先週の記事でも取り上げたのですが、
金融審議会市場ワーキング・グループによる
「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案)
がいまだに話題になっていますね。
フェイスブック等を見ていると、
これに関する情報発信をしているFPの方も多いです。
これがきっかけで相談がドッと増えた
というの話も結構聞きました。
もしかしたら、あなたの所にも
相談が寄せられたかもしれませんね。
明らかな変化や相談に来る人の特徴など
あったら、ぜひ記事下のコメント欄から
情報をシェアしてもらえると嬉しいです。
そして、今回の問題は
『老後資金2000万円不足問題』
として、政治的な問題に発展したようです。
なんだかゴタゴタやっているみたいですが、
僕としては見ていて違和感がありました。
なんでかというと、、、
老後資金2000万円不足問題を
認めるか認めないかのような
議論がされているだけで、
“どうやって備えていくのか?"
という現実的な対応策に目が全く向いていないからです。
今回の数字の資産というのはFPであれば
わかりきったことでしたよね。
老後資産の問題を無視するのかどうかではなく、
具体的にじゃあどうしていくのか?
ということを考えるべきだと思います。
需要が高まるFPアドバイス
その為の受け皿の1つとして、FPの需要はこれから高まっていくでしょう。
そして、この方向でFPの認知度が上がると、資産運用の相談が増えていくことになりそうですね。
住宅や相続などに専門特化せずに活動をする場合は、
資産運用の相談スキルは磨いておきたい所です。
こういった変化を見通して、FPライズでは現在
資産運用の相談スキルが身につくセミナーの開催を準備しています。
まだ時期としては先になると思いますが、
FPが正しい資産運用アドバイスができるよう知識を広めていきたいと考えています。
FPは本当に必要?
ただ、こういった話をすると決まって出てくる反論があります。
それは、
「将来的に資産運用はロボアドバイザーが
できるようになってくるからFPの価値はなくなるのでは?」
というものです。
この考えについて、あなたはどう思いますか?
僕は、この意見は間違っていると考えています。
確かに、
FPが持っている価値 = 資産運用のアドバイス
だった場合、
「それならロボアドバイザーでもいいじゃん」
ということになるでしょう。
アメリカ人FPの見解
でも、FPが持っている本当の価値はそうではありません。
それをわかりやすく解説している記事が、
FPジャーナルの2019年1月号に載っていたので紹介しますね。
アメリカのFPであるジョエル・ブラッケンスタイン氏の記事です。
"もしあなたが「プランナー」を称しているのに、一番に提供しているのが投資アドバイスだとすれば、利益は脅かされやすいと思います。
反対に、もし包括的なライフプランニング・アドバイスを提供しているのであれば、影響は最小限にとどまるでしょう。
投資アドバイスはコモディティ化しているため、将来の成長に向けた重要な要因は
「ファイナンシャル・プランニング」
であるとの見方が広まっています"
人生設計全体に関するアドバイスができるか?
どうでしょうか?
つまり、何が言いたいのかというと、FPが持っている本当の価値というのは
“資産運用のアドバイス”
ではなくて、
“人生設計全体に関するアドバイス”
だということを指摘しています。
例えば、
「夢だった海外移住を経験してみたい」
「退職したら自分でビジネスを立ち上げて本当に自分のやりたいことをしたい」
「年に一度、海外旅行に行けるような生活を送りたい」
このようなことをロボアドバイザーと相談できるでしょうか?
AIにはできないアドバイスがFPの本当の価値
資産運用のアドバイスというのは、人生設計全体でいうと下位に位置しています。
まずは自分の理想とする人生設計があって、それを実現するために資産運用のアドバイスをする。
上位の概念である人生設計全体のアドバイスというのは、
いくらAIが発達しても置き換えられる可能性は低いです。
『老後資金2000万円不足問題』
をきっかけにして、FPに対する需要はじわじわと上がっていくでしょう。
また、金融庁の方針により風向きは独立FPにとって追い風になっています。
そういった中、ブームに乗って消え去る存在になるのかずっと生き残るFPになるのかは、
この考え方がわかっているかどうかにかかっているかもしれません。
FPの本質を見据えて、本当の価値を顧客に届けられるFPになりましょう。