執筆者:昆 知宏
最近、火災保険の満期更新が一気に増えてきました。
ちょうど10年前に住宅購入のお手伝いをしたお客さまたちが、10年満期を迎えているのです。
現在は火災保険の長期契約も最長5年ですから、これからは5年ごとに更新の区切りがやってきます。
そうなると、これまでの方の5年と、今新規の方の5年がクロスして、なかなかの数になってきます。
これがずっと毎月続いていきます。
住宅FPとして仕事をしていると、住宅ローンや家づくりの相談をきっかけに火災保険もお任せいただくことが多くなりますが、ここにきて「続けてきたことの意味」をあらためて感じています。
一件一件は小さくても、積み上がると景色が変わる
火災保険1件の手数料そのものは決して大きいものではありません。
最長5年になってから一度にいただける手数料はますます縮小しました。
しかも損害保険は契約後の事故受け付けもそこそこあり、目先の効率だけを考えると効率のよい仕事とは言えないかもしれません。
それでも10年という時間を経て更新が積み重なってくると、その価値の大きさを実感します。
例えば、更新手数料の合計が毎月8万円ほどあれば年間では約100万円になります。
金融資産に置き換えて考えると、利回り3%でおよそ3,500万円分の資産に近い感覚です。
IFA換算だと3億円近い資産を預かっている形でしょうか。
(私はIFAはしてないので肌感覚です)
もちろん単純比較はできませんが、仕事を続けている限り、このストックは少しずつ積み上がっていきます。
収益だけではない価値
火災保険の更新は、収益だけでなくお客さまとの接点にもなります。
更新のタイミングで「お久しぶりです!」と、連絡を取ることで、住宅ローンの相談や家計の見直しなど、新しい相談につながることも少なくありません。
今年だけで2件あります。
またそういう接点から、お知り合いをご紹介いただくことも増えてきました。
普段はなかなか連絡するきっかけがなくても、更新という自然な理由があることでお客さまとつながり続けることができます。
損害保険の仕事は単発の手数料というよりも、長く関係を続けていくための基盤のような役割を持っているのだと感じています。
FPの仕事は静かに積み上がる
FPの仕事は、すぐに結果や収益につながるものばかりではありません。
むしろ小さな仕事を一つひとつ丁寧に積み上げ、その結果が数年後に形になってくることの方が多いように思います。
その源泉を何にするかは人それぞれですが、私にとっては王道とも言える損害保険の仕事が、その一つの形になってきたと感じています。
そもそも私はこの仕事をすることになったきっかけが損害保険です。
20代の時に損保の募集人になったことがすべてのはじまりです。
損害保険は効率が悪いからやらない人が多いのも知っているのですが、私はここが原点なのでこれからもずっと続けていくつもりです。
派手ではなくても、続けていくことでしか見えない景色があります。
10年続けてきたからこそ実感できたストックのありがたみを、これからも大切にしていきたいと思います。本当に感謝、感謝です。
お互い、長く顧客の人生に寄り添う仕事を積み重ねていけたら嬉しいですね。