トランプ関税で考える日本の投資教育

つくばのカフェより
執筆者:石塚 駿平

       

いやぁ、トランプ関税、すごいですね。

トランプ大統領の意向一つで世界がめちゃくちゃになっているのを見ると、

「本当にこんなことが起こってもいいの?」

と思わずにいられません。

あまりにも真実と異なる部分が多く、突っ込みどころが満載ですよね。

カナダ人の妻はフェイスブックでこの騒動に関する記事に対するコメントを見ているのですが、

「思ったよりもトランプ大統領の言うことを信じているアメリカ人が多くてびっくりする・・・」

と言っています。

言っていることはめちゃくちゃなのは外から見るとすぐにわかるものですが、トランプ大統領が言っていることをそのまま信じて、本当に関税がアメリカ復活の鍵になると考えている人がかなりいるようです。

カナダ人から聞いた面白い話

しっかりと教育を受けている人は物事を論理的に考えて分析できますが、そうでない人は感情に流されて信じたいことを信じてしまうのでしょう。

これに関して、面白い話をカナダに住む妻の父から聞きました。

カナダではアメリカと同じようにドラッグの問題があり、どの町にもドラッグ中毒になっている人がいるのですが、普通に暮らしている分にはあまり関わることがありません。

でも、最近はドラッグ中毒になっている人が店の中に入ってきたりして普通の人に

「なあ、ドラッグを手に入れる方法を知らないか?」

と聞いているという現象が発生しているらしいです。

ドラッグはアメリカから入ってきてる

なぜなのかというと、少し前にトランプ大統領は、

「カナダやメキシコから違法薬物が入ってきているから対抗措置として関税を課す」

ということを言っていましたよね。

これによって両国の緊張が高まり、これまでは比較的自由に国境を行き来できていたのが厳しくなり、検閲などがしっかりと行われるようになったそうです。

その結果、ドラッグの売人がアメリカからカナダに入ってくることができなくなり、カナダにドラッグが入ってこなくなった。

その結果、町中のドラッグ中毒者がドラッグを手に入れることができなくなり、どうにかして手に入れようと町中の普通の人にも声をかけるようになった。

という流れがあるようです。

トランプ大統領の言うこととは真逆ですね。

教育の重要性

こういった話を聞くと、やはり物事を自分でしっかりと考えずに、感情に流されて指導者の言うことを鵜呑みにすることの怖さを感じます。

自国の経済を優先する為に各国が右傾化して保護貿易を行い、その結果世界経済が停滞して各国が軍事力に頼るようになり、戦争につながったというのが世界恐慌から第二次世界大戦までの流れですが、今回の貿易戦争はその流れと似てるような気がします。

そのことを考えるとあまり明るい未来が待っているとは思えませんが、人々は感情に流されて同じ過ちを繰り返してしまうのでしょう。。

個人的には、こういった過ちを犯さない為にはやはり『教育』というのが大事なのだなと感じました。

アメリカは広い国で、貧富の差も激しいです。

そのせいで教育レベルにもバラツキがあり、物事を論理的に考えずに感情的な言論に流されるという人が多くなってしまう、という現状はあると思います。

そうならないためにも、やはり教育は重要ですよね。

トランプショックで明らかになる日本の投資教育

これと関連して個人的に印象に残ったのが、今回のトランプショックで株価が一気に下がった時に

『NISAなんてやるんじゃなかった』

という声が大きく聞こえてきたことです。

NISAで投資を始めたけど、今回の暴落で含み損が出てしまい騙された気分だ。もうやめる。

みたいな報道が、結構されていますよね。

これに関しても、投資教育が行き届いていたらこんな声は出てこないはずです。

そうではなくて、自分は長期分散積立投資をやっているから、今回の暴落は気にならない。むしろ、チャンスだと思って積立額を増やしている。

みたいなコメントが主流になってきたら、投資教育が行き届いてるという状態なので理想ですよね。

FPが活躍すれば、世の中は変わる

しかし、こういったコメントはFP自身や独立FPの顧客になっている方、投資リテラシーのある人から聞かれる言葉で、まだ主流とは言えません。

メディアもこういった声を拾ってくれるようになったら良いのですが、現状それに期待するのは難しそうです。

だから、私達がやらなければいけません。

一人のFPが影響力を発揮できる人数は限られますが、草の根活動的に周りの人に投資教育をしていったら、その影響の輪はどんどん広がっていくでしょう。

そして、それができたら株式市場の暴落で積立投資をやめるような人が出てこない、投資教育が行き届いた国になるはずです。

そうなったら、嬉しいですよね。

という訳で、トランプ関税の話から日本の投資教育の話をしてきましたが、あなたはどう思いますか?

FPというのは、人々に良質な金銭教育を提供できる仕事です。

その仕事を通して、世の中がもっと良くなっていったら素晴らしいですよね。

そういった未来を実現する為に、一緒にこれからも頑張っていきましょう。

P.S.

昨日、関税が90日間停止になったようですね。

狼狽売りをした人はきっと多かったでしょうが、正しい投資教育を受けた人は無駄な損失を回避できたはずです。

FPの持つ教育の力は、やはりとても大きいものだと思います。

石塚 駿平
株式会社FPライズ代表。独立FPに専門特化したコンサルティング、セミナー開催などを行っている。現在は依頼のほとんどを断っているが、相談料5万円の住宅相談をネットから月10名集客、開業コンサルティングを行なったFPが独立後15日で100万円以上の売上げを達成など、多くの成果を上げている。

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