つくばの自宅より
執筆者:石塚 駿平
自宅の郵便ポストを開いたら、国境なき医師団からのDMが届いていました。
寄付のお願いDMなのですが、個人的にはこれ、好きなんですよね。
なぜなら、マーケティングの生きた教材だからです。
寄付というのは、やったら何かもらえる訳ではないですよね。
何の見返りもないのに、お金を払ってもらうというのは、難しい話です。
しかし、寄付を募る団体はお金を集めなくてはいけません。
そこで出てくるのが、マーケティングです。
見返りがなくても『寄付をしたい』と思ってもらえるように、人の感情を動かし、実際に行動に起こしてもらう。
ここまで純度が高くマーケティングの力が試される分野は他にありません。
伝えるメッセージが変わると、ダイレクトに寄付額が変化します。
だからこそ、大きな団体の場合はマーケティングがものすごく洗練されている場合が多いのです。
FPビジネスのヒントを見つける視点
これは寄付の一側面という話で、ちょっと穿った見方ではあるのですが・・・
学べることは多いので、この視点を持っておくと自分のビジネスのヒントを見つけることができるかもしれません。
ちなみに個人的には寄付は好きで、かれこれ10年以上は継続して寄付活動はしています。
国境なき医師団に寄付してた時もあったような気がします。
それはさておき、今回のDMの内容を見て、学び取ることができた内容をシェアしたいと思います。
メッセージの中心はストーリー
DMの中身は寄付を促す内容なのですが、際立っていたのはストーリーの使い方です。
国境なき医師団の活動を簡単に説明した上で、実際に現場で経験をしたリアルな話が次々に出てきます。
コンゴで1人の父親が、病気の子どもを助ける為に不眠不休でジャングルの中を一週間歩いてきた話や・・・
貧困状態にある家族が事故に巻き込まれて、母親が子どもを助けようと懸命に頑張り、子どもは助かったけどその母親は亡くなってしまった話など・・・
『適切な医療を提供できる環境があれば、助けることができた命』
に関するストーリーをいくつも伝えながら、医療の重要性を説いています。
ストーリーに勝るものはない
ここから得られる学びというのは、実際のストーリーに勝るものはないということですね。
『発展途上国の人は、適切な医療にアクセスすることができません。だから、あなたの助けが必要です。』
ということだけを伝えても、人の気持ちはあまり動きません。
しかし、実際にあったリアルな話には、人の気持ちを動かす力があります。
助けが必要な人は、どんな生活をしているのか。
医療へのアクセスが難しかったことで、どんな悲劇が起こってしまったのか。
支援によって、どんな人が助かって、その人は何と言っているのか。
こういったことを、一般化せずに生々しいストーリーとして伝えられると、人間は悲しいとか、なんとかしなきゃ、という想いが出てくるものです。
そして、気持ちが動かされると、実際の行動に起こす確率というのは絶対に高くなります。
具体的な事例を語ろう
これは、FPビジネスにも全く同じことが当てはまります。
『お金のことは大事だから、手遅れになる前に相談してくださいね』
という風に、一般化してお伝えするよりも、
『実は、この前相談に来てくれた方はこんな人で、こんな問題を抱えていました。
このままだと〇〇という状況になってしまう所でしたが、私がアドバイスをして〇〇をしたことで、状況はこんなに好転しました。
その方は今、これこれこういう状態になり、〇〇と言って喜んでくれています』
というように、具体的なストーリーを交えてお伝えした方が絶対に伝わりやすいです。
集客できるメッセージを簡単に作る方法
集客ができるメッセージを作りたいのであれば、この考え方は大いに参考になります。
実際のストーリーを使えば、そんなに文章力がなくても気持ちを動かすメッセージというのは作れるので、難易度もそんなに高くありません。
なので、もしあなたが集客ができるメッセージを作りたいのであれば、ストーリーを使って伝えるという方法は本当にお勧めです。
マーケティングの力が最大限必要な寄付の分野で、ストーリーの力が使われているのは偶然ではありません。
ホームページにも、セミナーにも、チラシにも、なんでも使える方法なので、ぜひ使ってみて下さいね。