ある所に、家を買いたい人がいました。
この人は、ハウスメーカーで
家を建てようとしています。
その人を相手に、あるFPはこう言いました。
「家は工務店で建てた方がお得ですよ」
しかし、その人は"ハウスメーカーで家を建てる"
という自分の考えを変えようとしませんでした。
そのFPは、工務店で建てた方が
お得なことを知っていたので、
「なぜわかってくれないんだろう」
と悩みました。
また別の人の話
またある所に、
家を買いたい人がもう一人いました。
その人も、ハウスメーカーで
家を建てようとしています。
その人を相手に、
また別のFPはこう言いました。
「実は、私はハウスメーカーで家を建てたのですが、
その選択は失敗だったと思っています。
その理由を説明したいと思いますが、ご興味ありますか?」
質問に対する答えはYESでした。
そのFPは、家を建てることに
関する知識を話し始めました。
「ハウスメーカーと工務店等の
利益率の違いはご存知ですか?
実は、大手ハウスメーカーの利益率は、
見積り価格の35%〜50%になります。
一方、地元密着で家を建てている工務店の
利益率というのは、見積り価格の大体15%程度です。
つまり、ハウスメーカーの方が家の値段が高いのは、
利益が多く乗っかっているというのが大きな理由の1つです。
この利益の分は、テレビCMを使ったり、
キレイなパンフレットを作ったり、
社員に高い給料を払う為に使われます。
別に、お金を多く払ったからといって、
その分いい家が建つというわけではないのです。
あと、これはあまり知られていないのですが、
工務店は、ハウスメーカーと全く同じ家を建てることができるんです。
知っていましたか?
実は、"ハウスメーカーしか作れない"という家はありません。
だから、全く同じ家を建てる為に見積りを取ってみると・・・
ハウスメーカーの見積り価格が4,000万円
工務店の見積り価格が3,200万円
ということが起こります。
まったく同じ家で、です。
全く同じ家を800万円安く建てられるんです。」
ここまで説明すると、
話を聞いていた人は言いました。
「でも、ハウスメーカーの方が安心で、
アフターフォローもしっかりしてるから・・・」
それを聞いたFPは、こう説明しました。
「確かに、ハウスメーカーの方が安心できる
ようなイメージがありますね。
でも、工務店でもハウスメーカーよりも
信頼できて、アフターフォローもしっかりしている所が
あればそちらの方が良いと思いませんか?
見分けるのは少し知識が必要ですが、
私が見分ける為のポイントをお伝えしますので、
しっかりとメモを取っておいて下さい。」
こういって、そのFPは安心できる
工務店の選び方のポイントを説明して行きました。
・完成見学会を見る時のポイント
・OB客に話を聞く時のポイント
・営業マンに質問するべきことのリスト
・アフターフォローがしっかりしているかのチェック方法
などなど・・・
話を聞いた後の反応は?
そして、その話を聞いた後にFPが、
「ハウスメーカーと工務店、
どちらで家を建てたいと思いますか?」
と聞きました。
すると、返ってきた答えは、
「ハウスメーカーの方がいいと思っていたけど、
ちゃんと見分けることができれば工務店の方が良いと思いました」
と答えました。
その人は、最初とは考えが変わっていたのです。
基準を与えると選択が変わる
さて・・・
例え話で説明をしていきましたが、
これは実際の相談現場でもよくあることです。
こちらの意見や考えを伝える時は、
相手に適切な"基準"を与えること。
これがポイントです。
単純に、「こっちの方がいいと思いますよ」
と言っても、相手には伝わりません。
しかし、相手に"選択の為の基準"を与えてあげれば、
自然と相手の選択を買えてあげることができます。
そして、さらに「自分の知らないことを教えてくれる先生」
というポジションを獲得することができます。
人は、自分の知らない知識を
教えてくれる人を信用するものです。
こうなれば、
「私が信頼している工務店を
紹介することもできますが、どうしますか?」
と質問した時、「はい。お願いします。」
と答えてもらえる可能性はかなり高くなります。
今回はハウスメーカーと工務店を
例に挙げて説明をしましたが・・・
これは、何をやるにしても応用できる考え方です。
セミナーでやってもいいですし、「レクチャー」という形で
1対1で説明の時間をとるもの良いでしょう。
ただ、、、
この方法を使うと自分の都合の良いように
相手を操作できるのも事実です。
工務店ではなくハウスメーカー優位になるような
基準を教えてあげれば、そっちに行かせる事もできます。
※別にどっちがいいとかは今回のテーマじゃないですよ。
なので、本当にお客さんのことを考えた
"基準"を教えてあげられるといいですね。
この考え、あなたはどう使えそうですか?