば私の悩みは解決できるかも!ってなりますよね。

 

その他の基本情報の聞き取りや雑談は実際ほとんど印象に残らないと思いますので、

面談のポイントはお悩みポイントをフォーカスすることに尽きるのかなと思います。

 

エンドについては、ピークでチラ出しした情報のほかにも

もっと他の選択肢を提供したり、

それを受けるための手段の提示がポイントかなと思います。

 

背中を押してあげるために、早期決断のようなボーナスは効果があると思います。

 

ボーナスについては、汎用性のあるものではなく面談時に聞き取った内容をベースに

個別にパーソナライズされたものの方がいいですね。

 

いわば特別感です。

紹介の場合は、普通に紹介特別割引などでも良いような気がします。

 

有効な販促グッズがあるのなら、それをお渡しする方法もありだと思います。

リズムをつけることを意識する

1回の面談においても、長期のコンサルティングにおいても

常にこんな感じで面談前に全体像をイメージして

ピークとエンドをどこにもっていくかを考えて面談に挑めば結果はかなり変わってきます。

 

コンサルティング中の1回の面談にしても、今日のピークとエンドはここ。

コンサルティング全体で見れば、ピークとエンドはここ。

 

こんな感じで全体設計をしていくと、満足度は格段に上がるのは言うまでもありませんよね。

 

盛り上げポイントと魅力的な着地点。

 

この2つは私個人はあまり意識していなくいつも成り行きでやっていたのですが、

短期・長期の目線でプログラムしていけばとても楽しいことになりそうです。

 

せっかく同じ時間を使うならより満足度を上げたいし、

相談者が喜ぶ姿を見ればモチベーションも上がりますよね。

 

FPビジネスにおいてもピークエンドは使えます。

何をどうやったら相談者に喜ばれるのか。

ぜひ一緒に考えてみましょう。

昆知宏
新潟の住宅会社に営業として勤めた後、『特定の会社に属さずに、客観的な立場から住宅購入をサポートできるFPになりたい』という想いの元独立。住宅購入を専門とするFPとして、新潟でこれから家を買う方への相談を行っている。コンサルティングフィーは土地建物価格の1%と高額ながら、多くの顧客に支持されている。

関連記事