執筆者:昆 知宏
先日、TBS【マツコの知らない世界】をなんとなく見ていたらとても興味深い特集をやっていました。見入ってしまい、思わずその後ネットで追加で調べてしまいました。
千葉大学一川誠教授による時間の研究です。
人は年をとればとるほど、時間の感じ方が早くなり、40代・50代になると1年は2~3か月程度に感じられるというものです。
これには大きく頷ける方が多いのではないでしょうか。
たしかに今年ももう折り返しの7月です。
早いと言えば早いですよね。
でも私は時間の流れが、あっという間という感じがあまりしません。
周りの人たちや妻は時間が経つのが早いと良く言っていますが、私はあまりそう感じていなくて気持ち的にはもう60歳くらいまで生きていろいろやった気持ちなのですが、ふと考えるとまだ40ちょいなんだ「ラッキー!」と思うことが良くあります。
特別な経験をしたときに、これまで何度もタイムマシンにのって未来から戻ってきたという不思議な感覚になることがあります。
先日も息子と泊まりで登山に行ってきたのですが、その時にも息子が小さくてかわいいときに登山をした記憶が前にもある、懐かしいな。あれ?またここに戻ってきた?と思うのです。
こんな感じでしょっちゅう既視感を感じるのですが、既視感を感じるたびに未来から戻ってきたと思うことにして、今、この時に集中しようと意識しています。
時間をどう感じ、どう使うかが人生の質を決める
本題に戻ります。
「時間を有効に使いましょう」という言葉はよく聞きますが、「そもそも時間ってなんだろう?」と考えたことはあるでしょうか。私は深く考えたことはなかったのでとても刺激になりました。
千葉大学の一川誠教授は、私たちが「時間をどう感じるか」「どう扱うか」によって、人生の充実度が大きく変わると説いています。
たとえば、「同じ1時間でも、楽しいときはあっという間に過ぎるし、退屈なときは長く感じる」──これは時間が絶対的なものではなく、私たちの心の状態に強く影響を受けている証拠といいます。
現代は仕事に追われ、常に「次」を考えて行動しがちですが、少し立ち止まって「時間の使い方=生き方」と捉え直すことで、私たちの毎日はもっと豊かになるかもしれません。
たとえば、時間の使い方を変えると、仕事の効率や満足度も大きく変わります。心理学的には「締切直前に頑張る」という働き方は、無意識に「失敗してもしょうがない」と言い訳できるよう自分を追い込む“自己防衛”の行動と見るようです。
しかし、早めに小さな目標を立てて一つずつ進めるほうが、達成感も得やすく、効率も上がるのです。朝型・夜型に関わらず、自分の心と体が一番活発に動ける時間帯に合わせて仕事を進めること。それが時間の「質」を高め、ひいては人生の「質」を高める鍵と説きます。
働き方を変えることで時間の感覚も変わる
近年、「働き方改革」という言葉をよく耳にしますが、本当の意味で時間を有効に使えている人はどれほどいるでしょうか。
一川教授は「日本では“やらないよりはやったほうがいい”という仕事が多すぎる」と指摘します。自分の専門とは異なる業務に多くの時間を使ってしまい、本来の強みを発揮できていない。そんな環境が、生産性の低下や働く人の満足度の低さにつながっているのです。たとえば海外では、研究者は研究に専念するのが当たり前で、他の業務は他の専門職に任されます。つまり、時間の無駄を最小限にする仕組みが根付いているのです。
また、私たちは「時間の長さ=成果の大きさ」と思いがちですが、それは幻想です。本当に大切なのは「何に、どれだけ集中できたか」。だからこそ、難しいか簡単かではなく「自分にとって重要かどうか」で仕事の優先順位を決めるのがコツです。そして、仕事を引き受けすぎず、必要に応じて人に頼ることも大切。仕事のネットワークを築いておけば、任せる判断もスムーズになります。「すべて自分で抱える」のではなく、「自分の時間をどう守るか」を意識することで、毎日の充実感も大きく変わるはずです。
これについて私は独立するときに強く意識していたため、既にサラリーマンのジレンマから解放されて達成済みです。それも時間が短く感じていない決定的な要因となりそうです。
「時間」は生き方のリズムとともにデザインするもの
教授によると私たちの体は、24時間周期の「サーカディアンリズム」によってコントロールされているといいます。午前中は論理的思考が高まり、夕方は記憶力が高まるという研究もあります。
つまり、時間の使い方を「自分の体内時計」に合わせるだけでも、驚くほど効率が上がるのです。たとえば受験勉強や重要な会議の前には、夕方に暗記し、しっかり眠ることで、記憶が定着しやすくなります。「夜に徹夜して覚える」は、科学的には逆効果です。さらに、四季による代謝の変化もあるため、自分の調子の良い季節や時間帯に合わせたタスクの割り振りも効果的です。
こうした「体のリズムに合った時間の使い方」を実践するには、手帳や日記での記録がとても有効です。一川教授は「人は自分にとって都合の悪い記憶は残さない傾向がある」と話します。うまくいかなかった原因を客観的に残しておくことで、次の改善に役立つのです。また、記録することで「何ができたか」「どこがうまくいかなかったか」を冷静に振り返ることができ、満足度の高い時間の使い方に近づいていけます。「ただ忙しく過ごす」のではなく、「どのように過ごすか」をデザインしていくこと。これが、現代における“時間を生きる”ということなのです。
特別な「とき」が記憶と満足度を豊かにする
仕事と同じくらい、私たちにとって大切なのが「余暇の時間」。一川教授は「休日にただダラダラと寝て過ごしてしまうと、特別な記憶が残らない」と言います。
だからこそ、旅行やイベント、ちょっとした非日常を意識的に取り入れて、「特別な時間」として記憶に残る過ごし方をすることが、人生の満足度を高めてくれます。「何も予定がないから寝ていた」ではなく、「何か思い出に残ることをした」日々の積み重ねこそが、豊かな人生につながるのです。
昔の日本には、地域の祭りや年中行事など、自然と特別な時間を共有できる機会が多くありました。現代では意識的に動かないとそうした「特別な時間」は得られません。だからこそ、自分自身で時間の濃さをデザインする必要があります。
一川教授は「同じ1時間でも、どれだけ細部に注意を向けられるかで感じる長さや密度は変わる」と話します。スポーツや趣味も、ちょっとした工夫や新しい視点を加えることで、より豊かで長く感じる「とき」に変わるのです。
つまり、時間とは“マネジメント”するものではなく、自分自身で“デザイン”するもの。言い換えれば「タイム・イズ・マネー」ではなく、「タイム・イズ・ライフ」。時間をどう使うかは、自分がどう生きるかということに直結しています。日々をなんとなく過ごすのではなく、自分なりの「My不定時法」を取り入れて、心が満たされるような時間設計をしていくこと。
それこそが、今を生きる私たちに求められる、新しい時間との向き合い方なのかもしれませんということでした。
…いかがでしたでしょうか。
私はとっても役に立った情報でしたので、今日はシェアさせていただきました。