『三大奪い合い市場』って知っていますか?
私がFPを始めた時に、先生から教えてもらった言葉なのですが10年前も今も相変わらずこの市場はそのままです。
血を血で洗うレッドオーシャンの市場と言えるわけですが、当事者としては辛くて大変ですが、そういった情報をアドバイスする立場であればまた話は別です。
FPは三大奪い合い市場の情報をお客さんに提供することで、ごはんを食べていけるとも言える不思議な仕事。
例にもれず私も家計の見直しをするときに、この話は常にコンサルティングの主体になっています。
さて、勘のいい方なら簡単に分かると思いますが、三大奪い合い市場の3つって何だと思いますか?
ちょっと予想してみてください。
2021年にさらに過熱する奪い合い市場
三大奪い合い市場とは、「保険」「通信」「住宅ローン」です。
一度加入してしまえば、固定費になるので本来はおいしいビジネスであるはずなのですが、競争に次ぐ競争が繰り広げられ、最初に契約したものを最後まで契約するケースはまれになってきました。
例えば、生命保険。
保険見直しショップの台頭で、日本社の加入件数は少なくなった?と思いきや、実際はそんなことありませんよね。
未だに相談者の方の多くは日本社に加入しており、それをベストな保障に切り替えていくという方法は10年前も今も特に変わりません。
FPが得意とする保険の見直しは基本的には、乗り合い代理店として活動しそれぞれをベストに導くというケースかと思うのですが、このスタイルはまだまだ通用しそうです。
これだけ保険見直しショップがあれば、ほとんどの人が直販ではなく乗り合い代理店から加入して、見直しニーズというのはかなり今後少なくなるのではと数年前には思っていたのですが、実際はそんなことはなかったですね。
FPを10年やってみて思うのでは、『時代の変化は意外と遅い』ということです。
FPは保険では食えなくなるとここ数年何度も聞いてきましたが、なんだかんだ言ってあと10年は全然大丈夫なような感覚が個人的にはあります。
あなたはいかがでしょうか?
2021年に加熱した通信費合戦
2年毎にキャリアを乗り換えて、新規割を乗り継いでいくというやり方は数年前では比較的スタンダードでしたよね。
私もDoCoMo、au、Softbankのすべてのキャリアをこれまでに何度か使用してきました。
2021年はそういった争いがあらたに進化し、ahamo、povo、LineMOに楽天モバイルが参戦して通信費値下げ合戦が繰り広げられています。
私は現在auのpovoですが、9月12日に発表された『povo2.0』プランでさらに通信料が下がりそうです。
他社も追随してくるでしょうから、通信料は極限まで下げることが家計の見直しのマストとなりそうですね。
2021年は通信費が特に注目されたので、携帯ショップの店員さんよりも、FPのほうが通信費に詳しいなんてことが良く起きていたと思います。
周りにも通信費にやたら詳しいFPがたくさんいます。私も結構知っています(笑)
しかしながら、こんな当たり前の事でも実際に保険を見直したり、通信費を見直し済の人って意外と少ないんですよね。。。
苦労せず家計をコストダウンできるこのあたりの知識の提供は、テキストには載っていませんがFPの実務面では必修スキルと言えるでしょう。
住宅ローン競争もヤバい
あとは住宅ローンです。
2021年は競争の完成形という感じで、極限まで低金利で魅力的なローンが溢れています。
地方ではネックであったネット銀行のつなぎ融資への対応も、多くの金融機関で対応が広がってきました。
若い世代はネット銀行に抵抗なく申し込むことから、今後住宅ローンの勢力図が大きく変わってくるのは時間の問題のような感じがします。
私も地銀の住宅ローンのサポートをする機会はめっきり減ってしまい、ありえないくらいの条件を提示しているネット銀行や提携ローン等のお手伝いばかりになってきました。
当然ながら、少し前に住宅ローンを借りた人は借り換えるメリットも計り知れず、三大奪い合い市場の3つを最適なものへと変換することによって数百万円のコストダウンがたやすい状態になっていると思います。
「保険」「通信」「ローン」と、何を今さらというような項目でも相談者の多くがアクションをしていないので、まだまだこの分野のアドバイスの価値が高いことが分かります。
こう考えてみると、auやSoftbank、楽天って3つのビジネスに直接参入しているわけで、国民の固定費の多くは巨大企業に支配されていると思うとなんだかすごい世界ですね。
競争があるから私たちには恩恵があるわけです。
FPとしてお客さんに雑談的にこの話題をすると、関心してもらえることが多いのでぜひネタとして使ってください。